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クリエイター「カンザキイオリ」について綴る


2021年11月11日にカンザキイオリの小説最新作「親愛なるあなたへ」が発売となります。
前作の「あの夏が飽和する。」が11万部を突破したベストセラーとなっており、今作にも期待が高まっています。(※個人的にも高まっています…!)

最新作発売間近ということで今回は「カンザキイオリ」という人物について個人的観点で綴ろうと思います。
※個人的観点での内容となっているため、一部理解不能な部分が含まれております。


□「カンザキイオリ」を知ったきっかけ

ボカロPとして有名なカンザキイオリですが、僕が知ったのはバーチャルシンガー「花譜」との出会いがきっかけでした。

YouTube広告で知った「花譜」の動画を見てしばらく日が経ったある日、おすすめ動画にあがってきたのが「命に嫌われている。」でした。
おすすめ動画であがってきた時点では音楽の動画とは分からず、「精神論的な動画かな?」と思いクリックしたのを覚えています。

初めて聴いたこの音楽は、今までボカロ曲を一切知らず、音楽自体にも疎かった僕にとってとても衝撃的でした。
たしかに今まで感動した音楽はあったのですが、それらとは違う心にズシンと重く響くような感覚と「一体これは何なのだ?」という不思議な感覚を感じました。
これが僕が「カンザキイオリ」の音楽に触れた初めての日でした。


□「カンザキイオリ」の音楽と「カンザキイオリ」が創る「花譜」の音楽

カンザキイオリの音楽は心のどこかで感じたことのあるような感情を思い出させれるような音楽が多いなと感じていましたが、花譜が歌う楽曲では、別の物語が存在していて、その物語の中で創られていっているような、そんな感覚がありました。
そんなふわふわした違和感に納得できたのは「畢生よ」という楽曲を聴いた時でした。

「畢生よ」は、花譜が2020年8月13日に投稿。その後、カンザキイオリがボカロ曲として投稿しました。
2つの音楽を聴いて「花譜が歌う時とボカロ曲ではこんなにも印象が変わるのか!」とごく当たり前のことに感動しました。
そこではっと思ったのが、花譜が歌うオリジナル楽曲は「カンザキイオリが創った楽曲を花譜が歌う」のではなく、「カンザキイオリが花譜という一人の少女の世界の中で創った音楽を花譜が歌う」ということなのではないかと。
今まで、"カンザキイオリが創った楽曲を花譜が「歌ってみた」"に近い感覚で聴いていたのですが、そうではなく、"カンザキイオリと花譜が創り出す「花譜」の音楽"という認識に変わりました。(※あくまでも個人的な感覚です)
そして、「カンザキイオリ」の音楽もまた存在するのだと感じました。


□作家カンザキイオリの小説「あの夏が飽和する。」を読んでみて

2020年9月18日にカンザキイオリの小説デビュー作である小説「あの夏が飽和する。」が発売されました。
同作品はカンザキイオリの大ヒット曲「あの夏が飽和する。」を元に小説化された作品です。
あらすじは、

あの夏のはじめ、流花は誤っていじめっ子を死なせてしまう。自暴自棄になった流花は千尋とともに逃避行の旅に出たが、警官に追いつめられたうえ、流花は千尋を残して自ら命を絶ってしまった。
それから13年、流花のことが忘れられず、ただ無気力な毎日を送っていた千尋の前に、流花に生き写しの高校生・瑠花が現れる。千尋は瑠花に強烈に惹かれていくが、彼女には人知れぬ闇が隠されていた。さらに、瑠花の同級生でバイト仲間の武命は、壮絶な虐待のはてに悲劇的な計画を決意。2人はそれぞれ破滅への道へ転がり落ちていた。
それに気づいた千尋の脳裏に、13年前の出来事が蘇る。哀しみ、苦悩、そして後悔。千尋は今度こそ、あの時言えなかった言葉を伝えて、2人を救おうとするのだが……
戦慄の決行日は二学期の始業式。命を懸けたひと夏の闘いが始まる。

といった内容となっております。

この小説は発売される頃には、僕はカンザキイオリの沼にどっぷりハマっており、サイン入りが欲しくて会社の後輩に買いに行ってもらったほど。(結局、サイン入りは完売していました…)

読んでみた感想としては、話の展開に抑揚があって面白く、非常に読みやすかったなという印象です。
読む前から楽曲やあらすじなどを知っていたというのもあったかもしれませんが、導入部分からも描写や人物像がイメージしやすかった文章になっていたなと思いました。
特に中盤から終盤にかけての登場人物の生々しい心情の変化や終盤の畳み掛けるスリリングなストーリー展開に夢中になりました。


□アーティスト「カンザキイオリ」

2020年6月、カンザキイオリセルフボーカルによる音楽活動が始動しました。
以前からTwitterで「ライブをやりたい」と言葉を漏らしていたので、ついにアーティストカンザキイオリが動き出すのかという歓喜とアーティストカンザキイオリの創り出す音楽は一体どんな音楽なのだろうという期待で溢れていました。
そして、6月21日にMVが公開されたのが「不器用な男」。

この歌を聴いてぼやっとしていた期待が少し鮮明になったような気がしました。
カンザキイオリの中心にあるものは音楽であり、そこから派生して小説などが生まれているのだと思っていたのですが、もしかすると、中心にあったのは音楽ではなく「創作」なのかもしれない。
音楽を作り、小説を書き、絵を描いた。
創作できるものは創作し尽くした。
アーティストとして、セルフボーカルとして発表した「不器用な男」には、創作者カンザキイオリが表現されているんじゃないかと思いました。

2021年7月23日、YouTubeにて全編無料配信で開催された初のワンマンライブ「不器用な男」。
ある一人の男の人生を表現した、まるで映画を見ているかのようなライブでした。
初めて見るカンザキイオリの姿。
自分の中で「カンザキイオリはどんなことも容易にできてしまう天才」みたいなイメージが勝手に作り出されていたのですが、命を削るかのように必死に歌うその姿は、人間らしい泥臭さみたいなものを感じました。
アーティスト「カンザキイオリ」が表現したかったものは、「不器用な男」という作品の中で生きる一人の男の人間らしさだったのかなと思いました。


□クリエイター「カンザキイオリ」

カンザキイオリの音楽聴き、小説を読み、ライブを観て感じたことは「カンザキイオリは創作に生きる人」だと思いました。
音楽を作るカンザキイオリも、小説を書くカンザキイオリも、必死に歌うアーティストのカンザキイオリも。
カンザキイオリという一人の人生の物語をカンザキイオリが創作している。
そんな気がしました。


□カンザキイオリの小説最新作「最愛なるあなたへ」

11月11日発売となるカンザキイオリの小説最新作「最愛なるあなたへ」。
あらすじは、

小説家を目指す春樹。ミュージシャンを夢見る雪。そして、2人を見守る人たち。
それぞれの哀しみを背負いながら、高校3年間、寄り添うように生きていく。
ところが突如、平穏な日々に悲劇が訪れた。
隠蔽、苦悩、決断の果てに待つ衝撃の結末とは?
すべての答えは卒業式当日。
私は、あなたの「爆弾」になる――

となっております。
物語と関連するものとして、カンザキイオリの「不器用な男」「爆弾」が関係しており、ぜひそちらの音楽も聴いてみてほしいと思います。
初めて「爆弾」を聴いた時は、「爆弾」という言葉の表現の仕方と最愛の人への想いの重みを感じました。
これが小説と絡んできた時に聴くとまた違った印象を感じるんだろうなと思ってワクワクしております!!!


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