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一眼レフ・ミラーレス一眼では撮れない写真で遊ぶなど(DSC-F828)

 DSC-F828をまた最近触ってるんですけど、そういえばこのカメラだと、一眼レフやミラーレス一眼じゃ撮れないような撮り方があったな、って。

 別に何の変哲もない、夜にストロボ炊いて花を撮ったような写真ですね。昼12時45分に撮ってますが。

 これも午後4時ですね。

 午後4時。なお2022年10月29日は晴れてました。

 まあ、夜に撮れば一眼レフでもミラーレス一眼でも、ストロボ炊いたら撮れるような写真です。しかし、昼にはちょっと撮れないはず。
 ISO感度を64に固定して、シャッター速度を最高速(絞り開放で1/2000秒、F8なら1/3200秒にできます)、絞りもできるだけ絞り込み、でもってストロボを飛ばすとこのように写る、ってだけのことですが。

 レンズ交換式一眼レフやミラーレス一眼だと、まあ大部分の機種では、ストロボ炊く時のシャッター速度が1/200秒くらいにしかならんので、背景がもっと写っちゃうかなと。

 なんか面白い写真になるかなあ、と思ったけど、「夜に撮ればいいだけのことでは?」という写真にしかなってないか。残念。
 なんとかしようがあるかな。
 例えば、もっと強いストロボ使って都市部の道端で人を撮れば、夜なら光ってるはずの街灯とかが一切光ってない、異様な感じの写真になるかも。街灯がある程度にはうっすら写ってる、という露出にも調整できるし。


余談:なんでDSC-F828だと撮れるの?

 1/3200秒のシャッタースピードでのストロボ撮影は、一眼レフなどでは無理で、DSC-F828では撮れるというのは、シャッターユニットの仕組みの違いによります。

 DSC-F828だと、レンズシャッターというものを使ってます。
 絞りがそのままシャッターになるようなやつといいますか。露光時間の間だけ、設定値まで絞りが開いて、終われば閉じる。
 単に開いて閉じるだけなんで、設定値までシャッターが開いた瞬間にストロボが光ればよい。1/3200秒でも別に問題なし。

 しかし、レンズ交換式の一眼で使うようなフォーカルプレーンシャッターだと、高速シャッターではストロボがつかえない。1/250秒以下とか同調速度の制限がある。
 あれは、布なり金属なりでできた2枚の幕があって、先に走る先幕と、それを追いかけて走る後幕の時間差でもって露光時間を取ります。
 高速シャッターになると、幕と幕の間が、フィルムやセンサーより狭くなって、スリットがセンサー面上を走って露光する感じになる。そこにストロボ一瞬だけパっと光っても、開いてる部分にしか露光しない。
 だから、幕の間が露光面全体より広くなる、ある程度遅いシャッタースピードでないとストロボが使えない。その速度が同調速度となります。

 デジカメは電子シャッターが使えたりもしますが、今主流のCMOSセンサーは、一瞬で画面全体を露光することができない。端から順に露光されていくようになってる。
 するとやはり、全画素が露光中になってる瞬間がある(最初に露光が始まった素子がまだ露光中のうちに最後の素子が露光を開始する)遅いシャッタースピードでないと、ストロボが使えない。
 一昔前はこれがかなり遅くて、PENTAX Q系の電子シャッターは、1/13秒より遅くないとストロボ使えません。Nikon 1も1/60秒の同調。最近のものはかなり高速化されてきてますけどね。

 電子シャッターに関してはCCDの方が有利で、プログレッシブスキャンCCDというのは全画素同時露光ができてました。
 実際に製品もあって、ニコンD70とかは1/8000秒の電子シャッター撮影ができて、ストロボも同調しますね。

余談:全部レンズシャッターにしてしまうのは?

 そういうわけで、ことストロボ同調速度だけに関していえば、レンズシャッターのコンパクトデジカメは非常に有利です。
 EOS R3でもNikon Z9でも、メカシャッターでの同調速度は1/200秒です。α1は1/400秒。20年前のDSC-F828が1/3200秒で同調するのに。
 もちろん今のものでも、シグマDPとかリコーGRとか、コンパクトデジカメは大抵レンズシャッターなので、昼を夜にするような撮影はできます。

 なら全部レンズシャッターだったらいいのに、と思うんですけど、やったメーカーがありまして、1960年、今からもう62年も前に、東京光学(トプコン)が作っておりましたね。
 しかしその後長く生き残った一眼レフはみなフォーカルプレーンシャッターで、やっぱりレンズ交換式でレンズシャッターは問題あったのでしょう。
 絞り以上に精度や安定動作が求められそうなシャッターを、マウントを通して制御するのが難しかったとかかな。

