見出し画像

経営者の優先順位

 コロナのこの時期に経営者がどう行動したか。ここにその経営者が大切にされている価値基準が見えてくるように思います。

 お話を伺ったのは、美容室の経営者とホテルの経営者。DOIT!シリーズでもおなじみの企業です。美容室は売り上げが大きく減少、ホテルは休業してしまったので売上ゼロです。こんな時にお二人が考えたのが従業員の安全と生活のこと。社員を守ってあげられるのは経営者しかいない。普段から社員を大切にし、家族のように思って接しておられるので、給料はアルバイトさんまで全額保証。全員にマスクを配って、毎日のように励ましておられたそうです。美容室は休業要請は出ていませんので営業を続けておられます、だからこそ、社員が働く時に少しでも不安がないように、病院に置くような高価な次亜塩素酸生成器を購入し、一人ひとりに配布したり、売上が減少しているにも関わらず、安全対策に惜しみなく投資をされていました。

 その一方で、美容室ではお客様に対しても安全に来店していただける店にしようと、様々な対策を講じられ、その数はもう18項目にもなるそうです。休業中のホテルでは、この時期にこそ人づくりだと、毎日のように勉強会を行ったり、滞りのあったオペレーションの見直しをするなど、無駄に過ごす日はほとんどないそうです。「こんな時こそ緊急でないけど重要なことに力を注ごう」こう思って人材育成に力を入れておられます。

 社員の方にもお話を伺いましたが、やはり「うちの社長は社員のことを大切にしてくれている」と感じておられ、ますます頑張ろうという気持ちになっているそうです。

 社員を大切にする。きれいごとのように思われるかもしれませんが、こんな時にこそ、普段の自分の価値基準が出てしまうもの。二人の経営者は判断軸はまったくぶれていませんでした。そして、一方では、お客様に対する対応は、状況に合わせてどんどん変えていく。それも経営者が先頭に立ってやっていく。

 社員は「人件費」「コスト」だと思っている経営者。社員は大事な「家族」「仲間」と思っている経営者。どちらの会社で働きたいか。どちらの会社が成功していくか。こういうことが見えてくる時代だなと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?