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クラシック音楽の未来

 ある記事のコメント欄で、この話題が沸騰しました。私も意見を求められていましたので、遅まきながら、この欄をお借りします。

 大体、日本に於けるクラシック音楽の位置は、欧米諸国とはかなり違います。
 我が国には、日本古来の豊かな文化があり、人々はそれぞれに、好みに合った文化を教養として嗜んでいます。
 そこへ、明治維新以来、欧米に追いつけ追い越せとて、あらゆる分野で、当時の先進国のものが持ち込まれました。
 音楽もその例に漏れず、主にヨーロッパへ留学した先人達から持ち帰られたさまざまな音楽や、それを元にして作られた歌曲や唱歌、童謡などが、教科書に取り入れられ、これが当時の日本人の音感の元を作るのに、大きな役割を果たしたと、私は思っています。
 それ故に、 その後いろいろなジャンルの音楽が現れては消えを繰り返しても、それらの浮き沈みは、人々の嗜好に依るでしょうが、クラシック音楽は、学校などでも幼児から育てられている感性故に、もっと普及する可能性があると信じています。
 実際、言葉とリズムしかないような最近の音楽に夢中になる若者たちも、クラシック音楽のメロディーの美しさに目覚めつつあります。

 大勢で音楽に熱狂したり陶酔したりする光景は、古今東西いろいろな形で見られます。原始社会にもあったでしょうし、身近な所では、お祭での賑やかなお囃子、ロックの野外ライブコンサートなど、楽しむ気持ちは、優雅に見えるウィーンのニューイヤーコンサートと変わらないと言ったら、 言い過ぎでしょうか。
 どんな音楽が多く好まれるかは、人々の環境と嗜好に依ると思っています。 

 伝統ある多様な文化を持ち、複数の宗教をさえ違和感なく受け入れる寛容な民族性故に、クラシック音楽一辺倒とは行き難いでしょうが、子供の頃から育てられた感性で、メロディーとハーモニーの美しさを感じる若者達によって、クラシック音楽の愛好者は、これからも絶えることなく広がっていくと信じたいところです。

 プロの音楽家たちも、学校や、地方都市の小さなホールにまで盛んに出前演奏をして、クラシック音楽の普及に努めています。その方達の努力が実るよう、惜しみない応援をしましょう。



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