保育士の私が、子どもから教えてもらったこと…(時間の捉え方)

*名前は仮名です。

ミズキさんは年長の女の子。ASDの診断が出ています。絵を描いたり粘土などを使って作ったりするのが大好きで、実際の作品も『なるほど!』という発想のものがたくさんあり、私はその様子を見ているのが好きです。没頭するあまり、時間で切り替えられないため、終わりにするよう声をかけると『いや〜』と言って寝転んで動かなくなります。その際、失尿することもしばしば。部屋の隅にはバケツと雑巾のセットが置いてあり、素早い対応に備えていました。

ある日、粘土遊びをしていて、ドーナツを作っていたミズキさん、少々飽きてきたのか他の子どもの遊びに割り込むようになっていました。そこで、絵本の[はらぺこあおむし]のお話でたくさん食べ物が出てくる場面があるのですが、そのうちの一つ(ペロペロキャンディ)を作って見せたところどハマり。粘土遊びに戻ってきてペロペロキャンディ作りをひたすら始めました。
たくさんできた頃、次の日課に移る呼びかけがありました。私は『後でまた遊べるからとっておこう』と声を掛けてその時は納得して片付け(一時中断)ができました。

ミズキさんは次の日課に移るから一時中断できたのではなく、粘土遊びがたくさん出来た(ミズキさんがある程度満足した)からだと考えます。満足するまでの時間は量ではなく《質》。ですが、保育士は量で計り、子どもたちに伝えます。そしておそらく子どもたちに言うのです。『集団生活だからごめんね』
朝の会だから、外遊びだから、給食だから、お昼寝だから…と、量的な時間という枠で子どもたちに声をかけていることに疑問を感じています。(現状そうしなければ仕事が成り立たないというのも一理ありますが)

子どもたちの主体的・能動的な行動(遊び)を大切にしていくという今の保育指針。私たち保育士はミズキさんのような子からのメッセージを受け取り、気づき、学ぶことが多いのではないかと考えます。

皆さんはどのように思われますか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?