見出し画像

薬膳菓子開発日記〜レシピ開発から販売までの怒涛の1ヶ月間〜

こんにちは!ディスカッションラボ(以下、Dラボ)所長のにししです!
つい先日、薬剤師の免許を取得し、その資格を活かしてヘルシーなお菓子"薬膳菓子"の開発に取り組んでおりました!

画像2

なんとその開発から販売までの期間わずか1カ月
そんな短期間で商品開発できるのか!?という驚きがありつつ、販売までの経緯がなかなか壮絶&学び深かったので、その奮闘記をここに記します!※壮絶さは下画像のグラフをご参照ください。笑

★お菓子開発から販売までのモチベーショングラフ

スクリーンショット (103)


初めて食品系の商品開発をされる方にとっても参考になるようにまとめたので、是非ご覧ください!

きっかけ

この薬膳菓子の開発のきっかけになったのは、Dラボに奈良県宇陀市の町興しプロジェクトの依頼が来たのが発端です。

画像3

以前、島根プロデューサー研修という島根県平田地区の観光コンテンツ開発プロジェクト(下画像)をDラボとして手掛けており、その噂を類グループという建築設計・農園・学習塾などを行っている会社が知ってくれ、「一緒に奈良県宇陀市の町興しをしないか?」という連絡をくれたのです。

画像4

類農園は、農村と都市をつなぐをコンセプトに、奈良県と三重県にて農場を持ち、大阪では3ヶ所の直売所を運営。農村を活性化する役割も積極的に担っていこうとされていて、その流れから町興しの活動を行っています。

そこで担当者から詳しく話を聞いてみると、その宇陀市は生薬の発祥の地と言われており、大和当期など漢方でもよく使われている有名な生薬が栽培されている地域でした。
実は私、薬学部では生薬の研究室に所属していて、「これは何かの縁では…!いまこそ薬学×マーケティングの知識を活かす時だ!」と思い、この町興しプロジェクトに参画することに決めたのです。

そんな矢先、一か月後に東京の有名な商業施設(渋谷スクランブルスクエア)で商品を販売できる機会が舞い込み、それに間に合わせて商品開発しようと、超絶タイトな町興し×薬膳菓子開発プロジェクトがスタートしたのでした。

画像21

なぜ薬膳菓子?

そもそも薬膳とは、生薬や身体に今必要な食材で作られた料理のことを指しており、今回、生薬の発祥の地と言われているこの宇陀市を知ってもらう為にはこの薬膳を用いることが一番PR効果があるのでは!?と考えました。

さらに近年、セルフメディケーションの潮流からか、西洋医学的な病気になってから対処するという対症療法ではなく、身体の調子を根本から改善しようという東洋医学的な考え方が30~40代女性を中心に流行ってきていることもあり、最近流行りの"デトックス旅"に便乗して「奈良県宇陀市はカラダに嬉しい薬膳の町」というイメージをつくり、観光客増加に繋げれるのではと推測。
こからまずは宇陀市のPR商品として、日ごろから手にとってもらいやすい"お菓子"と組み合わせて"薬膳菓子"の開発をすることに決めたのです。(観光コンテンツがたくさんある現代において、いきなり観光ツアーを作って宇陀市まで集客するよりも、まずはその場所の認知度UPと"カラダに嬉しい町"というイメージ作りとして、お菓子を広める方がよりたくさんの人にアプローチできると考えたからです。)

AIDMAでいうと、存在を知る(Attention)きっかけがこの薬膳菓子→健康に良いお菓子って面白いと興味を持つ(Interest)→Desire(欲しいと思う)で購入→奈良県宇陀市ってカラダにイイ町なんだと記憶(Memory)→宇陀市に観光(Action) というプロセスを想定しました。

ちょうど最近クラフトコーラなど、薬膳飲料となるものが流行りつつあり、その波に乗ろうという魂胆もありました。ちなみにこの「ともコーラ」というのは従来の薬膳の古臭さを一新し、若者に向けて訴求しておりとても参考になります!

