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【読書】八本目の槍 今村翔吾著

これからの読者へ
読んだけど情報量ありすぎてごっちゃになっている読者へ
そして、時が経ちあの素晴らしい作品はどんな内容だっけ?となる自分へ
莫大な時間をかけてまとめました。
ネタバレ注意です。


紹介文
石田三成は、何を考えていたのか? そこに「戦国」の答えがある!

秀吉の配下となった八人の若者。七人は「賤ケ岳の七本槍」とよばれ、別々の道を進む。出世だけを願う者、「愛」だけを欲する者、「裏切り」だけを求められる者――。残る一人は、関ケ原ですべてを失った。この小説を読み終えたとき、その男、石田三成のことを、あなたは好きになるだろう。歴史小説最注目作家、期待の上をいく飛翔作。

  • 受賞第41回 吉川英治文学新人賞

目次

一本槍 虎之助は何を見る
二本槍 腰抜け助右衛門
三本槍 惚れてこそ甚内
四本槍 助作は夢を見ぬ
五本槍 蟻の中の孫六
六本槍 権平は笑っているか
七本槍 槍を捜す市松


一本槍 加藤清正 虎之助
物語は唐入りのシーンから
元財務吏僚 鍛治職人の息子
肥後半国19万5千石
中枢の畿内希望していた が、地方勤務で出世の道を断たれる
唐入り2番備え 鍋島直茂相良長毎
備前名護屋城にて佐吉と面会、
「戦に負けてくれ」
「家康は豊臣を簒奪する」
小西行長の企み 金山銀山領有
清正の軍略軍才、見抜いてた秀吉三成
佐吉、金と米の価格操作家康弱体化計画
武士のいない世を作る
清正は清正のやり方で豊臣を守る
関ヶ原、清正は東軍に

二本槍 糟屋武則 助右衛門
賤ヶ岳で宿屋七左衛門討取り七本槍
お主も身内を殺したか?
耐えてきたトラウマが蘇る
播磨国出身 志村家、小寺官兵衛の下 織田羽柴側
慕う兄は別所長治傘下 糟屋家 母方
強烈な兵糧攻め
佐吉と出会う 武士が多すぎるという話
兄救出試みるも挫折 武士の業 餓えで闇に堕ちかける城内
荒木村重、織田家離反、官兵衛監禁
腕が飛んでも刺しても死なない闇落ち別所長治軍、
中に兄朝正が! 兄を葬る 糟屋を名乗る
あの日の悪夢を何度も見る、今では精神病認定か
小牧長久手でもう限界に
黒田長政、槍の師匠話を断る
佐吉、あの時お主に泰平の世のあるべき武士の姿を見た
関ヶ原、佐吉を逃す、獅子奮迅、蘇る武者ぶり。
長政へ突撃も鉄砲隊一斉射撃、目を瞑る…醒めることのない

三本槍 脇坂安治 甚内
関ヶ原、家康の寝返りの内諾済み
すまぬ。佐吉。
近江出身、浅井長政お市を見て、
惚れた女のために生きる
男の幸せとはこれではないか
浅井家滅亡、領地を失う
長浜の秀吉人材集め、片桐助作と士官
安土への石運び、佐吉女も働く世に。みすみす半分の才を捨てている
手籠にされそうな女子を救う際トラブル、お暇、助作と明智の丹波攻略支援へ
丹波の赤鬼、黒井城主、赤井直正
間者働き、美女八重と出会う、吉見則重の娘、織田家に奉公したいと
八重に惚れる、惚れてこそ甚内
吉見家は寝返るか?明智丹波入り 貂の皮で作られた馬印、吉見家の家宝
が、赤井吉見勢明智を翻弄
のち吉見勢明智につく 赤井は降伏を求め甚内使者となる
貂の皮2つ、両方と通じていた、鷦鷯、八重は直正の子、
どちらが勝っても吉見は残る
否、八重は大野の家を残したい。その妻、子供3人いる
八重、明智に吉見を売り、大野家安堵を取り付ける
翌日吉見勢は明智に皆殺し
八重と2人きり、指一本触れず別れる…
10年後、甚内も出世し大名に。八重と再会。
秀頼の乳母に。大蔵卿局に。
大野家3人の治の字は甚内の安治から
4人目の子供の父は? ええ そうか
八重より虎之助へ 小西の件お伝えをと
関ヶ原前の大阪城、八重と再会
家康への寝返りをセット済ですと。
脇坂の寝返りと大野家安堵をセットで取り付け。
大坂の陣前、家督を息子に譲る

