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講義「アーティストになるための武器」

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過去に美術大学で講義した内容をもとに、画家・美術家になる方法を解説しています。ステートメント、CV、バイオグラフィーの書き方、ギャラリーの分類、展覧会の開き方など、アーティストと… もっと読む
美術雑誌の編集と美術コンクール運営の経験をもとに、画家・美術家をめざす方が知っておくべき事柄をまと… もっと詳しく
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第5講 ポートフォリオは2種類作ろう

1 ポートフォリオとは何か? 語源はイタリア語のPortafoglio(ポルタフォリオ)で「札入れの財布」のこと。そこから転じて英語のPortfolioは「書類を運ぶためのケース」を意味する。書類を綴じる前段階の状態であり、内容をまとめながらも、部分的に差し替えることを前提にしている。  場面や相手に応じてコンテンツを差し替えることが含意されている。 (金融用語でポートフォリオといえば、預金、株式、不動産といった資産の一覧を意味し、株のポートフォリオといえば所有・売買する銘

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第6講 名刺とポートレイト 〜アートをビジネスに変えるチャンスツール

 名刺はビジネスの第一歩である。  大企業ほどデザインを凝らすだけでなく、渡すときのマナーや扱い方にも気をつけて指導している。会社のイメージを左右するからである。アーティストの場合はデザイン力、独創性、画力、コミュニケーション力、人間力を示してチャンスを作る格好のツールである。 1 良い名刺とは何か?​ ・自分を覚えてもらう​名刺 ・連絡しやすい​名刺 ・仕事を依頼される​名刺 2 自分を覚えてもらう工夫とは? アーティストとして覚えてもらいたいのは名前、作品、顔である。

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第8講 画廊にアプローチする 〜パートナーの選び方

前回の「画廊を知る」に続く後編です。ここでは商業画廊の取扱い作家になる道筋を説明します。 1 アーティストにとって画廊はエージェントでありパートナーである  作品を販売するだけならば、画廊(商業画廊、以下画廊)に頼らずとも作家自身でできなくはない。しかしそれができたとしても社会性に乏しく、アーティストとしての世間的認知はないに等しい。  画廊で展覧会を開き、作品が市場で流通することでアーティストとしての地位を築くことができる。(自分でプロモーションする方法については別に説明

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第11講 メディアに掲載される 〜お金をかけずに記事にしてもらう

 雑誌や新聞といった紙媒体、ラジオやテレビの放送、インターネットのニュースサイトなど様々な媒体に展覧会を掲載してもらうには大きく2つの方法がある。ここでは雑誌に絞って説明する。 1 広告 料金を払って誌面を買い取る。希望を伝えてレイアウトなどを指示することができる。広告主体はクライアントである広告主である。アーティスト個人が出稿することは少なく、多くは展覧会を企画する画廊や百貨店が広告予算を確保して出稿する。  画廊(百貨店)は広告費をかけることで広く展覧会を告知し、顧客

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第13講 表紙画・挿絵、絵本、カレンダー、画集

「小説の表紙を自分の絵で飾りたい」「挿絵を担当したい」「絵本を作りたい」「企業のカレンダーに採用されないだろうか」と願う画家は多い。そのほか出版に関わる疑問も多いようだ。どうすればいいだろう。 1 出版社に問い合わせる? 美術雑誌の編集者はよく、「出版社の知り合いの方はいませんか?」「小説などの本の表紙に起用されるにはどうすれば?」と聞かれる。結論からいうと、知り合いはいるが、私にもその人にも特定の画家の絵を表紙にしてあげる力はない。  理由は簡単で、仮に私が書籍の担当編

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