フィールドワーク

薬膳菓子というコンセプトは決めつつも、宇陀市のことを何も知らないし、何の素材を使うかなど一切決まっていなかったので、まずは奈良県宇陀市へフィールドワークへ!類グループの方々がその機会を用意してくれ、Dラボメンバー達と参加。

画像6

画像5

その後、ディスカッションラボお得意のディスカッションを通して、どんなターゲットに対して、どの食材を使い、どのような訴求のお菓子にするかを議論。

画像7

まず、ターゲットペルソナは「健康に気を使い始めてきた、オフィスで働くキラキラ30代独身女性」に設定し、オフィスで手軽に食べれるギルトフリーなお菓子であれば売れるのではと考えました。
たまたま近くにた類グループ社員の山田さんがまさにペルソナだったので、速攻ユーザーヒアリング!(笑) すると、「健康に気を遣い始めてからは安くて美味しいものより、ちょっと高くてもカラダにイイお菓子を買いたい」というニーズがきちんとあり、狙いどおり!これなら単価もある程度高めに設定できるしターゲット設定的にはいい感じ。

続いて使用する食材について議論。
いろいろ生薬の論文も読み漁り、当初は大和当期という血管拡張作用で体をポカポカさせる効能のある生薬を使ったお菓子で冷え性に悩む女性向けに考案していたものの、大和当期は1kg10万円とかなりの高価…。
そこで、最近糖尿病患者に対して飛ぶように売れているというスーパーフード「菊芋」(1kg1万円)を使ったお菓子を作ることに変更!ダイエットや腸活を訴求する菓子を作ることに。

続いて、何のお菓子にするか?という話し合いでは、拡散力のあるようなイマドキ大人女性に刺さるように映えるお菓子でかつ、商品として売るうえで日持ちの良いお菓子でないといけないという点から、焼き菓子であるフロランタンに決定!(ネットで「日持ちするお菓子」と検索したらいろいろ出てくる便利な世の中です)

レシピ開発

そんなこんなで、ついに肝心な薬膳菓子のレシピ開発へ!
レシピ開発は、近畿大学農学部栄養学科でお菓子作りが趣味の、Dラボ学生代表のみさとちゃんが担当。ラボメン達で集まって試作菓子作り♪
しかし、このレシピ開発が悪夢の始まりでした…

カラダに嬉しいお菓子として製造するうえで、菊芋以外の材料にもこだわりたいと思い、"米粉・豆乳・てんさい糖・メープルシロップ・麦芽水飴・バター&卵なし"という、いかにもカラダに良さそうな材料構成で挑むことに。

画像10

画像8

また、メープルシロップは私の出身校である近大薬学部の教授が研究をしていて最近論文が出たばかりの、血糖値上昇抑制効果が期待されているという優れもの!


そんなこんなで素材にこだわりぬいたものの、試作第1作目がやばかったんです。

画像11

それはもう犬のエサかと思うほどにマズい。見た目は良いものの、匂いも菊芋の臭さが勝って食べれたもんじゃない…
試食後、しばらくラボメン誰も言葉を発せないくらい、これは商品化できないんじゃないかというヤバイ空気が漂いました。
分量を変えたりして、何度作りなおしても美味しくない。米粉がほんとまずい。そうしてグルテンフリーは諦めて小麦に転換することに...(米粉スイーツは素人の手では美味しくできないということを学びました)
※このレシピ開発期間中、販売日が迫っている中で私は「売り物になる味を作ることは不可能なのでは…けど販売日までになんとか完成させなくては…」と、脳内ミッションインポッシブルのBGMが流れながら、毎晩眠れないほどどうしようかと病んでいました(苦笑)

結局2回の試作日を経て、"米粉→小麦粉・豆乳→牛乳・バター使用"へ変更してレシピを完成!その結果、味は販売できるレベルには美味しい!と言ってもらえるまでゆき、感無量。(小麦粉とバターは偉大です...)

