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レポート派?テスト派?

突然だが,皆さんはレポートとテストどちらが好きだろうか。友人にこの質問をしてみたことがあるが,全員レポート派であった。理由は次の通り:

  • 時間をかければなんとかなる

  • ネット検索ができる

  • 最悪優秀な友達に教われば良い

  • レポートの問題に関係ないところは勉強しなくて良い

いかがだろうか。みなさんもいくつかは共感できるところがあるだろう。これだけ聞くと,好成績をとるのはともかく,単位を取るだけならレポートの方が有利に思える。しかし,私26コマ男はテスト派である。なぜか。上で挙げたレポートの利点が26コマ男には全て裏目に出てしまうからである。まずこれらはすべてバイト・サークル・飲み会に耽る,「一般的な大学生」の口から述べられたものであることを忘れてはならない。つまり,授業などロクに聞きもせず遊びまくっている週10コマくらいの「一般的な大学生」にとってレポートは,出題されてからレジュメを読んでも間に合うし,ネット記事のコピペで「時間をかければなんとかなる」ものなのだ。課外活動で得た納豆の糸のような儚くも粘っこい人間関係を浪費して答えを教わる。そうやって作り上げた虚構に自分の名前と学籍番号を書いて提出する。なんと愚かな。

気がついたら大学生批判になっていたが,これからテストの素晴らしさを説こう。

まず,大前提として大学は相対評価であり,平均点くらい取れれば単位は取得できる。これはテストとレポート両方に共通する。問題はこの平均点がどれくらいかということだが,テストと異なり時間制限がほぼ無いレポートは高得点勝負になりやすいことはかなり本質的だ。「時間が無かった」という言い訳が通用しないレポート問題ではやはり,出題された問題に全て答えたくなってしまうのが人情というものである。そして全てに答えようと思うと完成まで2日ほどかかってしまうことも珍しくない。かけた時間が物を言うレポートで週10コマの「一般的な大学生」と勝負するには26コマ男は圧倒的に不利なわけである。

では何なら週10コマ野郎に勝てるだろうか。経験である。26コマ男は換言すると授業ソムリエである。授業を受けた回数なら同級生でまず右に出る者はいない。必然的に蓄積された経験により教授の口調,スライドの作りから試験に出そうな部分がわかるようになってくる。残念ながら私は人脈に乏しいので過去問などは入手できないが,過去問は所詮過去のものである。私のレベルになると過去問など不要なのだ。「どんな問題が出るんだろう?楽しみだなあ」なんて心持ちで試験に臨める。

最も重要なテストの利点は問題がレポートよりも易しいことにある。これには2つ理由がある。

まず1つは,高々90分の時間制限で重箱の隅をつつくような問題や,煩雑な計算問題を出しても試験範囲全体の理解度を問うことができないからである。つまり,試験では基本的な事項・定理を用いた標準的な問題が普通に解ければまず単位は落とさない。もちろん高得点を狙うには深い理解と素早い計算などが求められるが,単位取得だけを考えるのであれば,試験勉強にかける時間をかなり抑えられる。

もう一つは教授の成績処理の都合である。大学の成績が相対評価で決められることは先に述べた通りだが,これを教授の立場から考えてみよう。簡単のために成績は期末試験の成績だけで決められるとしよう。この場合教授が学生の理解度を知る術は試験の成績しかない。成績のみから評定を5段階で決めなくてはならないため,点のばらつき(分散)が大きくなるようにすることが望ましい。このような事情から成績が試験一発で決まる科目の試験は易しめになる(難しい問題は差がつきにくい)。

このようにテストは少ない勉強量で単位取得が期待できる最高の仕組みなのである。さらに受験者限定の特典として試験問題の原本がついてくる。これを学生時代の思い出として取っておくもよし,同級生や後輩に恩を売るのに使うもよし。さあみんな,試験に行こう。


手は一人でも繋げるが,握手は二人いないとできない

26コマ男


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