四本槍 片桐且元 助作
大阪城内、評定より
淀の方、大蔵卿局、大野治長
家康の秀頼の会見、場所について議論
大阪城か二条城で。
佐吉、何故俺に託した?
浅井家国人の出身 趣味は木彫りの人形
父は浅井に賭けて失敗、死亡、母「大層な夢など見なくていい」
貧しい暮らし。夢など見るものではない。
甚内と共に長浜で士官。この時佐吉と出会う。
市松の槍の相手
欲心のない男
どんな役目も地道に取り組む
賤ヶ岳で三千石
4歳の拾丸に土産を競う
助作は木彫りの馬、1番に
やがて秀吉体調悪化、十一箇条の遺言書、五大老枕元に呼び寄せ
助作へ、秀頼を守ってやってくれ
関ヶ原前、佐吉と会見
家康暗殺計画、三成襲撃、上杉けしかけ、の全ての絵を描いていた
一刻も早く家康と戦わねばならぬ? 家康は衰え、秀頼は成長する
なぜ今戦うのかの説明
関ヶ原で負けた場合どうするかを語り合う。
豊臣家を残す道を 天下を手放す
冒頭の会見、虎之助の説得もあり二条城で会見
秀頼をお守りするという夢
虎之助、病で長くない。熊本で秀頼動座し戦う構想
今はただ家康の時を削る 虎之助自ら服毒、毒殺説流布
家康も家臣毒殺し疑惑相殺
二条城会見後、豊臣恩顧大名続々死亡
淀君暴走、国家安康に難癖、大坂城内大野治長中心に主戦論
助作和議目指す、秀頼は和議を託す
駿府へ。家康面会応じず。
条件は①秀頼江戸へ②淀君人質③大坂城退去を用意
大蔵卿局も駿府へ、本多正純との会見取り付け
大野家は4男以外は豊臣派に。大蔵卿局思惑外れる。
豊臣家蔑ろの11個の根拠を述べる。千遍練習した。
3つの条件持ち帰るも、淀君他不忠者と罵ることに
佐吉はわかっていたのだ。こうなることを。故に勝負を急いだ。
お暇を。やはり夢は見るものではございませんな。
旧知に呼ばれて茶をもらう。
豊臣恩顧の連なる死亡、お主がやったのだな?
家康も念入りなことだ。毒殺を黙って受け入れ世を去る。

五本槍 加藤嘉明 孫六
すまない、助作
三河出身家康の麾下岸家 一向一揆に与して所領失う
馬喰に身をやつした父から切り出された言葉
馬術の才 客の中のあの男 実は
愕然、青天の霹靂、まずは仕官
加藤景泰の猶子、秀吉の小姓に
市松虎之助、孫六、権平、甚内助作佐吉の順
佐吉の頭が良すぎる!
蟻を見つめるのが好き 行動原理は?
列から外れる蟻1匹、戻る場所があるから心を奮いたたし、新たな道を切り開ける
父の言葉 今も徳川家の家臣だ
俺は蟻ですらない あの男は服部半蔵
佐吉の夢 好きなことができる世を作る
半蔵現る、徳川の利を考えろ、書状は中身をあらためろ
ある日、皆で佐吉の幼き頃いた法華寺の願掛けが叶う木へ向かう
3杯の茶 4杯目の茶 どのような茶?
法華寺住職、倫恵、願いは叶ったのでは?
孫六、このような日々が続きますように
蟻の皆で力を合わせる様に憧れ
誰かが窮地に陥るようなことがあればあそこに集まろう。虎之助
小牧長久手の戦い、スパイ活動を求められる、無視
半蔵、次は無いぞ。母姉妹の髪4束を見せる
2代目半蔵、豊臣恩顧大名の離間を指示、渋々努める
佐吉とは敢えて合わずも、面会求められる、家康もゴーサイン
佐吉、家康と内通してるな?父の代から
佐吉の願掛けは共に夢を語らえる仲間が欲しい
佐吉、やるならとことんやれ、家康は甘く無い
佐吉、孫六に7将襲撃をやらせる
関ヶ原、孫六は家康につき三成の陣へ攻めかかる
西軍には佐吉、助右衛門、寝返る甚内
孫六、見つからぬ佐吉の居場所を察する
違う方向へいく1匹の蟻のように 法華寺三珠院  
薫恵、三成は昨日田中吉政に捕縛連行
伝言、解っていると
六条河原で佐吉斬首
家康、豊臣恩顧大名削れ
浅野長政幸長、池田輝政を茶席で毒を盛る、大坂の陣終わる
戦後、助作も消せと
助作、孫六私も解っている

六本槍 平野長泰 権平
関ヶ原合戦、その時真田に阻まれ信濃路の権平
権平、家康に付け
尾張出身、平野家は織田家の麾下
三男権平、地元では神童、地元の期待を背負い羽柴に仕官、絶頂
が槍では佐吉以外に勝てない
頭では市松以外に勝てない
自然と笑う男に
備中高松城、清水宗治、水攻め  佐吉か?
賤ヶ岳で七本槍に
父母を招き寄せる。地元の英雄。最も得意な時。
が皆大名になるも自分は五千石止まり。 俺は何をしていた?
周囲からも軽んじられ、相手にされなくなる
下に見ていた孫六の家来が同じ五千石の家老に…
佐吉が会いに来る。共に過ごしたお主らには飾ることなく話したい
なぜ殿下は大名にしなかったか? それはお主が学ぶことをやめたからだ。
諦めているのか?まだ機会はある。必ず戦は起こる。
佐吉、権平を大坂城に呼ぶ。
機会が来たぞ。家康に付け。7割勝てる。
理。戦の勝敗は現在では数で説明がつく。鉄砲前後。
お主が小馬鹿にされるのは悔しい。
関ヶ原終わる。それからこの戦を徹底調査。
佐吉は4倍の兵を引き受け、その他が普通にやれば勝てる計算。
権平、佐吉の名誉を取り戻す!
大坂の陣前、家康に大坂へ行くと暇乞い、家康と面会。
大御所の過ちを糺しに参りました。
理を述べる。
万石をやる、結構です立小便もできぬ、人は理では語れぬ、
三成は恐ろしい男であったと覚えておこう、恩は返したさ