画像9

最後まで諦めずにレシピ考えてくれてたメンバーには頭が上がりません…
フードロスが推進されている中、廃棄されていった失敗作の生地に対して罪悪感が残りました。お菓子作りって途中で味を軌道修正できないので大変なんですね。

工房での製造

詳しい方はご存知の通り、販売する食品を製造するには、保健所から製造業の許可を得ているキッチンで製造しなくてはいけません。今回は、類農園が持っている宇陀市の製造販売業の許可を得ている工房で、食品衛生責任者の立会いの下製造しました。

画像12

最近では、製造許可を得ているキッチンを貸し出すサービスなどがあるので、個人で食品を作って販売する方は下記リンクような場所を活用してもいいかもしれませんね!(便利な世の中…)

食品表示ラベル作成

そして、商品として食品を販売する際に必要なのが「食品表示ラベル」です。今回は類農園さんが製造販売されているお菓子のラベルを参考に、菊芋フロランタン版のシールを作成しました。

画像13

食品表示ラベルに必要な表記項目
・品名
・名称
・原材料名(分量の多い順に並べる)
・内容量
・賞味期限
・保存方法
・アレルギー物質
・製造者とその住所

パッケージと菓子コンセプト

お菓子を販売するうえで、見た目も重要になってきます。なので、コンセプト考えてデザインして…と、こだわりたいところですが、パッケージに割いているお金はありません。出来るだけ安く、可愛く出来るラッピング方法を思考した結果、最終形態がこちら。

画像20

画像21

見た目から「なんかお守りっぽい!」というインスピレーションを受けて「健康の守り菓子」というコンセプトにしました。邪道ではありますが、コンセプトは後付けです。予算がないので仕方ありません。人生そんなもんです。笑

ちなみに、このラベル貼りとラッピング作業が一番時間がかかって大変でした。外注してたら人件費が馬鹿にならなさそう…

画像23

費用と売価設定

小売りは大体原価率3割に抑えれたら上出来といわれていたので、私たちも原価率3割を目指しました。まず、同じような健康的なお菓子を店頭で研究して相場を確認。菊芋フロランタンと同じくらいの容量のオーガニック系のクッキーなどが300~400円/個だったので、300円を売価に設定。
つまり、一個あたり100円で作らなくてはいけません。菊芋が結構高いのと、メープルシロップやてんさい糖などヘルシーな材料を使用しているのでなかなか単価を抑えるのに苦労しました。

結果的に、なんとか1個当たりの材料費を100円で抑えることができましたが、調理器具や試作時の材料費などでかなりかかってしまい、原価率3割で作っても今回の販売では結果プラマイゼロになりました。試作は、意外とお金も時間も(精神的負担も)かかるのだなということを学びました。

商品POP作成

そんなこんなでやっと完成した「菊芋フロランタン」!
その商品POPの制作へと移りました!しかし、ここでもまた一波乱…それが薬事法です。

薬事法の壁

この菊芋という芋、イヌリンという成分がたくさん含まれていることから、ダイエットや腸活にイイとされているのですが、まだ医薬品としては利用されていないがゆえに、薬事法的に「~~の効果があります」や「血糖値の上昇を抑えます」といった表現はNGなんです。
ちなみに、こちらの写真にあるお茶は、イヌリンを使っておりその訴求文として「腸整作用があります」と表記されているので、その文言まるまる謳いたい!ところなのですが、こちらは機能性表示食品というもので、一つ一つの商品に対してお金を出してその効能を申請しないと謳ってはいけないんです。

画像14

そういう面倒な薬事法のおかげで、本来訴求したい文言は使えず、「ダイエットや腸活にオススメな菊芋を使ったフロランタン」という文言に収まりました。
そんなこんなで、細かい文言は私の出身校、近畿大学薬学部の教授(産学連携的にヒット商品をバンバン生み出している超有名な教授)に相談したうえでPOPを制作!そのデザインはラボメンで絵が得意なキョロちゃんに依頼。かわいいPOPができてやっと形になってきた感!!

