世界に通用する
日本の美術界で活躍したい人は日本のコンクールに出品すればいいです。しかし国際的に活躍したい人は当たり前ですが海外とのコネクションを作ることのできるコンクールに出品した方がいいと思います。主催者が海外に支店をもっているとか、アートフェアに出しているとか、審査員の中に海外の美術関係者がいるとかしないと海外進出は始まりません。
最近、日本から世界に通用するアーティストを発掘すると謳うコンクールが増えてきました。ところが主に企業系コンクールに多いのですが、具体的にどう海外と繋がっていけるのかが判然としないことがあります。副賞に海外展示があるとか、審査員に海外のギャラリストやキュレーターが入っているとかではないのです。審査員は「海外のアートシーンに詳しい日本人」だったりするだけです。それはそれで見識はあるのでしょうが、出品者からすればもっと即物的なメリットがあった方がいいと思います。
ちなみに日動画廊が主催する昭和会にはパリのアトリエで滞在制作ができるパリ賞があります。秋華洞が立ち上げたmuni Art Award はグランプリ作家に海外フェアでの展示を約束しています。
こうした画廊主催のコンクールについては、月刊美術1月号「イチオシ作家」特集にまとめておきましたので、ご覧ください。
写真は文章とは関係ない、シェル美術賞の模様です。