ファシリテーターの教科書byディスカッションラボ
学校では教えてくれない「議論の仕方」。でも世界は議論で出来ている。
そんな議論をファシリテートする方法を体系化しているのが、議論を科学する研究所「ディスカッションラボ」です。
本記事ではディスカッションラボが提唱しているファシリテート3ヶ条や、アイデア発想法などをご紹介!これからファシリテーターの勉強をされる方はぜひご活用ください。
ファシリテーターとは
ファシリテーターとは、議論の進行役のことを指し、主には下記のような役割を担うとされています。
✔議論をスムーズに進め、まとめる役
✔メンバーからの意見を引き出す役
✔チームメンバーの特性を知って活かす
等
そんな中、Dラボでは「ファシリテーター=議論のゴールを達成するために、議論をスムーズに進める人」と定義しております。
そんなファシリテーター力を磨くにはどうすれば良いか?
数々の議論の場を設計してきたディスカッションラボが、議論をスムーズに進めるためのポイントを体系化した「ファシリテート3ヶ条」を知り、良い議論の“仕方”を身につけましょう!
ファシリテーター3ヶ条
ディスカッションラボ流、ファシリテーター3箇条
★ゴールの明確化
★議論の可視化
★適切な問い
下記にそれぞれの詳細とポイントを解説致します。
★ゴールの明確化
議論には必ず目的があります。それをきちんと整理し、ゴールを明確にしてから議論をスタートしましょう。
ゴールが明確になったら、次に現状を知ることが大切です。その現状からゴールまでに足りていないギャップを埋めるためには何が必要で、この議論では何を議論すべきか?という要素を洗い出します。
【ゴールの明確化POINT】
議論のゴールを明確にし、メンバーに対してゴールを常に見える化しよう。
✔はじめに議論のゴールを決める
✔ゴールを達成するための必要要素を出す
✔最終アウトプットイメージをメンバー全員で共有する
▼問い▼
「この議論のゴールは何?」
「最終的にどういうアウトプットを出せば、本議題の目的は達成できる?」
「現状はどうなってる?足りてない部分は?」
「今回のゴールってなんだっけ?」(議論の方向性がずれてしまったとき、この問いかけをすることで、チームにゴールの共通認識を再度与える)
※チームで議論していると、どうしても本題からずれてしまうタイミングが多々出てきます。そのため、ファシリテーターはゴールを常にチームへ共有するように心がけ(みんなが見える場所に貼り出す等)、話の方向がずれた時は適宜修正するように働きかけましょう。
★議論の可視化
いま何について話し合っているのか?どのフェーズの話なのか?
みんなの脳内の足並みを揃えるために、議論の内容やアイデアを可視化しましょう!
ディスカッションあるあるなのが、”議論の空中戦”。議題があっちこっちにいったりきたりして、当初のゴールを見失ったりしてしまいます。それを防ぐために、議論の可視化=紙に書くこと を徹底しましょう。
可視化する際のポイントとしては、みんなが見えるところで、ひとつに可視化することです。各々が自分のメモに書いてしまうと、理解度がバラバラだったり、話の解釈が人によって異なる可能性があります。ひとつの場所で可視化することで、共通認識を常に持ったまま議論するように意識しましょう。(全員に可視化を意識させることがベストですが、話が白熱してしまうとついつい書かなくなってしまうので、誰か一人書記を決めて責任を持って書いてもらうのが無難です)
また、オンラインでの議論の場合は、共同で編集できてリアルタイムに反映されるツール(Googleドキュメントやスライド、オンラインホワイトボードMiroなど)を活用するのがオススメです。
そして、もう一つのポイントが、議論のフェーズごとに可視化することです。
議論には3つの可視化ポイントがあります。
①ゴールの可視化
②議論の流れの可視化
③アイデアの可視化
3つのポイントを押さえて、しっかり可視化してゆきましょう!
【議論の可視化POINT】
共通認識を持つために、文字・図・絵などで議論の内容を可視化しよう。
✔聴覚ではなく視覚で議論すべし!