画像1

そしてその教授からの神的アドバイスで、「すでに機能を謳ってる商品を横に置いて、一緒に販売するというのもいいかもね」という目から鱗な販売小技を提案して頂きました。さすが商品開発のプロ教授…!一生ついてきます!

ブランド開発

さて、やっと商品として形になってきた中で、改めてどういう商品コンセプトで販売していくべきかと内省し始めました。

町興し側の「町を活性化させたい!」という目的と、
消費者側の「手軽に健康になりたい」というニーズ、
どうすればどちらのニーズにも答えられるコンセプトにできるのだろうかと悩んでいました。

ぶっちゃけ、町興しとしての商品開発なんてどこの市町村もやっているし、薬膳菓子もそこまで新しいわけでもなく、「奈良県宇陀市のスーパーフード菊芋で作った薬膳菓子です!」と謳い、薬膳ブームを作ったところで、一瞬の流行りとして過ぎ去っていくだろうと思っていました。

私はお菓子屋さんになりたいわけでも、町興し専門家でもない。では何を消費者に届けたいのだろう。解が見つからず毎日のように頭をもやもやさせました。

そんななか、相談した食品メーカーベンチャーをやっている経営者の方に相談したところ、そのもやもやはなくなりました。

そのアドバイスは、
「商品を作るプロの職人はたくさんいる。西井さんは職人になりたいわけではないよね?マーケターなんだよね?」
という問いです。

この問いにハッとさせられました。
「私が届けたいのは、お菓子なんじゃなく、健康という体験なんだ。」

そこから生まれたブランドサイトがこちら。

コンセプトメッセージは
Health lead to Challenge.~健康、だから挑戦できる。~

私自身、この薬膳菓子の開発に関わっている間メンタルがずっと落ち込んでいて、あるとき思いました。「これから健康を推した商品を売るのに、自分自身が不健康になってしまっている。ワクワクするためにこのプロジェクトをやっているはずなのに、辛くなってたら本末転倒だ」と。
挑戦できている今の現象は、今自分自身が健康であるからで出来ていると改めて思い直したのです。
私は昔からよく病気がちなのでよく痛感するのですが、喘息で息がしづらかったり、発熱と頭痛で思考できなかったり、目が見えずらかったり、不健康だと挑戦したくてもできないんですよね。
いまこうやって新しいことに取り組めていることこそが、健康の証であって、健康だからこそ挑戦ができる。
そういう、健康があたりまえの日常に、だからこそ挑戦してみたくなる、そんなプロダクトを届けたいと思い、これをコンセプトメッセージにおくことにしました。

商品の機能や価値を売るのではなく、感情を動かす体験を売る。そういうマーケターになりたいと思いました。

プロモーション施策

PR施策としてSNS投稿キャンペーンを実施。
SNSで拡散力のある学生に#菊芋フロランタンでTweetしたら無料!」といったキャンペーンを実施したところ、イマドキの若者の感性でフロランタンを撮影してInstagramのストーリーで映える投稿をしてくれました。これは社会人には撮れない画だなと感動。

また、これは意図せずでしたが、投稿する際にお菓子の素直な感想(投稿に対してお金を払ってるわけでもないので素直なコメントになる)も書いてくれるので口コミ効果もあり、薬事法的に商品には掲載できないような「血糖値上がりにくい」「腸を綺麗にする」などを”あくまでも個人の見解”として投稿してもらえるといった学びがありました。

テスト販売当日

ついに来る販売日!
東京での販売だったので、関東のラボメン、モネチ&トッシーが手伝いに駆けつけてくれました!!

