![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/149145669/rectangle_large_type_2_41ff68073ba77801287ce6ed78cc608c.png?width=1200)
【TRPG】もし、プレイヤーがシナリオを投げだしてしまったら
■はじめに
もし、プレイヤーがシナリオを投げだしてしまったら。
GMにとっては悪夢以外の何者でもありませんが、私はそういう状況に遭遇したことがあります。しかもGMとして。
そのとき、私がとった行動や原因についてお話しします。同じような状況に出くわしたときの参考になればさいわいです。
はじめに申しあげておくと、このセッションは上手くいきませんでした。ギリギリ、崩壊せずにすんだというところです。明快な解決策を提示できるわけでもないので、それでもいい、という方はこの先にお進みください。
■シナリオを投げだすまでの経緯
とあるオープンコンベンションでのできごとです。
私がGMをしたシステムは、「トーキョーN◎VA THE AXLERATION」。参加者はみな初心者で、サンプルキャラクターで参加してもらいました。ルールの説明もそこそこに、セッションはスタートしました。
シナリオはこんな感じです。
トーキョーN◎VAという街で行われている、弱者への暴力。それをおさめるために、世界中で支持されている大宗教の二代目法皇がやってきて、N◎VAを支配する者たちと話をすることになりました。
しかし、支配者たちは法皇を鼻であしらい、世論も「二代目では無理か」という空気になっていきます。
ここでわかるのですが、「プレイヤーキャラクターたちが協力し、情報を集めて支配者たちの弱みか取引材料を見つけ、二代目法皇の要求を通す」というのがこのシナリオの目的でした。もちろん、解決策もきちんと用意していましたし、プレイヤーがそれ以外の解決策を提示するなら、それを受け入れる準備もありました。
ですが、解決策があることを言う前に「あー、こんなの無理だー」とプレイヤーのひとりが突然言い放ち、セッションで行動することを放棄してしまいました。
ひとまず情報収集することによって、支配者を動かす交渉材料を見つけられれば何とかなるかもしれない、というアドバイスをしましたが、そのプレイヤーは動くことを完全にやめてしまいました。
プレイヤーは計4人で、他のプレイヤーは頑張って情報を集め、支配者たちの弱点を探し当てることに成功しました。ですが、行動を放棄したプレイヤーは「こんなの駄目だー」「無理だー」と言うばかりで、何もしませんでした。情報が出てきて、何とかなりそうな雰囲気になっているのに、です。
他のプレイヤーもその発言に呑まれて、だんだんやる気をなくしていっているのがわかりました。
■何がいけなかったのか
まわりのやる気を削ぐ、放棄プレイヤーの発言に問題はありますが、ひょっとすると、「情報を集めて謎解きをするシナリオ」というのが、そもそも駄目だったのかもしれません。ハック&スラッシュを期待していたらアテがはずれた、という可能性もあります。
ただ、事前に「こういうシナリオです」という紹介をしたうえで私の卓に来てくださったので、そのへんは理解していたとは思います。
私のマスタリングにも問題があったのかもしれません。
他のプレイヤーのシーンで、放棄プレイヤーに話しかけられ、「ちょっと待ってね」と言って、あとまわしにすることがありました。もちろんあとでちゃんと話は聞きましたが、そういうやり方に不満をいだき、嫌になった可能性もあります。
ここまで読んで、「そんなやる気のないプレイヤーは放置してもいいのでは」と思う方もいるかもしれません。ですが、私はそのプレイヤーを放置したくありませんでした。
何とか話を振って、出番を作り、謎解き以外の部分……ロールプレイ、戦闘、他のプレイヤーとのやりとりなど……で楽しんでもらおうとがんばりました(N◎VAはシーン制というシステムを採用しており、数シーンに一度、自分がメインとなるシーンが必ず来る)。
ですが、努力は徒労に終わりました。
最初にシナリオを投げた結果、放棄プレイヤーは完全にやる気を失ってしまい、最終戦闘にも参加しませんでした。他のプレイヤーたちは苦しい戦いを強いられましたが、何とか勝利することができました。そのあいだ、放棄プレイヤーはずっとスマホを見ていました。
■どうしたらよかったのか
ではどうしたらよかったのかというと、私としては大変不本意ですが、放棄プレイヤーを完全にセッションから切りはなし、他のプレイヤーときちんと向きあうべきだったのではないかと思います。
プレイヤーを脱落させたくない、という思いが私にはあります。みんながある程度楽しめるようセッション運営をしたいと考えていたからです。
ですが、そもそもやる気がないプレイヤーの相手をすること自体に無理があったのかもしれないと、今になって思うことがあります。相手にどう思われようと、放棄プレイヤーを見捨て、残りのプレイヤーへの対応に集中すべきだったのかもしれません。
■終わりに
自分がやりたいこととシナリオが合わない。そういうことは誰であろうと頻繁に起こります。
ですが、だからといってセッションを崩壊ギリギリまで追いこむ行為や、他のプレイヤーのやる気を削ぐ発言を連発することが許されるはずがありません。合わないと感じた場合でも、できるだけ他のプレイヤーの邪魔をしない、セッションを崩壊させない、という気持ちだけは忘れないでほしいと思います。
「TRPGは悪意に弱い」
その悪意が無意識のものでも、セッションは簡単に崩壊します。この点だけは本当に忘れてはいけないなあと思いました。
■YouTube「期待値なんてない! -TRPGについて語るチャンネル-」
■TRPG circle F.I.N.(エフ・アイ・エヌ)
大阪で活動するオフラインのTRPGサークルです。
新規参加者は常に募集中。初回のみ参加費無料。初心者歓迎。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?