smc PENTAX-DA 17-70mmF4AL[IF]SDMのレビュー
PENTAXのレンズのレビューだと、pentax memoというサイトが有名で、純正レンズのほとんどと少なからぬサードパーティレンズをカバーしてます。
私も持ってるレンズから判断して、レビュー内容にもほぼ異論なく、信頼できるレビューサイトと思ってます。
このサイトで触れてない純正APS-C用レンズは、細かいバリエーションモデル(防水有無とか)を除き、DA560mmF5.6とDA17-70mmF4、あとはすでに同等以上の後継モデルがある古い標準ズーム、DA16-45mmF4、DA18-250mmF3.5-6.3だけかな。
で、DA17-70mmは私が持ってて、pentax memoになくて、2021年1月現在まだ現行商品で(古いけど)、厳密に代替する後継機もない(DA16-85mmはF値一定じゃないので)、他のサイトでもあんまり触れられてない、というレンズなので、一応私が書いておく値打ちもあるかと思います。
じゃ前口上は以上で本題へ。
収差とかを数値化して検証とかじゃなくて、使った印象によるものだから、そこはご了承を。
総評
○ライカ判換算26-107mmと広めのズームレンジ
○どの焦点距離でも安定した写り
○F値一定・テレ端でもF4と明るい
○SDMで静かなAF
○SPコーティング
○実売価格が格安
✕カリカリにシャープに写るわけではない
✕別にSDMだからAF速いってほどでもない
✕HDコーティングとか防滴といったハイカラな仕様はない
✕テレ端で遠景がやや弱い
✕テレ端開放でマクロもやや甘い
✕歪曲はある
✕けっこうパープルフリンジが出る
描写について
DA16-85mmは実にシャープに写るらしいんですけども、DA17-70mmは眼を見張るようなシャープさはないです。
ちょっと線が太いというか。絞ってもカリカリって感じの写りにはならないのもあって、キレの良さが重要と思うユーザーにはやや弱いかも。(あくまでDA70mm Limitedとかの鋭い単焦点レンズと比べての話ですが)
別に能力不足というわけじゃなく、K-70の2400万画素センサーで十分使えるくらいですよ。
画面全体に写りが均一で、中央でも周辺でも安定してる。ワイドでもテレでも、開放でも絞っても。この点は、やはり中級クラスらしいところだと思います。
私は標準ズームは万能レンズだと思うんで、使い方に依らず写りが安定してるのは値打ちがあると思います。
(一応付記しますが、DA17-70mmが発売された頃に、キットレンズのDA18-55mmがII型に変更されて画質が向上し、評価が高くなりました。その反動で、DA17-70mmは大したことがない、18-55mm IIで十分だという話が広まっていたことがあります。両方使ったことある上でいいますけど、入門レンズと中級レンズの差はちゃんとあります)
弱点は、明暗差が強いとパープルフリンジがわりと出ます。F8でも少し残ってる。RAW現像時の補正で抑えられはしますが。
私はフード外すことがないので単体での逆光耐性が不明なんですが、フードつけてる限りはフレアが気になったことはないですね。画面に太陽モロに入るとゴースト出たりはします。
歪曲収差はある程度ありますが、これはばかりはズームだから仕方ないかな。自動補正かければいいと思います。
周辺減光に関しては私が気にしない方なんで、気にするなら補正で。
テレ側かつ遠距離では描写が甘くなるのは、ちょっと気になったかな。F8に絞っても解消しない。これはズームレンズではありがちなことではありますが。
また、テレ端かつ開放で、最短近くのマクロ撮影をすると、ちょっとソフトレンズっぽいほわっとした感じに。これはほんの少し、2/3段くらいの僅かな絞り込みで消えます。
弱点と評すべきかは好みによりますが、色があっさりめに出る印象がありますね。
使い勝手について
中級クラスの標準ズームとしては並の寸法です。485g・最大径75mm・長さ93.5mm。