画像17

直前まで一個も売れなかったらどうしようと病んでましたが、結果、結構売れました。ブースにひっきりなしに人が集まってくれて、一人で3つ購入してくれる人もいたりで、最終的に2分に1個売れるという テスト販売の割にはなかなかの好スピードな売れ行きだったのかなと思います。

画像15

販売時の反省点としては、商品説明→販売(お金の受け渡し)→連絡先回収(今回はLINE@への誘導)が効率よく回らなかったことです。どんどんブースに人がやってくるので、LINE@の案内をしてる暇なく次のお客さんが来てしまうし、現在何個売れてるのかも分からなくなったり(数取器カウンター必須!!)、ラボメン2人がお手伝いで来てくれてたものの、ブースはてんやわんやでスムーズに回らず大反省。少なくとも、お金の受け渡しと連絡先回収担当者の役割は予め分担しておくべきだなと学びました。(ちなみに、販売2日目は、ブースへの客寄せ→自己紹介→商品説明→販売→記念撮影→LINE@への誘導をすべてワンオペですることになり詰みました。笑)

反省点
・数取器カウンターとお釣り必須
・お金の受け渡し担当と連絡先回収担当者を作る
・小売ワンオペ、ダメ絶対!

※連絡先回収理由について
テスト販売後にクラウドファンディングの実施を検討していたので、予めLINE@を作成し、クラウドファンディングが開始したらそのLINE@から発信するという戦略で、今回の購入者にLINE@を登録を促しました。(いわば正式販売に向けたリード獲得)

画像22

また、今回は購入者全員と記念撮影を撮るということをしたので、それもLINE@を通して購入者にお礼メッセージと共に送り、販売後のコミュニケーションツールとして活用しました。

画像25

購入者からは「美味しかったです!今後はどこで購入できるのですか?」「うちのお店でも販売したい!商品資料送ってください!」など嬉しいメッセージを頂いたりで、うるっときました。

購入者からのフィードバック

商品を直接売る中で、購入者からの声のおかげで改善点が見えてきました。

腸活を推すなら小麦は残念だな~。米粉にして欲しい!」とか、
手土産用に、数個入りで売ってくれたら嬉しい!渡した相手との会話のネタになるし、健康に気を使ってることをアピールできるしね!6個入り1500円なら買うよ!」などなど。

なるほど、たしかに手土産で思いつくのって赤福餅くらい(というかそもそも手土産向けの売り方をしてない?)だし、手土産産業って結構ニーズあるのでは?と、何人にも同じコメントを言われる中で新たなニーズを発見できました。やっぱり直接顧客に会うって大事!これぞリーンスタートアップ!

このフィードバックを経て、今後の商品改善としては、
①小麦ではなく米粉を使用(米粉菓子を製造している工房にアポ取り済み)
②手土産用にパッケージ販売
この2点は必ず改善して本販売に備えたいと思います!

プロジェクトを振り返って

たった1カ月間で、レシピ開発からサイトも作成し、販売までするというタイトなスケジュールの中で、とりあえず売れる商品を作ることに必死で、ろくにロジックを立てず走り始めてしまったことで、企業への予算繰りや、周りのメンバーへの意思疎通がうまくいかなかったりなど色々弊害があり、見切り発車してしまったことに対してプロジェクト最中はかなり反省していました。

でも走り切ってみて、このスピード感で企画から販売までできたのは一つの自信になりました。企業から予算を待っていたりしていたら、ここまで短期間で販売まで至らなかったと思います。
ベンチャーはスピード勝負!とよく言いますが、「走りながら考える」というスタイルは私に合っているし、見切り発車でも、走り始めればこんなにも協力者が集まるんだなということを体感し、感動しました。

また、初めて食品の製造販売に挑戦してみて、自分たちの手で作ったものがダイレクトにユーザーへの価値となり、その場でフィードバックが返ってくる、というのはPDCAを回しやすいし、純粋に楽しかったです。というのも、接客していると笑顔になれるし、聞かれたことに対して即座に機転を利かせて答えないといけないので、頭が常にフル回転でアドレアリン出っ放しで常時ハイな状態に(笑)
めっちゃ大変だったものの、今回チャレンジしてみて良かったです!

