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Los Angeles, March 19, 2016

2015年に“The River Tour 2016”が発表された時は衝撃でした。
それまでも2005年に『明日なき暴走 30周年記念盤』
2010年には『闇に吠える街〜ザ・プロミス:ザ・ダークネス・オン・ジ・エッジ・オブ・タウン・ストーリー』のリリースはありましたが
なにせ“Born to Run Tour 2005”も“Darkenss Tour 2010”もなかった訳です。

しかもアルバム『ザ・リバー』を完全再現するツアーなど予想だにしていませんでした。そんなこと有り得るのか!?とさえ思いましたが。
さらに青天の霹靂とも云うべき空前絶後の事態が勃発。

“全公演オフィシャル・リリース”

これには度肝を抜かれたという他ありません。狂喜乱舞なニュースであると同時に、個人的な趣味として楽しみ慣れ親しんできたBootlegの行く末を案じてしまい、手放しで歓んでよいものか…!?と、葛藤さえ憶えるものでもありました。

“The River Tour 2016”はヨーロッパ・ツアーの中盤からはアルバム『ザ・リバー』完全再現に囚われないセットリストに変貌していき、ショーとしてはそちらのほうが面白味があるとは思いますが、
“Meet Me In The City”で幕を開け、2009年のMSG以降もう観ることができないかもしれないと思っていた『ザ・リバー』全曲演奏は、当時公演直後に更新されるセットリストを見てドキドキしていたことを思い出すのも懐かしく、特にツアー初期に思い入れがあったりします。

ツアーの全公演を聴いたわけではないのですが、個人的に『ザ・リバー』完全再現を行なっている公演の中で最も気に入っいるのはロサンゼルス最終日。

取り壊しの決まっているメモリアル・スポーツ・アリーナでの最後の公演であり、
会場自体もこの日のブルース・スプリングスティーンの公演をもって閉鎖という、まさに本当の本当の最終日というメモリアルな公演。

1980年以来、幾多の名演を生み出してきた“伝説の会場”ですから、当然ボスもサービス精神過剰なまでに特に後半からフィナーレまで執拗に(笑)攻めてきてくれるのが嬉しいです。

“Shout”のあとにラストが“Bobby Jean”というセットリストは他日にもありましたが、
『ザ・リバー』完全再現のあと『Prove It All Night』にはじまり『Jungleland』や『Thunder Road』、『Rosalita』など怒濤に畳み掛ける豪華絢爛なセットリストを経て辿り着くオーラスは、いつも以上にボスの“まだまだ演奏やめないぞ”感があって興奮と同時に感動的ですらあります。

『Wrecking Ball』もメモリアル・アリーナVer.ですし、当時セットリストを追いかけていた時も“あ、オフィシャル・リリースのライブ盤で1日選ぶなら絶対この日だ”と思ったものでした。

ツアー開始から2ヶ月余を経て『ザ・リバー』完全再現についてはもはや鉄壁な演奏ですし、個人的には2009年のMSG公演に勝るとも劣らない大好きな公演です。

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