重量や寸法は、DA16-85mmともほぼ同じですね。他社の一眼レフも、中級標準ズームはこれくらい。
AF速度は、K-70だと別にSDMだから速いというような印象はないですね。普通のPENTAXレンズ並みといいますか。
音はもちろん静かですが、動画に音が入らない無音ではありません。
F値一定という一芸があり、「広角端で1段絞って使ってたけどそのまま望遠に伸ばしたら開放になった」といったことがないです。絞り優先オートが多い人には気分的にいいかも。
マニュアル発光とか固定光量のストロボ使うときも便利。今時そんなん使う人は稀ですが。
ちなみに、広角側だと設定を開放にしても絞りは完全に開かないレンズです。それでF値を揃えてる。
AF時にピントリングが動きます。持ち方の癖によっては指に触って気になる人もあるとか。私は触れたことないです。
MFの操作感は軽め。よくあるAFレンズの感じで、Limitedレンズほどの品質感もありません。
ズームリングはやや重め。下を向けても自重で伸びたりはしません。
フィルター径は67mm。PENTAX的にはちょっとレア。
DA16-45mmと同じなので、乗り換えるならフィルターは流用できます。
他のレンズだと、DA★50-135mmF2.8、DA★60-250mmF4と同じ。
SPコートだから、ちょっと前玉汚れても拭けばいい。
残念ながら防滴はないので、雨ざらしで使ったりはできません。
購入に関して
古いレンズだから値段がこなれて、コスパはすごく良くなってます。
新品で3万円台。DA18-55mmとかDA18-50mmと同じような値段で、ひとクラス上のが選べます。
中古なんて1万円台で出てくるので、とりあえずの一本として選んでもよろしいかと。
ただ、初期の超音波モータ―搭載PENTAXレンズは、SDMの故障が多かった。DA★60-250mmとかDA★16-50mmほどは故障の話は聞かないように思いますが。どうなのかな。
手元の個体は今でもなんともないですが、購入時期が比較的最近の2016年頃。浮間舟渡のサービスセンターで整備済みアウトレットを買ったんで、SDMが交換されてるの可能性もあります。
同クラスの製品だと、DA16-85mmF3.5-5.6。高評価を受けてるレンズなので、今使うなら大抵の場合はこっちがいいと思います。防滴だし。
F値一定、テレ端が1段明るい、値段が大幅に安いのがDA17-70mmのアドバンテージ。
DA18-135mmF3.5-5.6との比較は。値段的にもけっこう近い。
私が検討してスクエア大阪で相談した時、「DA17-70mmからの買い替えなら画質的には落ちる」と明言されてます。まあ18-135は便利な高倍率ズームだから、画質の落とし所などそもそも違うと思います。
ネットでの話から見ても、DA18-135mmは広角側の描写がちょっとよくないとの話ですね。そのかわり望遠が長い利便性がある。動物園とかだと、70mmじゃ物足りないけど135mmあればだいぶ楽しい。
DA17-70mmは広角側の描写はしっかりしていて、テレ端遠景がちょい苦手というレンズなので、望遠好きならDA18-135mm、広角中心ならDA17-70mmという見方も。
近いスペックで値段も近い3万円台、SIGMA 17-70mmF2.8-4 DC MACRO HSM Contemporaryもあります。
純正のDA17-70mmなら、歪曲収差ほかの自動補正が使える。
シグマは広角F2.8。DA17-70mmはF値一定。
シグマはマクロを名乗っていて、実際22cmまで寄れますが、最大撮影倍率はDA17-70mmがやや大きい。インナーフォーカスだと近接撮影時に実焦点距離が変わって撮影倍率が下がっちゃうんですが、それがシグマのほうが大きいようです。
それから、ズームリングの回転方向が逆とのこと。
DA18-55mmからの買い替えなら。DA18-50mmからのステップアップ買い替えも似たような話になると思います。