画像16

今後の展開

ブランド開発の段落にも記載した通り、私はメーカーになりたいとは思っていないので、この菊芋フロランタンをただクラファンするのは違うなと思っていました。
ただ、このプロジェクト中、現状販売しているヘルシーなお菓子を調査している中で感じたのは、「ヘルシーな食べ物、全っ然手に入らない…!」ということです。そもそもコンビニではジャンキーな物しか売ってないし、あったかと思えば、パッケージでは健康を謳っていても裏の成分表を見ると砂糖だらけなど。

そもそも、手軽に健康な食品が買えないということに関しては10年ほど前から、いち消費者として課題に感じていたものの、「まぁこんなに大きな課題、私一人ではどうしようもできないし、そのうち電通とどっかの食品メーカーが健康ブームでも起こしてくれて、コンビでも手軽にヘルシーな食品が買えるようになるだろう」と考えていました。
それから現在に至りましたが、コンビニで買えるものといえば、ロカボ(低糖質)商品が少し(しかもほぼローソンのみ)と特保商品がちらほら。
「政府は本当に糖尿病を防ぐ気があるのかだろうか?」と思ってしまうくらい、今の小売りではヘルシーな食生活は難しいのが現状です。

そんな「手軽にヘルシーな食生活ができない」という現状課題を打破すべく、私はこの「ヘルシーなラボ」として新たな挑戦に挑むことにしました。

新たな挑戦「健康食品版クラファン」

まず、健康な食文化の進歩が遅い理由としては「消費者の健康ニーズが見える化されていない」ということが一つの要因だと私は考えています。ニーズが分からない中で、単価の高い商品を製造販売するのはメーカーとしてもリスクが高い
でも、「近くのコンビニで手軽に、美味しくて、健康的な食べ物を買えるようになってほしい。」そんな私のように求めている人はきっと一定数いるはず。

なので手始めとして、健康意識の高い若者(10代~30代)のコミュニティを形成してゆきます。
そのコミュニティから健康食品のニーズを調査したのちに商品開発し、コンビニに販路のあるメーカーと組んで販売するのが目指している姿です。

★ヘルシーラボのビジネスモデル

スクリーンショット (114)

(現在、私の会社NEWRONのメイン事業で行っている産学連携の要素も取り入れて、大学の研究シーズを活用した健康食品開発も行っていこうとしています。なかなかビジネス化するのが難しいシーズのビジネス転用を加速したいと考えていており、まずは今回菊芋フロランタンにも使用したメープルシロップの普及活動から始めてゆきます。)

ここで実現したいポイントが、販売前に「健康食品版クラファン」にて予約販売(予約者は店頭で安く購入)できるようにし、一定数の人数が集まった段階で、"売れるものだけ作る"食品開発をできる仕組みを作ろうと目論んでいます。
これが実現すれば事前に売れ行き予測ができるので、フードロスの一助も担えるし、どのような属性の人が、どのよな食生活を求めているのかのデータも蓄積でき、マーケティングに活用できると考えています。

ちなみにこの「健康食品版クラファン」の着想は、Sonyが運営している「First Flightから得ています。First Flightとは、主にハードウェアのプロダクトを製造する前にクラウドファンディング的にユーザーを確保し、達成したら製造に移るというものです。
他のクラウドファンディングサービスは、主に「共感」で支援することが多いのに対して、このFirst Flight「欲しい」というニーズがダイレクトに表れるので、本来の意味でのテストマーケティングとして機能している画期的なソリューションだなと思い、この仕組みを食品にも取り入れたいという発想から「健康食品版クラファン」を思いつきました。

なので、今後の動きとしては、この菊芋フロランタンの販売主になりたいという奈良県の企業を見つけたうえで、クラファンしユーザーを獲得してから、その企業の商品として販売する予定です。今回の菊芋フロランタンを成功事例にして、「健康食品版クラファン」作りにチャレンジしたいと考えています!

