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#国土軸の旅(2日目①) 「地獄への道は善意で舗装されていて、中央分離帯には線路が敷いてあって、5分に1本千里中央行きの電車が来る」

「地獄への道は善意で舗装されていて、中央分離帯には線路が敷いてあって、5分に1本千里中央行きの電車が来る」

という諺語をご存知だろうか。

要はネットミームであり、特に意味はない。
しかし、ネットミームの"素材"として選ばれる程度には珍しいのがこの北大阪急行で、道路の下を通る地下鉄も、住宅の裏を縫うように走る私鉄電車がメジャーな関西圏において、いや、全国を見ても道路の中央分離帯(?)を高速電車が堂々と走るというのは珍しい。

なんでもこの北大阪急行、地下鉄御堂筋線と接続していながら(?)、大阪府や阪急電鉄の出資を受けている第3セクターらしい。

確かに「北大阪急行」という飾り気のない名称と、万博会場への輸送手段っぽさから、第3セクターではあろうとは予想していたものの、まさか私鉄の出資まで受けていたとは!

このことを知った時、私の脳裏によぎったのは大阪万博(1970年)と同時期(1972年)に都市を変革するレベルのイベント(札幌冬季五輪)を開催した札幌市。

かの地では大阪とは異なり、経済における公共セクターの力が強く、現在でも都市圏人口の8割程度が札幌市内に"おさまっている"ため、私鉄(定山渓鉄道)が出資することもなく、むしろ私鉄の線路跡に高速軌道の南北線が開通した。

これはこれで味気がない(画一的)のかもしれないが、しかし大阪のような二重行政による弊害(例えば大阪都市圏の千里にまで地下鉄を通せない、というような)を乗り越えるための努力を面白がってもいられない。

何故ならそれはやがて大阪維新の会の台頭という形で大阪府ひいては地方行政界に大きな混乱を巻き起こすこととなるからだ。

こうして振り返った際に、御堂筋線と接続した北大阪急行と札幌市営地下鉄南北線との共通点があることに思い至る。
そう思えばこそ、なおのこと(ツイッターでウケたいとかが大事なんだけど)千里中央行きの電車を撮影しなければならないと感じるのだ。

……と前置きはこれくらいにして、国土軸の旅の2日目を振り返ろう。この日の目標は京都のとあるホテルにたどり着くこと、それだけ。あと出来れば立命館大学にも行きたい。

「大」だけが小さい謎の切符

2021年12月6日朝

1日目の疲労がそれほどとれなかったのもあり、出発は8:45前後となった。仮設ロビーで無料のコーヒーを飲み、新聞紙を少しめくりつつ、旅程を立てる。

そのまま新大阪駅に入り、特に迷うこともなく地下鉄ホームに到着。数分待ち、9:20に到着した千里中央行きの電車に乗る。

そのまま千里中央に行くのもよいが、しかし写真を撮らねばならないし、ニュータウンの中心部だけではなく住宅地も見なくてはならない。

JRなどの駅のように駅前らしい駅前は存在しないためこのアングルから
低い
高低差よ

9:32に万博記念公園と同じ大阪府吹田市にある北大阪急行桃山台駅に到着。
その名の通り丘陵地に位置する桃山台を切り開いて通されたこのあたりの北急線は近くを走る道路よりも低い。

しかしそうであればこそ、この桃山台、特に新御堂筋によって二分されたようにも見える桃山公園が北大阪急行&新御堂筋のさいつよ撮影スポットとなったのだ。

池そばのトイレのおかげでうんこを漏らさずに済んだ

大阪平野から北へ北へ、開けつつあるニュータウンへ真っ直ぐ伸びてきた鉄路と舗装路が終点の一つ前の駅を目前に丘へ切り込む。
その決定的瞬間を追体験する電車を待ち構えるのが今回の撮影(イニシエーション?)の目的だ、と今は言える。

(当時は単にツイッターでウケたかっただけだが)

善意で敷かれた地獄への道
(http://nora.my.coocan.jp/mac/Saigoku/history/water/reservoir/Kasuga.html)にある通り昔は農業用の池だった
デカいが和式なトイレ。ハコモノ行政とは初期投資ばかり立派で維持コストは低く設定されるものであるのかもしれない。しかしコストが高すぎるトイレしか許容されなかった場合にはそもそもトイレ自体が建設されず、結果的に私はウンコを漏らしてしまったのかもしれない。
きれーい

駅から歩くこと10分。
ついにあの歩道橋へ。
はやる気持ちのままに階段を昇り、跨線橋(?)上へ躍り出た。
眼前に広がるはネットで見たまんまの景色!
しかし、車の走る音や街の音に包まれると不思議と存在感の圧に包まれ心地よくなる。

桃山台駅を望む
鉄路の上に柵があるためか橋の柵が低く、写真を撮らずとも景色を楽しめる。
まずは新大阪方面へ向かう電車

取り敢えず一度電車を見送り、アングルを探る。
それに、しっかり目と耳に景色を焼き付けておきたい。

それから数分待つと、定刻通り視界の深奥から千里中央行きの電車がやってくる。

「今だ!」とばかりにスマホで連写。
そして生まれたのがこのツイート。


キメゴマ!感を出した。
それまで1ツイートもせず我慢し通した。
その結果が8いいねなので、それなりに満足した。
ツイッターといえども、狙ったとおりの結果を出せるとまぁ嬉しい。
本当は20いいねくらいは欲しかったのだけれども。

近畿に冬は来ないらしい
「近代の秋」

このように、2日目からは「#国土軸の旅(2日目)」などのようなツイートを日のはじめに1度だけ記すことによって日ごとの"キャラ"を立て、「いいねするべきツイート感」を出そうとしたのだが、これはそこそこ成果を挙げた。と、いっても「1日目よりはマシ」レベルでしかなかったのだが。
むしろキメようとしてスベった感がダメなのかも。

何はともあれ、こうして無事に"2日目"を開始することが出来た。

地獄への道は善意で敷かれていて、中央分離帯には鉄路が敷いてあって、5分に1本千里中央行きの電車が来る。

やすい
べんり

2日目②「進歩の道は千里から(前編)」につづく

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