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PENTAX P50とFUJIFILM 200の37枚

 えー、本来はこのフィルムで、ナダール大山崎のフィルムカメラ展に駆け込み参加するつもりだったんですけど、撮影までしたのに搬入日に横浜出張入れられていけなくなっちゃって断念した、その撮影分です。
 FUJIFILM 200はその時にランダムチョイスで当たったやつなんですけど、これはまあ、モノとしてはKodak Gold 200と同等品らしいです。

 ……でまあ、Kodakのカラーネガフィルムってベースのオレンジが強すぎて、反転したらめちゃくちゃ青いんですよね。セルフデジタイズやると本当にもう、色調整で頭抱え続ける。
 まあ本来の目的を失っちゃった撮影で、まあ現像も頑張れてない、変な色でも諦めてる仕上げです。
 というか現像してて、これ展示できるような良いコマひとつもなくないか? と思ってたようなフィルムなんですけど、「フィルム一本全部上げる」なんで恥を忍んで。

 レンズは大体A35-70mmF4です。一部M50mmF1.7がまじります。

 ベンチと思わせて普通に椅子。

 堺にきております。8月31日だったか。
 曇ってたんだけどこの日しか撮れるタイミングがなくて。

 私は本籍地がこの堺環濠の南端近く、南旅篭町にありまして、いわばこの辺がルーツ。ここで生まれたわけではないけれど。
 ここは開口神社の御旅所ですね。堺の真ん中を南北に分ける大小路の、南側は開口神社、北側は菅原神社のテリトリー。

 曇り空だったから全体的にマゼンタ転びするのを上手く補正できない。マゼンタに転んでると思いながらグリーンに寄せたらいっぺんに緑になっちゃうんだ。つらい。

 阪堺電車はラッピングしてない車両を長い事見てない気がする。でもそのおかげでまだ走っていられるのだ。

 この後、氷くるみ餅のかん袋に寄ろうかと思ったのだが、あいにくなにかで休みだった。私には小さい頃から知ってる店なのだが、最近すっかり行列店らしい。ネット時代はローカルの良いものがそれだけつまみ食いされる感じがしちゃうな。

 マクロチャレンジして当然のようにブレた。

 「スナック」のフォントが最高。

 あえて地面に散った方にピント合わせたつもりがミスってんの。

 これは住吉大社宿院頓宮の隣りにある公園にある「白夜の兎」というオブジェ。住吉大社が卯月卯日にできたから、兎がシンボルなの。

 ここの狛犬なんか脱力系でいい。

 フェニックス通りを渡れば山之口商店街。

 年々寂しくなっていくのは否定しようもない。

M50mmF1.7

 ここでレンズを変えたのだけど、露出アンダー。
 ボディ側の故障で、絞り輪を操作したのが上手く伝わってなくて、露出の計測は開放で、撮影は絞り込んで行われる変な状態になってた。

 ああ、この店も閉まってしまったのか。
 コーヒーと大書してるんだけど、店の中がCD屋にしか見えない。喫茶店なのかどっちだ、と思ってたら、客いなくて暇だったマスターに招かれて入ったな。
 そうすると、ちゃんとコーヒーも出していて、しかしオーディオにもこだわりがあってJBLほか高級スピーカーをいくつか切り替えて鳴らせるようにしてる、CDもちゃんと売ってる、というハイブリッド店だった。
 通ってた、とは言い難い私が惜しむ権利はないのだが、おもしろい店がなくなるのは寂しいな。

M50mmF1.7

 こういう味わい深い構えの店もある。営業してなさそうだけれど、元はなんだろな。あんまり外を見せない業種、会員制クラブとか、あるいは案外雀荘とかもあるかも。

 暗いところで明るさ欲しくて使ってたからファインダーでは気づいてなかったけど、このレンズかなりクモリがでちゃっていた。
 私の手元に来た当初は別に曇ってなかったと思うんだけど、どうも貼り合わせの劣化っぽいなあ。まあ製造からは40年くらい、うちに来てからも10年とか経ってるから、たまたま終わるタイミングだったか。なにか保存条件を良くすれば回避できたのかどうだか。

