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東京国立博物館の「新指定国宝・重要文化財展」行ってきました。

1月31日〜2月19日まで3週間開催される東京国立博物館の「新指定国宝・重要文化財展」こちらのプレス内覧会に行ってきました。
新たに国宝・重要文化財として指定されることになった美術工芸品のお披露目展示で、時代は多岐にわたるわけですが、縄文ZINE的に今回の目玉はなんといっても国宝となった、旧石器時代の北海道白滝遺跡群出土品。

日本最古の国宝がすごい。

もちろん旧石器時代の国宝は初めて。これは最古の国宝になる。「奈良? 平安? やっぱ旧石器でしょ」と、言わんばかりの存在感。どんなものかは事前に知っていても、これには本当にびっくりした。なにしろデカい。思ったよりも全然デカい。ちょっと正直感動するくらい。

ショーケースに黒曜石の石器が並ぶ。

真ん中の列が一般的なサイズの黒曜石の尖頭器。大体10センチくらいだろうか。そして手前の大きな尖頭器状石器はその3倍以上の36.3センチもある。すごいボリュームだ。
ただ、これを槍先につけたわけではなく、これを割って、使いやすい尖頭器を作ったのだと説明された。中間段階の加工なんだという。それでもこのデカい石をわざわざ木葉形に整形するのはなんでなんだろう。

デカい!

石刃も馬鹿デカい。これはもう刀じゃないか。

手前が細石刃。大型石刃がデカい。

さらにやばかったのがこの接合資料。
細かな剥片を繋ぎ合わせて、どのように石器が作られるのか工程がわかるという資料なんだけど、この接合パズルやばい。石を立体的に、抜けている部分もあるのにつなぎ合わせるという。旧石器人じゃなくて現代人もすごい。
どうやら北海道の佐藤さんという方が、達人らしいということは聞き出した。

40センチ以上ある接合資料
このデカい接合資料に左右のものもくっつくというそれで1点の接合資料と数えられている

今回国宝に指定されたのは「北海道白滝遺跡群」から出土した黒曜石の石器など1900点余り。北海道の国宝はこの旧石器の資料と縄文時代の土偶「カックウ」の二つということになる。

会いたかった土器。顔の幣舞式

3件の縄文時代の資料が重要文化財に指定されている。そのうちの一つが「北海道常呂川河口遺跡墓坑出土品」だ。
実は昨年、北海道旅行に行ったときに見にいったのですが、重文に指定されるために東京に出張中で留守というすれ違いで見れなかったこの顔の幣舞式土器にやっと会えました。

顔の袋みたいな土器。縄文晩期
やっと会えたね(仁成)

他にも、重文に指定された、青森の草創期の青森県櫛引遺跡出土品、三重県天白遺跡出土品も見逃せない。これらはすべて会期が終わったら各地に戻る。特に顔の幣舞式なんて、北海道の北見市、網走の近くまで行かないと見れない。黒曜石だって北海道の遠軽町、北海道といっても全然札幌じゃない。

展示風景
青森県櫛引遺跡出土品
三重県天白遺跡出土品
三重では土偶は珍しいんです。


推し立像見つけました。

あまり縄文以降に興味が向いていない僕ですが、今回ちょっと推しが見つかりました。それはこの鎌倉時代の「十二神将立像」。健気に頑張っているけれど顔がもう泣きそう。

泣いたらだめだ!

この上徳寺の木造阿弥陀如来立像はなんと唇が水晶なんだと、、よくわからなかったけど、すごいこだわりだ。


魅惑のリップ

観音寺の木造不動明王立像衣服の表現がキレキレでかっこいい。

サイヤ人みたいというよりもサイヤ人が不動明王に似ているのかもしれない


地獄の絵巻も見れる


千利休の手紙だって(聞き間違いかも)。中には徳川家康のことも書いてある。


短い会期なのに途中展示変えもある

「新指定国宝・重要文化財展」は2月19日までとあっという間に終わってしまう。しかも2月14日からを後期としていくつかの展示が変わるという。これはぜひ見に行って欲しい。とにかく黒曜石のデカい尖頭器状石器を見てほしい。

会場はそれほど広くはない。終わったら向かいの部屋で考古学展示を堪能しよう。

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