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PENTAX 17と行く甲信旅行 (3) 武田神社・高島城

 3記事目だけど、旅程二日目の後半。

 そういえば、金山博物館の売店で「これでよしなに」という山吹色のお菓子を売ってて、味わい深かったので土産に買っていった。
 20枚入り1500円ほどと、会社で配るにもリーズナブルで、しかも4枚に1枚は金箔がまぶしてあり、ひとはこに1枚はレプリカ小判がついてるとむやみにサービスがいい。さすが賄賂。
 後でぐぐったら、別に甲斐金山の土産というわけでもなく、各地の歴史っぽいお土産を専門に作ってるメーカーのものだったけれど、これはいい仕事しているのでよし。
 中にいかにも古くからある銘菓かのような説明書きを入れてる偽装までしていた。人を食っててよい。

武田神社 (躑躅ヶ崎館跡)

 あの場所に行くとき、現地の呼び名に倣って武田神社と呼ぶべきなのか。あるいは戦国時代ファンとして躑躅ヶ崎館跡と呼ぶべきなのか。
 きのこたけのこ論争のような月並みなネタとはレベルが違う、真に難しい争いだと言えるだろう。

 甲府駅からバスで10分くらい。バスは空席があるくらいでそこまで混んでなかったんだけど、現地につくと人が多い。みな車でくるのかな。

 ちょっとあまりに友人がわかりやすく写ってしまったので大きめにぼかし。ほんとに入ってる気なくって、手前のもみじの向こうにお社の構図で、参道とのバランスをー、とか思ってたらこれだもん。人間見てないな……。

 もすこしわかりやすく社殿を。かなり人が多いからこれ以上寄ると人を隠すのが面倒になるな。
 そしてやっぱり、横長フレームのために縦に構えなきゃいけなくて、水平を外してしまうなあ。スマホ世代じゃないから普通横感覚が抜けないぜ。

 このあとは宝物殿を見て、すぐ外にある昭和の頃からうまく商売やってる感じの土産物屋で買い物したりして、バスで甲府に戻る。
 ちとあっさりしてるが、旅の主催者が遠方で、そう何度もこれないから要所要所をいくつも見たいってな旅程になっている。

上諏訪

 甲府から中央線に乗って、上諏訪駅にやってきたらもう13時過ぎ。あっさりしてるけど当初予定より1時間くらい押していた。
 露出足りなくてなんも写ってないのだが、ここは駅ナカに足湯がある。
 入っていくか、と思ったけど押しているので、明朝上諏訪を立つときに入ろう。(と思ってたら、朝来たら時間が早すぎて開いてなかったっていう)

 上諏訪駅前。どう見ても車で駅に来る前提というつくり。

 しかし上諏訪の観光地らしいエリアは当然諏訪湖畔、駅から西側。でも駅出入口は東側だけ。
 よって、跨線橋がエレベーター付でフルカバーになっていて、観光客をここで迎えている。
 そして跨線橋を渡っても、なんだか商店街すら形成されてない地方都市の駅前、という感じの景色。後で諏訪湖の方へ歩いてみたら、突然巨大な観光ホテルが立ち並ぶエリアが現れる。

 よく見るとホテルは遠くに見えてるな。そっちに行くつもりで来てるなら気づくだろう。

 そして駅前にある昭和なホテルの一階、秋月そば本店というお店に入る。

 店の前で、さっきまでこの店で飲んでて放り出されたらしい酔っ払いのおっちゃんが座り込んでいて、入店待ちの我々に楽しく絡んでくるので楽しくどうでもいい話をして待ち時間を過ごす。

 中は鉄筋コンクリートの昭和感あるホテルの一階で、美化された昭和レトロではない、単に昔からやってるのであろうリアル昭和レトロ。立派な一枚板の机を置いた座敷に通してもらった。

 そして何の気なしに「信州なんだから蕎麦だよな、ざるそば大盛り」とみんなして頼んだら、驚愕するような量がきた。
 味もちゃんと美味しくて、そんな安物の適当な蕎麦だとは思えなかったのだけど、値段が税別855円。物価が平成に取り残されている……。
 つまり名店といえるでしょう。

 駅から南の方へ行くと、諏訪高島城の大手通だったらしい道が、立派な並木になっている。
 そしてそこらじゅうから温泉が出るようで、この岩から出てるのも温泉。ちゃんと温かい。

