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PENTAX 17と行く甲信旅行 (4) 上諏訪の酒蔵

 高島城を出て、上諏訪の街に戻っていく。

再び上諏訪の街

 上諏訪駅から北西に行くと観光ホテル街があるのだが、南西にきたこっちのほうは、やたらと味わい深い建物がよく見られる。これお医者さんなんだけど、廃墟じゃない。現役。

 この異様に素晴らしい門もお医者さん。奥に見えてるツタに覆われた建物は、昭和に建てられた病棟らしい。

 超レトロな建物もあり、この「湖明館通り」とアーチがかかった商店街は、かつては観光客の集まるところだったっぽい。
 実際、北側の温泉ホテル街とは別に、駅南側にも昭和感たっぷりのホテルがいくつかあった。多分かつてはそのへんに泊まって、ここを通って諏訪湖を見に行ってたんじゃないか。
 今は……ちょっともう商店街としての機能は失われてそうだった。

 並木の通りにこんなちょうちんがかかっていたが、7月下旬の上諏訪では「諏訪よいてこ」という祭りがあるらしい。

 ここでフィルムが終わったので、甲府ヨドバシで買ったFUJIFILM 400に変更。フジのISO400といったらさっき使ってたSUPERIA PREMIUMとか、あるいはSUPERIA  X-TRAとかがおなじみだったけど。
 ……で、現像してデータ化してたらもうひと目で分かる、めっちゃ青い。これKodakのUltraMaxのOEMじゃないか。

(FUJIFILM 400の青さは適当に補正してます)

 駅東側にわたって、国道20号線。国道沿いとはいえ町並みは味わい深い。私の知ってるリアル昭和が保存されているなあ。

 すんごい良い建物がある。三村貴金属店というお店の建物。
 諏訪ではこういう洋風の「看板建築」というのが流行ったそうで、1928年に建った。(信濃毎日新聞デジタルの記事
 もともと、上の写真で手前側は貸店舗として作られて、今はカフェが入っている。そして2階は貸しスペースで、この建物を日単位で借りてイベントなどやれるそうだ。最高だなあ。

 こういうガチ昭和物件も残る。ドラッグストア、という名乗りが、言葉の意味の変遷を感じる。

酒蔵巡り

 20号を南の方に来てるのは、酒蔵が集まったエリアがあるので。
 最初に遭遇した、株式会社舞姫

 それから麗人酒造
 ここは店舗があって試飲もできるぞ、と思ったら、4時半までで10分くらい遅かった。残念すぎる。
 諏訪姫ラベルの日本酒がいくつか売られていて、ローカル萌えキャラとしての定着ぶりを感じる。

 ちょっと歩道の狭い国道沿いで車通りが多く、建物の撮影ができなかったんだけど、次に入った酒ぬのや本金酒造というところがまだ試飲OKということで、みんなでお願いした。
 1756年に創業した老舗だけど、試飲したSmoothという横文字の名前のやつが、これがアルコール軽めで甘みのある実に私好みのやつ。買っていこうかと思ったんだけど、あいにく生酒のようで冷蔵がいる。持ち帰る間に傷みそう。
 通販やってるか、と聞いたら直販はないそうで、そのかわり大阪の取扱店を教えてもらった。生野本通り商店街の向井酒店ってとこにあるそうなので、買いに行こう。

 国道20号から一本東の通りがかつての甲州街道だそうで、そっちを歩いてみる。舞姫の裏。

 蔵の壁に見事にツタが這っている。

 そして駅の方にかけて晩飯を食える店を探して歩いてみたのだけど、ちょっと7人も連れ立ってぞろぞろ入れそうな店が見つからない。良さそうな店は小さいお店ばかりで。

 いい感じの昭和店舗だったけど、写真が失敗。日が落ちかけてかなり暗いと、露出不足になっちゃう。

 昭和モダンなデザインと、平成初期の創英角ポップ体が並ぶ味わい深さ。

 これでこそレジャービルよ。リアル昭和文化。

 盛り場っぽいエリアにちょっとした空き地があり、上諏訪宿問屋跡・高島城柳口御役所跡の碑が立っていた。それぞれ宿場町としての上諏訪と、高島藩庁の役所跡だそうだ。

 駅の北東あたりのエリアまで歩いてきたけど入れる店は見つからず。
 趣深い廃ホテルはあった。

 結局チェーン店の居酒屋に入るしかなく、諏訪で地元の日本酒すら出さないしょうもなさに文句垂れつつも、友人と世界の未来を憂える深い語り合いを肴にしてこの夜を明かすのであった。


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