これまた、なかなか無謀なチャレンジだなと我ながら思ってます。ハードデバイスと違って食品小売りってアプローチする人口が多過ぎるので…

でも、これくらい大きな目標を目指したほうがきっと楽しい。
今まで「Can(今出来ること)」を重視して事業を作ってきましたが、今回は「Want(やりたこと)」を重視して、新たな挑戦に飛び込もうと思います。

正直なところ、食品業界ましてや小売なんてど素人だし、何のコネも繋がりもありませんでした。でも、この2カ月間、迷走しつつも動く中で、お菓子メーカーや、7千社の工房をネットワークしている会社と繋がることができ、この考えに共感頂け協力体制を頂くことができました。コネは足で作るものなんだなと学びました。笑

そんなこんなで、長くなってしまいましたが、新たな挑戦に向けて奮闘してゆきます!(ちなみに、私が昔からヘルシーな食に興味をもっている理由には根深い理由があるのですが、それについてはまたの機会にご紹介します。)
皆さん、どうぞ応援のほど宜しくお願い致します!

ネクストチャレンジとして、まずはカラダにヘルシーな食品に関心のあるコミュニティを作ってゆきます!
なので、関心のある方はぜひ「ヘルシーラボ」のLINE@から「関心あり!」とメッセージを頂けると((めっちゃ))嬉しいです!(私が逐一返信致します!)
ぜひ一緒に、手軽にヘルシーな食生活ができる社会を実現させましょう!!!

★ヘルシーラボLINE@の追加はこちらから↓

#NoWhiteSugar 運動始めます!

ヘルシーラボ事業の一環として、啓発プロジェクトも始動させます。それが、「#NoWhiteSugar ~白砂糖を無くそう~」プロジェクトです。(そのまんま笑)

前述したように、コンビニなど手軽に買える食品にはだいたい大量な砂糖が入っています。例えばチョコなどの原材料名の欄を見るとほぼ一番目に砂糖が書いてあります。(つまり砂糖の含有量が一番多いということ)

白砂糖は、タバコの次に有害だといわれるほどで、血糖値の上昇と下降が激しいので糖尿病の原因になるともいわれています。(※ちなみに私が薬学生の頃は糖尿病に関する研究論文を書いていました。)

他にも、血糖値の上がり下がりが激しいと食後眠くなりやすかったりします。昼食後の眠気は、仕事をしている身としても最大の敵!なので食後血糖値を緩やかにする方法など知っておくと便利です。

そもそも白砂糖だけでなく、白ご飯などの「白く精製」されてるものは食物繊維が削られているのですぐに体内に吸収されやすく、血糖値がすぐ上昇するとうカラクリです。

でも砂糖が入ってる食品はやっぱり美味しいのでどうしても食べてしまいますよね。いくら「白砂糖ダメですよ!」と煽っても、特に現在健康な若者の行動は変わりません。

そこで、「#NoWhiteSugar」の運動としてやっていきたいと考えているのが「白砂糖以外の甘味料を好きになってもらう」という取り組みです。

今回使用しているメープルシロップやてんさい糖など、世の中には血糖値の上昇が緩やかな自然の甘味料が意外と存在しています。でもその存在と効能がマスに認知されていない。
なのでこれらを知ってもらい、白砂糖以外の甘さのニーズを高めてゆき、ゆくゆくはコンビニでも白砂糖を使用していない商品ラインナップが増えていく!という社会現象を目標に、今後クラファンなども通して活動してゆきますので、ぜひ共感&応援頂けますと幸いです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?