M50mmF1.7

 曇ってるので見事にフレアが。さらに絞り伝達不良でアンダー。
 開口神社の鳥居の裏側なんだけど、なんかエモ風を狙ってミスったらしい。流石に鳥居が分かりづらすぎる。

 この向かい側にもレトロないいお店、開口神社の門前商売が華やかだった頃の夢の跡みたいなところがあったんだけど、火事で焼けてしまって……。

 めちゃくちゃな色になってしまった。

 開口神社。まあ堺の南が本籍であるからには氏神様であろう。

 ちょっとひねった撮り方をしたつもりが、テレビに無理やり映り込もうとするクソガキみたいになってしまった……。

 切り株が独特の姿になっていていい感じだったんだけどな。

 これくらいのレトロ感も好き。

 山之口商店街の北端から。
 万博クリーチャーがここにも。

 堺北側を守護する菅原神社。

 松の枝を支えを入れて横に伸ばしている。

 まあ菅原神社というだけあって祀られてるのは菅公で、当然うしがいる。
 なんかゆる系のうしでかわいい。

 これは東大門の門扉だったかな。

 こっちは精悍なうし。

 本殿の後ろに高々と集合住宅が建っちゃってるのだが、これURの持ち物みたいなんだよな。URのサイトからは物件として出てこないが。

 水滴に目を引かれたけどちょっと狙いすぎか?

 なんだっけ、なにか由来のある古木だったはずだが。

 楼門も立派。鳥居と両方あるとダブり感出ちゃうが。

 堺のレトロさって、こういう感じが普通だった頃を子供の頃にギリ知ってる、みたいな時代感覚なんだよな。

 福岡の天神とか天満天神とか、色んなところにセンター街はありそうだけど、菅原天神のセンター街はこれだぞ。味わいなら最強。

 神社にしては特殊な建物、なぜか境内に車、外つ国の参拝者、見ている猫。不思議な画になった。(このカットは好きなので、現像で直しきれない色をPhotoshopの自動カラー調整に丸投げ)

 阪堺電車が専用軌道で、さらに車道が3車線ずつで広大な大道筋。ちょっとキャパオーバー感があるが。

 ザビエル公園の藤の木。


 コダックのネガの色どうにかしようとしてると、何がまともなのか見失って、しかもまともに感じられるポイントにすら振れられもせずで、やっててすごいしんどい作業になっちゃうな。
 まあ私の現像の腕が悪いと言われりゃそうだけど。

 ネガの正しい発色とか、あるいは味ってなんなんだろうな。
 多分現像機でプリントやデータ化するときには、フィルムの方の発色をパラメーターとしてちゃんと設定できて正しい色に出力できてるもんだと思うけど、それだとネガの特性の差をわざわざ埋めてるようにも思う。
 かといってデータなしに地力でやろうとすると、もうただ単に「色がおかしいし直せない」みたいになっちゃう。

 モノクロだと悩まなくていいし、デジタルで撮るのと差を付ける意味でもいいような気がしちゃうな。


 堺はやはり歩くと落ち着く。
 生まれ故郷ではない、といいつつ、父方の実家があったから小さい頃からよく連れて行かれるところでもあったしな。今はもうない。もし昔の南旅篭町あたりを知る人があれば話聞いてみたいが。
 父親が団塊ちょい下くらいの世代なのに珍しい一人っ子で、今はもうあのあたりに親戚も住んでないのだ。

 堺という街は、街の姿や主力商品を変えながらずっと商都やってたような土地ではあるのだけれど、流石に最近退潮も否定しがたいしなあ。
 私の馴染んだかつての堺環濠内のエリアはもう完全に旧市街で、古くからのお寺と町割りが残る住宅街以外の姿が今後あるとも思えない。
 まあでも、町の盛衰と自分の生活が関係ない無責任な身には、変わらずに衰退していく分には変わらず見ていられるからありがたくはある。変貌していく街は、気がつけば自分の居所がなくなってたりするから。

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