 まあ今どきは、レンズ側にモーター入れて絞りを制御してるのも当たり前になった時代ですし、別にレンズシャッターに移行することもできるのかもしれません。
 実際、PENTAX Qマウントは、レンズ交換式でありながらレンズシャッターです。1/2000秒でもストロボ使えます。
 でも、キヤノンRFもニコンZもソニーEも、いずれもフォーカルプレーンシャッターです。

 まあ、レンズシャッターに移行すると、一眼レフ時代のレンズ資産が全く使用不能になっちゃって、マウントアダプターすら作れない。と思う。無理よね? 無理なはず。
 高速シンクロなんてあまり使わない、ストロボ側の機能で解決もできる(シャッターが走ってる間に複数回も光らせればいけます)ことのために、過去の資産とユーザーを捨てるわけにもいかない。
 他によっぽどのメリットがあれば別ですが、うーん?

 あと、F1.4とかの大口径レンズだと巨大な絞りが必要で、そうなると最高シャッター速度が苦しくなるのもありそうです。
 リコーGRは、APS-Cセンサーで28mmF2.8のレンズですけど、F2.8だと最高シャッター速度が1/2000秒、F5.6で1/4000までだそうです。
 35mm判センサーで85mmF1.4のレンズとか、一眼のシステムには必要なレンズですけど、レンズシャッターで作ったら最高速度1/500秒とかになっちゃって、実用に難がある代物になるのでは。


余談2:CMOSセンサー機のレリーズタイムラグ

 上に書きましたけれど、PENTAX Q-S1は電子シャッター使用時のストロボ同調速度が超遅いんですよね。1/13秒。
 まあ世代も古いし、そういう遅いセンサーなんです。今のCMOSセンサーなら1/200秒くらいで同調します。

 ちょっと気になったんですが、PENTAX Qをレンズシャッターがついたレンズで撮影する時って、以下のような動作をしてると思うんです。

 1. レリーズする
 2. CMOSセンサーが露光しはじめる
 3. 全画素が露光状態になる
 4. レンズシャッターが開く
 5. 露光時間が終了してレンズシャッターが閉まる

 Q-S1の電子シャッターでの同調速度が1/13秒ということは、上の手順の2~3にそれだけ掛かることになっちゃう。
 レンズシャッター撮影時、常にそれだけレリーズタイムラグが生じてるんじゃないのか、と。

 まあ、1/13秒って0.08秒なんですけど、動きの速いものとかを撮るには、結構長いのでは……?
 また、DSC-F828は「レリーズタイムラグ約0.008秒」という公称値があります。10倍違いますよ。

 実験してみよう。

 ストップウォッチを動かして、半押しでピントをあわせておいて、ストップウォッチを目視しながら(ライブビューを見るんじゃなく)、秒が0になった瞬間にレリーズする。
 それを何度か繰り返してやれば、シャッターを切ってから実際に撮影されるまでの遅れがわかる、と。

Q-S1でやってみた結果
・0.096
・0.092
・0.078
・0.027(異常値)
・0.093

 もちろん私の指が早かったり遅れたりするだろうから、正確にレリーズタイムラグがいくらだとはわかりませんが、まあ大体、私がシャッター切ったより0.1秒くらい遅れて撮影されてるようです。
 計算上は0.08秒ほど遅れるはずなのと、まあ合ってる感じ。

DSC-F828でやってみた結果
・0.000(異常値?)
・-0.006(異常値?)
・0.044
・0.049
・0.073
・0.059

 私が早めに押してしまってゼロとかマイナスが出て、「あっ」と思って(ポストビュー出してました)、その後は遅めに押してしまう……みたいなことをしちゃってそうですが、それにしても、Q-S1よりはズレが小さい。
 やっぱりCCD機のほうがレリーズタイムラグは短そうですね。


 とはいえ、ミラーレス機だったらライブビューの方にも遅れがあるし、一眼レフだったらミラーが上がるのにかかる時間があるので、センサーだけでレリーズタイムラグが決まるわけでもない。
 Q-S1で、液晶ファインダーを見ながらストップウォッチ撮影をしてみたら、0.2~0.3秒程度遅れて撮影されるようでした。
 0.3秒って結構な遅れですけど、私が動きモノとか撮らないのもあってか、そこまで遅いって印象もなかったんですよね。
 特に遅いであろうQ-S1でもそれくらいなんで、大した問題じゃないんかもしれません。問題になる写真を撮る人ももちろんあるでしょうけど。

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