✔議論の段階のそれぞれで可視化する
✔みんなが見える場所で可視化する!
★適切な問い
大前提として、ファシリテーターは議論を進める役割なので、自身がどんどん発言したりアイデアを出して進めるというよりは、チームメンバーから議論を引き出し、ゴールに向けてまとめていくためのサポート役というスタンスで議論に入りましょう。
そこで重要スキルになってくるのが「問う能力」です。
意見を引き出す問い、アイデアを深ぼる問い、ゴールに立ち戻る問いかけ。
議論の目的・ゴールによって、問いかけるべき質問も変わってきます。
議論のゴールから逆算し、問いを設計しましょう!
下図が、ラボオススメの問いフレーズです。
一般的な5H1Wに加え、2I2Sがラボ流質問です。
また、どのタイミングで、どの問いを出すべきかも変わってきます。これは慣れが必要ですが、参考までに、下図に就活でのグループディスカッションの際での2I2Sの使い方を紹介しておきます。
どのタイミングでどんな問いを出すべきか?を俯瞰して考えれるようになりましょう!
議論において発言しやすいムード作りをするためにも、議論中はあまり「否定」をしてはいけないと所説言われていますが、「肯定」ばかりしていたら議論が収束しないことも多々起こります。そんな時にも活用できるのがこの「問い」です。
否定したくなるタイミングで、それを問いにしてみてください。否定を問いにしてみることで、議論が深まったり、発言者にそれじゃダメだと自己認識させることもできます。下図の「否定→問い転換例」をぜひ参考に!
【適切な問いPOINT】
ファシリテーターの仕事は、メンバーから議論を引き出し、まとめること。
✔5W1H&2I2Sを駆使して問う力を磨く
✔議論の流れを俯瞰し、適切なタイミングで問いを出す
✔「否定」ではなく「問い」で議論を深める
以上がファシリテーター3ヶ条でした。
アイデアの発散と収束
ここからはアイデア出しが必要な議論での、アイデア発散と収束のテクニックをご紹介!
☆アイデア発散テクニック
★アイデア出しは個人ワークを挟む
チームでのディスカッションの難しい点として、”喋りが上手い人の意見に流されてしまう”という点があります。これの防御策として、個人ワークを挟むことをオススメしています。アイデア出しの際には、個人ワークの時間をとり、全員に紙にアイデアを書かせることで、話し下手な人からもアイデアを拾い上げることが出来ます。
(個人ワークを挟む方が、より沢山のアイデアが出る!という研究結果も)
★1アイデア1付箋
アイデア出しには付箋を使って、1付箋1アイデア書いてもらい、チームでシェアするスタイルがオススメ(この1付箋1アイデア書くことで、後にKJ法をできたり、アイデアマッピングがしやすくなります)
☆アイデア収束テクニック
アイデアが沢山でたものの、アイデアを絞り込んだり選定する際にチーム内で意見が分かれたりして無駄に議論をしてしまう…そんなときに使えるテクニックをまとめました!
→出てきたアイデアの中で、どのアイデアがチームの中で評価が高いのかを投票制で可視化する手法(詳細はリンク先へ)
※Dラボではエコ&経費削減も兼ねて、シールではなく、ペンで☆マークや◎マークを書いて代用しています。
動画で分かるバタフライテストのやり方↓
→いわゆるアイデアマッピングの手法(詳細はリンク先へ)
※Dラボでは審査基準を軸にしてマトリクスを作り、アイデアをマッピングして活用しています。
動画で分かるペイオフマトリクスのやり方↓
Dラボおすすめ参考サイト:ポストイットソリューション
→付箋を活用した、会議における問題解決方法が紹介されているサイト(今回紹介したテクニック等が全てまとまっています)
最後に
ファシリテートスキルを高めるためには、実践あるのみです!
本記事でお伝えした「ファシリテーター3ヶ条」を、ぜひ実践の場でアウトプットして、素敵なファシリテーターになってください!
アイデアソンのご紹介
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