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2024/7/28(日)の宿題:小さなまちで

 『今日の宿題』(Rethink Books編、NUMABOOKS)に毎日取り組んでみる8日目。

 乾久美子さんからの出題(一部抜粋)

Rethink Booksを(中略)なぜ福岡に出店することになったのでしょう?
B&Bは他のまちで、
そしてどこまで小さなまちで展開可能だと思いますか?
可能だとすればどのように?

※出題全文は素敵な言葉で書かれているので『今日の宿題』で読んでほしいです。

 本屋B&Bに訪れたのは、まだ1週間前の一度きりだけど、ビールが飲める本屋さんで、しかも大型書店に置いていないような個人出版本などがたくさんあった印象だ。棚を見て回るだけでわくわくした。だからこそ『今日の宿題』に出会えて、こうやってnoteを始めようという気持ちになれた。酒と共にちょっとマニアックな本を読む、なんと文化的なことだろう。
 Rethink Booksに訪れることはできなかったけれど、本屋B&Bと同じように、文化的で素敵な空間だったのではないだろうか。
 そういった文化的な店を、福岡の天神に出店するということはある意味必然かもしれない。自分が九州北部の出身であるから特に感じることかもしれないが、福岡、とりわけ天神は、九州北部各地の若者が気合を入れておしゃれして出かける場所だ。気の利いたおしゃれな店がたくさんある。そういう場所にRethink Booksができることは納得だし、むしろそういう都市部以外にそのような店があるということを、正直あまりうまくイメージできない。

 どこまで小さなまちで展開可能かということについて。個人的に、考える要素は大きく2つだと思った。ビールが飲める店であること、個人出版本が多数あること。
 1つ目。ビールが飲める本屋は、きっとふらっと寄って、本を読みながら何杯か呑む、みたいなことを想定していると思う。ビールを飲むなら車社会だと厳しい。店には電車やバスなどの交通機関が、少なくとも15分に1回、夜遅くまであるところじゃないと気軽に通えない。そうなると都市部か地方都市でないと厳しいだろう。
 車社会の小さなまちで展開するなら、ノンアルコール飲料が豊富な方がいい。駐車場に広い土地が必要だし、多分広めの駐輪場もあったほうがいい。

 2つ目。個人出版本などの珍しい本が多いこと。こういった本をめがけて来る人、たまたま見かけて買う人というのは、表現の仕方が難しいが、多少なりとも自分の好きなものをちゃんと追い求めている人だと思う。そしてそういう生き方は、都会にいないとなかなか難しい、と、高校生まで田舎で生きてみて感じた。
 田舎では、大衆的な流行りをある程度知らないとうまく生きていかれなかった。当時はSNSをしていなかったから余計そう思うのかもしれないが。個人出版の本やZINEの存在も知らず、本屋といえばイオンに入っている大型書店だった。サブカルっぽい本はイオンのヴィレヴァンで手に入れていた。今思うとマイナーでも何でもない作家の話が通じなかったりもした。
 だからこそ、東京に出てきて、好きなものの話ができるコミュニティができて嬉しかった。マニアックなものをどんどん掘っていける店があって楽しかった。小さなまちから出ていく人って、そういう人が多いんではないだろうか?
 今、小さなまちで暮らせている大人には、もしかしたらB&Bのような本屋はそんなに必要ないのかもしれない。逆に中高生の中にはB&Bのような本屋に救われる子がいるかもしれない。こういう世界があるのだ、ここでも生きていけるのだと。この話は、ものすごい偏見にまみれていて、例外もたくさんあるのは承知している。

 これら2つをふまえて、B&Bのような本屋を小さなまちで展開する場合、中高生くらいの若者がある程度いるところなら展開できるのではないだろうか。その場合、アルコールだけでなくソフトドリンクやデザートに力を入れて、本が好きな中高生が集まるイベントなどを開催して、その地域の活性化と若者の定着に寄与するような方法がいいのではないかと思う。高校生のとき、自転車で行ける距離にそういう店があったら、私はずっとその店に通って、東京には来ていなかったかもしれないし。
 そうなると、B&Bのようにビールを飲みながら本を……というような、「大人の優雅な時間」的なコンセプトからは大きく離れてしまう。その時点でこの回答では間違いということになるだろうか。

 今日の宿題は難しかった。言葉の使い方が正しくなくて、よくないことを言ってしまっているかもしれない。読んだ人を不快にさせるかもしれない。ごめんなさい。東京コンプレックスがある私が全面的に悪い。



(乾久美子さんについて)
 建築家の方。「東京とそれ以外の街をどう繋いでいくかということを考えるべき時期なのかと思っている」(https://openers.jp/design/design_features/21237)というニュアンスのことを仰っていて、とても大事だ……! と思いました。地方出身者で東京に出てきた身として、やはり東京には放っておいても人が集まるし、だから東京にはいろんな人がいるけれど、地方にももちろんいろんな人がいて、いろんな人がいろんな場所で生きやすくなればいいのにな、と思う。思っているだけで行動する方法を知らない私は、何も言わないほうがいいのかもしれないけれど。

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