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書評:BAD BLOOD

BAD BLOOD
著者:ジョン・キャリールー、訳:関美和他
出版:集英社

ピザって美味しいよね。薄い生地も好き、チーズ入りも好き。デビルクラフトの、シカゴスタイルなピザも、めちゃデカニューヨーカースタイルのピザも好き。

そんなアメリカへの郷愁?を携え読んだ一冊。原文版半分くらい読んだけど、なかなかはまれなかった一冊だったけど、、、

めちゃくちゃ面白い。全人類読んだほうがいい。自分の英語力の低さも相まって原文で読んだときはそこまでハマらなかったけど、訳の良さもあってとにかく読みやすい。
セラノス内部のヤバさがとにかくヤヴァイ兵長。社員が辞め過ぎなせいで、登場人物過多で全然覚えられない。笑
作者がついに登場したところはまってましたと手を打ってしまった、小説でないことを忘れていた。
色んな人が無理をさせられて、ほんとに辛酸を嘗めるとはこのことなのかもとおもった。あと弁護士の名前がめっちゃボウイで笑った。

プロダクトが完成しないプロダクトファースト(エリザベスファースト?)



しゃれたスライドを見せながら自信たっぷりに聴衆に話しかけるエリザベスを見てやっと、彼女がどうしてここまで高みに上れたのかがはっきりとわかった気がした。エリザベスは稀代の売り込み屋だった。言葉に詰まることも、脱線することもけっしてない。工学用語も検査室用語も難なく自在に操り、新生児集中治療室の赤ちゃんが採血されずに済みますようにと涙ながらに訴えかける。彼女が神と崇めるスティーヴ・ジョブズと同じように、エリザベスもまた現実歪曲空間を作り出し、人々に束の間だが疑惑を忘れさせる力を持っていた。

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