庇護欲
最近職場に後輩ができた。
2年目の時に誰も後輩がいなかったので、社会人になってから初めての後輩だ。
1つ下の健気な後輩1人、2つ下の純粋な後輩2人。
1つ下の子は本当に素直で、何か困ったことがあればすぐに相談をしてくれるし、手を差し伸べると必ずお礼を言ってくれる。
もう2年目として立派に1年目の子の面倒を見たりチームを率いている瞬間もある中、頼ってくれるところを見ると世話焼きな私のモチベーションはぐいぐい高まってしまう。
1年目の子はどちらも純粋で、1人は口下手で不器用な男の子、1人は仕事進めるのが上手くて、少しだけ生意気な女の子。
まだまだ足りないところは多いけど、その分伸び代があるんだろうなと、生暖かく見守ってあげたくなる2人だ。
歳上として、微力ながらも「守る」とか「育てる」とかの立場になった今、自分を振り返ることで自分を癒したいと思う。
1年目の時は、メンターと一緒に仕事をしていて、不安や不満があればすぐに相談できる環境にいた。
当時は厳しめの人だなと思っていたが、今更ながら私を守り育ててくれていたのだなと感じる。
2年目は営業としていきなり矢面に立ち、戦闘力がないまま戦い続けてボロボロになる経験をした。
この時もマネージャーは私を守り育ててくれていたが、愛の鞭がただの鞭にしか見えなかった私にとっては苦痛だった。
これはマネージャーの愛だと周りから諭されたり、諭されるまでもなく自分で気づいてもいたのだが、私は彼女を悪役にすることでしか自分を守れなかった。
そんな自分が大嫌いだった。
本来は人と一緒に何かをしたり、人のために何かをしたり、感謝を伝えたりすることが大好きなのに、自分を守ることで精一杯で、相手のことを思いやる余裕なんて微塵もなかった。
自分が自分でなくなってしまうような感覚に陥り、長い時間をかけて大好きになった自分を、また大嫌いになった。
そんな状況が長く続くはずもなく、ギリギリ保っていたのが限界になり、鬱状態と診断されて休職した。
復職してからは、運良く尊敬できるリーダーに出会い、腐ることなく更生することができた。
そして後輩育成まで任せてもらっている中で、この子達には絶対にそんな思いをして欲しくないなという気持ちと、もしその場面に立ち向かうことになったとしても、折れないための準備をさせてあげたいなと思う。
今は守ってあげることができても、いつか1人で対応しなければならない時が絶対に来る。
その時に、びっくりしてしまわないように、心がズタボロにならないように、今は沢山守られて欲しい。
守られている中で少しずつ失敗して成長して、骨が太くなったら一人立ちしてほしいなとおもう。
過保護すぎるかな、私のエゴなのかな。
でも嫌がられるまでは沢山教えてあげたいな。
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