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『始まり』のスタート

暖かくなり、春の訪れを感じるこの頃。

今日は、私の職場である日本語学校の卒業式でした。

新型コロナウイルスが蔓延し、大きな会場で正式に執り行う予定だったのが、自粛ムードであったことと、感染防止のため中止となり、それでも送り出したいということで全員マスク着用の中、各教室で執り行うこととなりました。


すでに帰国してしまった学生や、進学のために引っ越しを済ませた学生もいて、全員が集まることは出来なかったのですが、来た学生に対しては縮小された式ではあったものの、しっかりと送り出すことが出来たのではないかと思います。

久しぶりに見た学生の顔はマスクで覆われ、あまり見られなかったのが残念でしたが、友達や先生と会って嬉しそうにしている姿を見て安心しました。


9年前の2011年3月11日、高校3年生のとき、東日本大震災の影響で母校の体育館が崩れ、他校の体育館を借りて卒業式を行いました。
卒業式が出来ただけ良かった。―ずっとそう思ってきました。
ただ、3年間過ごしてきた場所で最後まで送れなかったことに対してどこか寂しい思いもありました。

そのときの思いと重なって、どうにか式が出来れば良いなと願うばかりでした。

「先生ありがとう!またね!」と元気良く学校を後にするみんなの後ろ姿が少し大きく見えました。

自分の学生時代を見ているかのようで、怒ったり、泣いたり、本当にいろんなことがありましたが、無事に卒業式を執り行えたことを有難く思います。


親元を離れて他国に来ることの大変さが少し分かるので、そんな彼らを本当に尊敬してますし、彼らに出会って学ぶこともたくさんあります。


日本語学校は夢を叶えるための踏み台のような場所なのです。ここで終わることなく、大学、大学院や専門学校へ進学し、その先をしっかり見据えている留学生がほとんどです。

そして、彼らが初めて日本に来て所属する機関が"ここ"となります。

公立の学校とは違って、私のような事務でも学生と関わる時間がすごくある分、日本語だけでなく、ルールや文化を教えるのも私たちの役目です。

人対人の仕事は大変なことばかりですが、みんなが新しい場所へまた一歩踏み出すために努力して夢を叶えてる姿を見たり、背中を押してあげる日を迎えると、改めてこの仕事をやっていて良かったなと思います。

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彼は私を見かけては話しかけてくれていろんな話をした学生です。

入社した当初、留学生とのコミュニケーションが上手く取れず悩んでいましたが、彼と話すことで留学生とのコミュニケーションの取り方を教えてもらいました。

進学先のことでたくさん悩んでいましたが、無事に大学へ進学することができました。

東京から離れてしまい、少し寂しくなりますが、また一回り大きく成長した姿を見せてくれると約束したので、それまで私も成長した姿を見せられるように頑張ろうと思います!



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