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陰謀論界隈で松本人志の「大日本人」がガセネタで使われている件について

巨人と陰謀論

陰謀論、近年はQアノン(ヤマトQ)の台頭で今まで以上に見る機会が増え、反ワクチン系の活動で社会における実害が出る例も多くなり、ここ最近の事例だと世界の流れに逆行しプーチン英雄視を行う人も少なくありません。

基本的に陰謀論は日本で独自に行われているのもあるものの基本的には西洋で考えられたエビデンス不足の説がYouTubeやテレグラム(ロシア系のSNS)で日本に伝わり日本ではTwitterやアメブロを介して拡散されます

そんな陰謀論の中では「巨人」にかかわる陰謀論がよく登場する。(特にタルタリア系の陰謀論で。タルタリアに関しては下記noteで)


多くの場合「過去の地球には巨人が多く存在した、人型に見える巨大な樹木や岩石は巨人の名残りである」

と言うもの、あるいは「過去の地球には巨人族がいたがDS(ディープ・スティート、陰謀論における世界を真の意味で支配する影の政府)によって虐殺された」と言うパターンがあります

そこでは多くの場合

実在のメチャクチャ身長が高い人の写真を張り付ける

・コラやアート作品で巨人の化石を捏造する

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・世界各地にある巨大な本を「巨人が読んでいた本」とでっち上げる

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とまあ色々なパターンがあるわけです。

本題 「大日本人」が海外陰謀論で使われている件

まずこの動画を見てください

動画タイトル 20世紀の日本の巨人のビデオ分析

動画説明 日本の巨人、信じられないほどの映像、映像は本物のように見えます。-------------本当の秘教、魔法、超感覚的知覚を学び、私たちの世界の本当の歴史を見つけてください。

あたかも戦前の日本には巨人がいて多くの人に人々に慕われている…ように見える470万回再生されているこの動画。当然ながらCGです

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引用元…と言うか転載元は松本人志監督作品の大日本人。先祖代々、特撮ヒーローのノリで巨大化し怪獣と闘うものの近年は人気も落ち込み怪物とも世間とも闘う男の生き様をモキュメンタリ―形式で描いた作品。実際にレンタルして検証してみました。

作中では落ちぶれた主人公に対しかつては巨大ヒーローとして一世を風靡した父親が登場するのだが彼の全盛期の回想シーン部分が上述の動画にあたります

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ちなみに本作、2007年作品と言うこともありぶっちゃけCGの完成度はそこまで高くはなく本編を見ればすぐに力士(主人公の父親)の動きの不自然さが分かる。想像にもなるが上述の動画では「いかにも」感を出すために編集が入ってる…と思う。

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上述の動画でも特徴的だった旗振りのシーン。映画本編でも登場している。

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「松本人志側が動画を切り取った!」と主張している方もいたが映画本編の回想シーンの前後では先代の黄金期を残す写真や玩具が多数登場しておりその可能性は限りなく低いと言って間違いないです。

終わりに

この手の陰謀論はほんの氷山の一角にすぎず陰謀論は世界中のありとあらゆるネタを用いてこじつけやガセ情報と結びついてます

(特に一般人が投稿した)素敵な動画、衝撃的な画像に関してはいったん少し落ち着て、必ず画像検索や転載元の確認を行うようにしてください

オマケ 「大日本人」のレビュー

ネタバレ込みです!スクロールしてから見てください














いやひっっっどい映画でしたね…

本作はただただうだつのあがらねえオッサンのグダグダした日常パートと大して完成度の高くない特撮パートを交互に挟みながら展開

日常パートにかんしては悲しいオッサンの日常をただただ映すだけ。何にも面白くない。笑いもないし驚きもない。悲壮感があるだけ。途中で認知症の進み介護を行っていた父親との邂逅があるか?と思ったら終盤であっさり死亡。それで主人公は大して悲しんだり怒ったりしたりはせず物語のフックになることはなく終了

特撮パートも盛り上がりに欠ける。人気が出てないヒーロー、と言うのを加味しても迫力ない戦闘が続く。怪人に関しては吉本芸人がモチーフになっているのだが身内ネタ感も強い。後半の怪人ラッシュでは今までしゃべることのなかった怪人たちが急にしゃべるようになり戦闘というよりネタとしての側面が強くなり松本人志絶対途中で映画作り飽きてたでしょ…と疑いたくなる冗長な展開がつづく

極めつけは最強の怪人を前に主人公が大ピンチ!と言う展開のあとで謎の警告画面のあと全てをぶん投げ雑なお笑い(つまらなく)でお茶を濁すエンディング。なんというかシリアスやりたいならシリアスを、コメディやりたいならコメディをやるべきだったと思うの…

総評は野田クリスタル級の松本信者にしかオススメできません。

そして多分野田クリスタルはこの作品好きじゃないと思います

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