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プラスチックの木。

物が増えていく暮らし。

それは理想の暮らしのはずなのです。


職場の人が
「最近忘れっぽくて。」なんて言うんです。


でもそれはきっと違うと考えました。

忘れているのではなく、思い出せないだけだと思うんです。

楽しいことやそうでないこと、恐らくほぼ全て覚えているのです。

良いこともそうでないことも、たぶん覚えているのです。


物や人で、頭のなかは溢れてる。


そんな僕も最近は、
好きだった人とのことや名前が出てこないことがあるんです。

あんなに好きだったのになあと、少しぼんやりするんです。


大人になるというのはそういうこと。


割りきれない気持ちで呟くんです。

「どうやらバカになってしまったようです。」

「どんどんバカになるようです。」


誰かに
「それでも別にいいじゃない。」

そんなことを言われました。


「それでもいいか」と考えました。

「それでは困る」と思いました。


いつだって、何かと何かのせめぎあいなんです。


物が増えていく暮らし。

それは理想の暮らしのはずなのに。


天才になりたいんです。

天才になって、どんなときでもあの人のことを思い出したいんですよ。

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