七本槍 福島正則 市松
関ヶ原後、三成は大津で晒し者になっているところより
佐和山城攻め、三成の家臣、甚内を人質に家康に一言物申す!
三成は家康に呪詛をかけるとおっしゃったと家臣
大津城。細川忠興悋気病み、黒田長政、小早川秀秋
市松と佐吉、表向きは口喧嘩でも、真意を探り合う
家康の動きを10年止める呪詛をかけると佐吉
長政の、甲州を連呼、甲州警戒、どういう意味か?
虎之助、助作と力を合わせろ?甲州とは?
長政、遮る。10日後、三成斬首。
虎之助と役目で再会、佐吉の真意を探る
唐入りやめたい、金銀と米の話、武士を消し去る、いずれ豊臣家の権を民に渡す
豊臣は皇族に次ぐ公家貴族として兵を持たずに存続させる
助右衛門の最後の仕草の意味、願掛けの大杉か!
佐吉はあそこに行くから逃がしてやってくれ
法華寺三珠院、薫恵、佐吉からの伝言、解っていると
誰かに難があった時ここに来て助けよう、あの日の約束
孫六は来ていた
京に滞在中の孫六を広島から馬を駆けて面会、孫六の境遇を聞く。
手掛かり①佐吉の残した金を家康は探している 佐和山城に合戦前大量の荷駄が
山に入って、そのあと手ぶらで運び人出てきた…②関ヶ原をうろつく権平
権平に面会、家康も、権平には無警戒
何故関ヶ原へ?やることが、他言せぬ、佐吉の理を述べる
これより後はますます勝ちにくい。だから今戦う。
大坂城で最後に権平は佐吉と出会う。助作の協力で。
秀頼の病の見舞いで大坂城へ。淀君、大野治長中心に東西手切ムード。
家康の死を待ちたい、時を稼ぎたい、佐吉が稼いでくれている
佐吉があの時これ以上時をかけられない理由は、
家康甲斐の金山所有時期あり。乱獲して隠していた? 甲州連呼と繋がる
尚、三成が金銀を佐和山へ運んだとの認識は助作には無い。
2年後二条城会見、虎之助帰国途上で服毒、時を稼ぐ
秀頼の拝謁に権平を加えるよう、助作の処遇に異議、虎之助の肥後配置にブチ切れなど、小姓組の頃のままにある市松
佐吉は、誰よりも我らの家を大切に思う市松に託したのでは? 虎之助
ようやく解ったぞ 呪詛の正体は金と米だ
相場を操作して徳川家と取り巻きを破綻させる
朝鮮で金銀得られず、徳川は甲斐金銀を隠し持つ。
豊臣側にも金銀隠し持っていると思わせないとすぐ潰される
実際には隠し持っている金銀などないのだな 佐和山の一件はフェイク
呪詛 お捜しのものは信ずるものに託した  見事だ
助作の和議交渉、3つの条件、大坂誰も飲まず寧ろ助作失脚へ
市松怒りの大阪へ 単騎
秀頼、淀君、大野治長 呑気か? 馴れ合う様、これは何だ?偽善。
御方様、これまで大坂城と秀頼様のご威光でここが守られて来たと?
いえ、この城を守ってきたのは…八本目の槍でござる!
城を出る。家康の手のものに江戸でがゆるりと、と。
ああ、行こう 俺たちの家はなくなったわ。

秀吉の従弟 桶屋の息子


よくできてる。丁寧にエッセンスを纏めてしまった。試験勉強みたいに。
途中、呼び名、エピソード、伏線がありすぎて、
どれが誰のものかわからなくなったので、
未来の読者などのために名前などいろいろ整理した。
二度読みしました。

解説にもあるように、史実の行間を見事に紡いでいる。
7人の視点から、様々な疑問が投げかけられ、別の視点から回収されていく。

実際のところはもちろん不明だが、この作品の三成像は、
どこまでも先を見通しており恐ろしいほどに優秀。
ただ、人望や人がついてくるカリスマ性に乏しく残念な最期となる。

信長の野望にこれからどっぷりハマろうとしている自分にとり
この7本槍、8本目の槍が配下に加われば大切に昇進させようと決意。
その他登場人物も、今後のゲーム内の人事に大いに役に立つ、
そんな一品、逸品でございました。

幸村を討て 以来今村翔吾作品は戦国時代小説の宝石箱や〜

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