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調理トレーニングを計画すること②

どのような料理コンクールでも、締切日があり、大会開催日が決まっています。情報収集能力に優れた選手が日程的には有利ですが、本当の有利さとは、確実なトレーニング計画にあります。ここで確認しておきたいことは、コンクールへの取り組みは、組織全体のレベルアップに繋がるということです。

参加する本人を始め、メンターやコーチ、アシスタント、関係者すべてが関わり刺激し合い、アイデアを出し合う。何回も全員で再スタートを切り、当日を迎えます。大会本番よりスリリングな毎日が展開されるはずです。それではここでは、練習の為の行動計画を考えていきます。大まかに説明していきますが、毎日のチェック、アップデートは必ず行います。

今回は、3コースメニュー4人前(オードブル・メイン・デザート)を例にして考えます。大会開催はおよそ4か月後と設定してみましょう。

■4ヶ月前

レシピの締め切りを確認し、コースのテーマを最初に考えます。テーマが決まったらメインタンパク質の調理方法を選択します。その後、季節、テーマ、ナチュラルカラーに準じた付け合せと、風味を高めるソースをいくつかリストアップし開発していきます。複数のレシピを作りながら写真撮影を行い記録し、完成度と時間の縮小を考えます。

■3ヶ月前

絞られてきたメインアイテムに準じた付け合せを試作し記録・写真・味見を行います。ここで注意したいのは調理方法の繰り返しやダブりは無くしてください。また、栄養のバランスが大切です。例えばメイン料理なら、付け合せの半分近くは澱粉質が占めていなければ、国際大会では評価されませんし、本物ではありません。繊維質やビタミンなどバランスを取ります。ここでも多彩な調理技法を披露してください

付け合せが決まれば、ソースの選択をしていきます。フレーバー豊かなニュースタイルなソースを開発してください。ここまできたら、食感に注目しクラッカー的なものを添えるといいかもしれません。但し、ニュートレンドです。いよいよ、フルディッシュで試食をします。ここでは自分に正直に、計画の見直しやスケジュールの割り当て、3コース実行可能な時間を再確認します。盛り付けはニュートレンド!何回も盛り付け直し、オリジナルを開発します。

このあたりで締切日が近いはずです。100%の力を出して完璧な3コースを作り、プロの写真家に撮影をお願いしてください。誰が見ても素晴らしいあなただけの料理写真を作り、レシピや関係書類と共に送り届けて下さい。

■2ヶ月前

必要な器材・食品のリストアップを作成します。これは、参加者本人がするべきです。自分の武器になりうる器材です。何回もヴァージョンアップしながら進めていきます。できればメニューに加えながら、パーツごとを毎日調理し、体を慣らしていきます。1ヶ月半くらい前になったら全体を通してのタイムアタックを開始します。おそらくタイムオーバーしますが、アシスタントの協力を得て、キッチンのタイムスケジュールを作成していきます。

■1ヶ月前

勤務地の協力を得て、自身の休日をタイムアタックの時間にしてください。その際は、実際と同じ時間、環境を作り行います。また、以前コンクールに参加したシェフや勤務先の上司、もしくは経営者、料理長などを招待して本番同様に審査・試食してもらいフィードバックアドバイスをもらってください。写真では解らない微調整をしていきます。残り2週間位でもう一度スケジュールの調整です。この段階で弱点は、はっきりしているはずです。

■1週間前

最後のフルタイムアタックをし、衛生面、ワークスペース、キッチンタイムスケジュールの最終確認を行います。出来れば、家族を招待してテースティングしてもらいましょう!力が入りますし、家族の理解・協力は絶対に必要です!

残りの時間は、器材の準備や体調管理。精神的なケアー・回復に努めます。慌てる必要はありません。体は覚えています。最低でもフルタイムアタックは10回以上は行います。心配な場合でもこの期間は、パーツトレーニングだけにしてリフレッシュしてください。休養や睡眠は、驚くほどやる気を出させてくれます。

■前日・前々日など

移動等がありますので、行動スケジュールに準じて早めの移動をします。

大体、この様な流れになりますが、細かくはメンターやコーチと相談しスケジュールを立てていきます。決して1人ではできません。何度も言いますが、コンクールはチーム戦です。いいチームを作ることが、いい結果に繋がっていきます!

次回は、キッチンでのタイムスケジュールについて記します。

今回の写真は。2018 FHA ナショナルチーム レストラン競技 メニューになります。こういったメニューをみてお客様がチケット購入をして(ネット販売)実際に100名前後に提供します。どのプレートが審査委員に提供されるかわかりません。ハードな競技と言えるでしょう。


Let's start cooking (*^^)v 料理コンクール対策に特化したnoteです。 楽しく取り組んでいきましょう! リクエストはコメント欄からどうぞ\(^o^)/