見出し画像

占いは当たるのか?〜給料日前に思う

給料日前である。この時期はいつも金欠だ。いや、毎日財布の中との相談は欠かせないんだが、特に厳しくなる。なんとか収入をアップできないかと髪を掻きむしるのもいつもこの毎月20日過ぎである。

遠い昔、漫画家の一条ゆかり先生が雑誌「りぼん」の付録のソノシート(あ、薄ーいレコードのことね、若い方は調べてね)の中で月収のことに触れたのを聞いたとき(なんてことをさせたんだろう、集英社)のこと、あまりの額に子供ながらに驚き「私も漫画家になる、ゼッタイ!」と心に誓ったのを思い出す。しかし、ストーリーを考えるのは楽しいのにその先からちっとも進むことができない私は、結局漫画家にはなれなかった。それ以来何十年、いろいろな夢を見たがただの夢で終わってしまった。だから今、髪をかきむしっているのである。

以前手相を見てもらったことがある。仕事の流れでなんとなくじいさんに手をとられて。結果はというと、

・運命線が手首から中指まで一気に繋がっている、これは仕事で成功する人!
・親指に仏眼がある、これはいい!(何が?)とにかくいい!(なんじゃそりゃ)

ということであった。もともと占いは大して信じていない私だったが、なんか抽象的なその結果にもやもやとした。そのじいさんは本来は呉服屋で、占いの他に結婚相談所もやっている。もしかして「手相占い」→「良縁紹介」→「着物の売上アップ」を狙っているんだろうか。抜け目ないな。お金を払えば詳しく教えてくれたんだろうか。

私はもう既婚だったし当時は子供はまだ結婚なんて歳じゃなかった。実はその頃の仕事の保険の勧誘に伺った際の出来事だったが、お互い成果もなく痛み分けとなった。確かに仕事は結婚後もずっと続けているけど、食えないからやむをえずだ。親が資産家だったり夫が高給とりだったりしたら、やりたいことだけして生きていたい、根っからのぐうたらである。

「仏眼」を調べてみたら、
・直感力がある
・徳がある
・霊感がある
とかなんとか、やっぱり抽象的である。っていうか、霊が埋蔵金のありかを「ここ掘れここ掘れ」と教えてくれるんなら「仏眼あって良かった〜!」って思うけどなあ。

調べたついでにM字があることもわかった。強運、幸運の持ち主、宝くじに当たるとか、ビル・ゲイツも持っているとか書いてあるけど、全く当たっていない。
まあ、でも、これまでいろんなことを乗り越えて細々と生きていられるってだけでも強運、幸運なのかも知れない。物事は捉えようである。

かつて占いにワクワクした時期はあった。スピリチュアルなんてものに傾倒したこともあった。チャネリングの講演にも出向いた。バシャールさんは今もお元気だろうか。なん万円もかけて自己啓発セミナーにも行った。幽体離脱も試みたことさえあった。どこへ行こうとしていたのか、自分。まだまだ可能性がたくさんあって、行けるところがたくさんあったから、他人に選んでもらってもいいと思っていたのか。

その後長い年月の間、いろんな苦難をバタバタと乗り越えるうちに、結局頼れるものは自分だけという心境に達した。占いは単なる心の拠り所である。一歩踏み出すただのキッカケだ。そして踏み出すのを決めたのは自分自身だ。カードでも星でも石でもない、ましてや占い師でなど絶対ない。

息子が通っていた少林寺拳法の聖句に出会ったときは、あまりにも納得しすぎて身体にビリビリと電気が走った。

己れこそ、己れの寄るべ、己れを措(お)きて誰に寄るべぞ、良く整えし己れこそ、まこと得がたき寄るべなり
(自分こそ自分のよりどころである。自分以外に一体誰に頼れるものがあろうか。よく調整された自分自身こそが、ほんとうに得難いよりどころなのである)

そして、「良く整えずに」ぐうたらに生きてきた自分の自己責任的な後悔にたどり着くわけであるが。
給料日まであと3日。己れを整えて夜明けを待ちたいものである。(タイトル画像は昨日の夜明け)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?