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商社への株式投資 (持分法適応会社の評価額の変化について)

2021年9月2日現在の投資環境はリスクオンと考えらえる。

ジャクソンホールでのパウエル議長の発言も無事通過し、低金利が続くことが予想されている。

ウォーレンバフェットにならって商社への投資を検討している訳だが、現在商社は投資会社化していると、以下で既に述べた。

母体に投資した後に株価が暴落し、持分法適応会社の評価額が低下した場合に母体どのような影響があるのか疑問があり調べた。

結論から言うと

母体には大きな影響はない (資源への投資を除いて)


例外から説明した方が分かりやすいので、まずそこから。

投資先の評価額の低下が決算に影響したものとして、CO2削減関係で三菱商事・三井物産が資源関係で損失を計上している。
また、商社以外では、楽天がコロナ禍でLiftの評価額低下により損失を被った。楽天については日経で説明されている。

Lyftがユニコーン時代に投資をしており株式の10%超を握っていた。ここで資産として計上していたものが、上場により評価額が変更され、約1100億円の株式評価益を計上した。
その後、評価額が低下し2020年7~9月期に250億円の株式評価損を計上している。

資産としての計上は、
ユニコーン → 上場 → コロナ禍
というタイミングで行われている。

この記事では、会計上でLyftを持分法適応会社から一般投資に変更したとも記載されている。
この変更により、会計上何が起きるか?
◆Lyft株に減損会計が適応されなくなる
◆Lyft社の損益が楽天に計上されない。

持分法適応会社の減損会計は厳密に運用されているようで、多分4半期ごとに行われる。一般投資になると母体が減損時期をコントロールできるようになる。


商社について

そもそも、商社の性質上、利益が上がっている会社に投資することが多い。これは決算説明資料でも売り上げではなく利益でセグメント毎の業績を発表していることからも分かる。
よって、投資するときにその株式評価額にプレミアムが乗っているとは考えにくい。

ゆえに商社においては、株式暴落時に減損会計の影響が少ないと考えられる。

ちなみに、持分法適応会社から一般投資への変更というスキームは、伊藤忠での行われており、物議を醸したようである。

上記に、三菱商事・三井物産が直面した減損処理を例のスキームで回避したことについて、調査会社から突っ込まれたという件について考察されている。


楽天におけるLyft株の件で、会計処理の面で他にも勉強になったことがあった。蛇足気味なので、以下の別記事で述べる。


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