高島城

 高島城の方へと歩いていくが、行きは一本東にずれた県道50号を歩いていたようだ。
 途中でふたつ川を渡るが、多分かつての高島城の外堀をそのまま延長して、近くの門間川に接続したものっぽい。
 この川を南へ渡れば三の丸だったところ。

 もうひとつわたった先は二の丸なんだろう。

 北東の隅櫓が見えてきた、そして雨がけっこう強まってきた。

 明治まで天守も残って高島県庁だったらしいが、程なく破却されて、当時から残っているのはこの本丸北側と東側の堀の一部、そして石垣くらいだそうだ。

 大手口には橋がかかって、冠木門が再建されている。天守からこの門を通ってさっきの隅櫓まで、1970年に復元したそう。

 そして天守。まあ鉄筋コンクリート造の資料館ではあるが。

 石垣に寄ってみる。見事なミミズがおったな……。

 入ると庭園風になっていた。春か秋なら花も咲いて美しくなってそうだが、梅雨明け直後のだいたいどこも緑一色の時期だな。

 亀石。古くから城にあって、水を掛けると亀が生き返ったようになる、というのだけど、なにせ雨だから最初から生きていた。

 やけに白っぽくフレアが出たな。レンズ濡れてたってことはないだろうと思うけど……。つけてたスカイライトフィルタの影響もあるかなあ。
 これは隅櫓の裏あたり、冠木門入ってすぐ左くらいのとこに立ってる木。

 天守の中は資料館。
 この諏訪の浮城である高島城は、日根野高吉が1590年に諏訪に封ぜられたときに築城した。
 検地などを行ったりして後の上諏訪の街の基礎を作った功績もある一方で、商人を殺して財産を奪うという「厳しい面もあった」(現地展示での表記)。極悪殿様じゃないか。

 今回の旅と同じような面子で、以前は名古屋の城を歴訪しようと小牧山城も訪ねたことがあった。
 その時、小牧山城の情報館「れきしるこまき」で、信長の人生における同盟者と敵対者を時系列順に紹介するような映像があったんだけど、どういうわけか日根野弘就がずーっと敵方にいるの。
 なんでだよ、日根野は信長の宿命のライバルか、とかけらけら笑ってたんだけど、なんで親子揃って日根野は我々を笑わせに来るんだろう。

 そして私は泉佐野市出身。日根野氏の本貫だよ。

 例によって天守の上の方は展望台になっていて、北西方面にはなんとか諏訪湖も見えている。

 これは北東向きかな。大体こっちの方の丘の上に、江戸時代の高島藩主諏訪氏の墓所があるらしい。

 公園を見下ろしてみる。緑深いなあ。なんというか木がひとつひとつ立派に茂ってる感じだ。

 橋の方。

 天守を出て再び庭園。

 そういえば、場内の売店で諏訪姫のフィギュア売ってたから買っちゃった。
 10年以上前にローカル萌えキャラブームがあり、そこらじゅうで大量のキャラが生み出されたのを注目してたことがあるのだが、まあ今となっては記憶しか残ってないキャラも多い。
 諏訪姫は諏訪では現役だなあ。

 雨も小止みになったので改めて天守を。

 帰りはかつての大手通を通っていくのだけど、二の丸から三の丸に出たところすぐに温泉が沸いていた。
 高島城は城内に天然温泉があって、ちゃんと浴場として使ってたそうな。温泉付きの城って私は他には心当たりない。
 そんな稀有な一芸を持ってる高島城であるが、御城プロジェクト:REの高島城は特にこのネタ使ってないなあ。

(露出補正を-1EVくらいにしてたのを戻し忘れてどアンダーになっちゃった)

 温泉からすぐに、なんだか存在感のある建物。

(同じく露出補正間違い)

 焼板の黒壁がこんなに長く続いているのも珍しい。

 そして神州一味噌の丸高蔵だったとわかる。信州じゃなくて神州。強気。日本は味噌を中心とした大豆系調味料の国。
 軒下に、かつて足湯だった桶が置かれていたが、あいにくコロナあたりの影響だろうか閉鎖され、何の説明もない桶なだけだった。

 大手通を歩いてきて三の丸の堀も渡り、その先で急に通りが曲がる。
 そして曲がったこのあたりに、高島城の大手門があったらしい。Googleマップにマークがあったんだけど、現地にはなーんもなかったな。
 しかし場所的には間違いないみたいで、三の丸の先にもうひとつ小さな郭みたいな島があり、そこが丸ごと虎口みたいになってたようだ。

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