DA18-55mm、古くなると曇りますからね。だめになったら、リーズナブルなDA17-70mmは結構いいかも。
まず、画質は上がります。DA18-55mmだと、広角端で画面隅が結構流れてるのが見えると思いますが、DA17-70mmだとそれがずっとよくなる。
が、DA17-70mmは安定した写りが長所で、キマった時の眼を見張るような写りってなものは出にくい。「写りが良いってこういうことか」という経験を抑えた予算でしてみたければ、DA50mmF1.8あたりの単焦点レンズがおすすめ。
大きく重くなるのを避けて、常用レンズの軽快さを維持するならDA18-50mmか、単焦点でDA35mmF2.4とかDA21mm/40mm Limitedといった小型レンズのほうがいいでしょう。K-01とかK-xなどの小さいボディだと、バランス的にも小さいレンズがいい。
あと、DA17-70mmは防滴ではないので使用環境にも留意を。
以下は作例付きで見ていきましょ。
歪曲収差について
歪曲収差はさすがにそれなりにあります。広角端で樽型、テレ端では糸巻き。これは今は補正できるので、私は気にしないところですが。
17mmで、歪曲収差補正オン・オフを見比べるとこれくらい樽型歪曲があります。まあ、これは外縁ギリギリに真っ直ぐなラインが入っちゃってるので、ここまで目立つ構図も稀でしょうけど。
真ん中よりちょい広角寄りですが、33mmでもう糸巻き型に変わってる。
ファインダー目視だと、24mmくらいがほぼ歪曲なくなるところのようでした。その先は糸巻き。
でもって70mmも糸巻き型。むしろ33mmより少し小さめになってる?
こうやって見比べるからわかるだけで、実用で問題にはならないと思います。
ボケもきれい
ボケが嫌な感じになったこともないですね。これ広角端開放のボケ。
テレ端開放のボケ。ぐるぐる感もないし、ピント位置の花だけすっと浮き立ってる。
F8に絞ってボケを小さめにしてもこんな感じで。
テレ端開放マクロについて
テレ端の最短近くで撮る時は、少し絞らないとソフトになります。
ちょっとピント外してて格好悪い(奥の葉っぱの根本に合ってます)けど、これはF8。くっきり。
それがF4だとこういうホワっとしたソフトレンズっぽい感じに。
手元の写真を見ると、F5.0だともうこのソフトさは消えてました。半段か2/3段絞ればOKでしょう。被写体次第ではあえて出しても効果として使えるかも。
テレ端遠景の甘さ
テレ端の遠景はやっぱり、ちょっと気になる。ズームじゃよくあることではありますが。
上の歪曲収差比較で使ってる画像の中央部ですが、うーん。F8でこれ。
左の駐車禁止看板とかは単にオフフォーカスだと思いますけど、「アドバンスロード商店街」の看板あたりはピントあってそうなところですが。
端に近づくと更にもう少し悪くなる。うーん。
テレ端遠景は、後処理その他で解消する手段もない弱点ですね。これはもう避けるしかないか。
7枚絞り羽根の光条
絞り羽根が7枚なので、強い光源に出る光条は14本。
円形絞りではないので、F5.6くらいでも出ます。というか、広角端だと開放F4でも少し絞られているので光条が出ます。上のは広角端開放です。
ちゃんとした夜景撮影で狙って出すなら、この派手に出まくるのが良いという意見もありますが、スナップでこういう出方しちゃうとうるさい感も。
他に、ボケが七角形になる。丸く出てくれる円形絞りより、ちょっと悪目立ちしがちなのも否めない。けど、それはそれでという気もする。
これはもう使い方や好みによるし、避けようもないので、こういうものだと思うしかないですね。
(PENTAXの一部レンズは、古いsmcコーティング版は普通の7枚羽根絞り、新しいHDコーティングは円形絞りに変更されているので、使い分けができます。DA17-70mmはsmcしかないから無理ですが)
他の作例
私のサイトに作例がいろいろあります。
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