見出し画像

父が逝った日

そろそろとは思っていましたし心の準備は出来ていたと思いますが、実際に亡くなるとやはり色んなことが一気に押し寄せてきて、まさに嵐です。
父が亡くなった直後のことや葬儀までの出来事を少しお話したいと思います。

前日の夜、父はとても静かに寝ていました。
母は「パパも落ち着いてるし今日は早く帰っていいわよ」というので、翌日は出勤の予定だったこともあり、いつもより早い19時前に実家を出ました。その頃は、昼過ぎから気になっていた下顎呼吸も治っており、手足も暖かくて脈もきちんとふれていました。父には「明日は会社だから来れないけど、明後日は来るよ。待っててね。」と声を掛けました。

母が3:45にふと目を覚ました時に、横で寝ている父の息遣いがなく、脈もふれていなかったそうです。
看護師さんに電話をすると、すぐに来てくださり息を引き取っていることを確認。私に電話が来たのは4:30頃でした。
旦那さんと私が実家に着いたのは7時頃だったと思います。兄は明朝ベトナムへ渡航予定だったので、念のため喪服を持参しました。

父は和室の介護ベッドに静かに横たわっていました。あまりに穏やかな寝顔に生きているかのようでした。母が気づいた時、父はまだ充分に暖かかったそうですが、私たちが到着した頃はお腹の辺りに保冷剤を置いていたためか既に冷たくなっていました。

3人で葬儀について話しました。もし兄の渡航前に葬儀ができるようならお願いしたいね、ということになりました。
両親は、近くの祭場の互助会に入っていて葬儀費用の積立をしています。なんと24時間対応だそうです。さすが!と変なところに関心する旦那さんと私。
早速問い合わせてみると、やはり葬儀の詳細を把握しているのは担当者ということで折返しご連絡をいただくことになりました。電話に対応してくれた方からは、ドライアイスが必要かを聞かれました。なるほど、それで24時間対応なのね。。。
折返し電話はすぐに鳴りました。事情を話すと、祭場は空いていると言います。ところが火葬場はいっぱい。
通常、火葬日が決まって、告別式と通夜の日程をセッティングするのだそうです。今回のような先に通夜を決める逆パターンは、長く葬儀業界にいるけど2度目です、とのこと。なんとか通夜までは漕ぎ着けられそうなので、すぐに兄一家に喪服を持ってくるようにLINE!

10時に医師と看護師さんが来て、死亡診断書を書いてもらったり、父の身体の清拭をしてもらうという儀式を予定しています。
祭場の方はその前に段取ってしまいましょう!というわけですぐに来てくれ、早速葬儀の打ち合わせが始まりました。
ある程度母と話していたこともありどんどん決めてあっという間に打ち合わせは終了。その頃には兄一家も到着し、最後は全員で本日の流れをお聞きしたのでした。

驚いたのは、無宗教で家族葬だと何でもありなのです。戒名は付けないことと、お坊さんは呼ばないことは事前に決めていました。そうすると必然的に無宗教ということになり、お作法関係なしの自由スタイルになりました(笑)

あっという間に葬儀の打ち合わせも終わり、その頃には看護師さんが見えて清拭の準備を始めていました。父を担当してくださった看護師さんは、明るくて元気でパワフルな方なので、母と私も毎日お会いするのが楽しみでした。会えなくなっちゃうのかー、という感じ。

先生も見えて、若手の医師が心音と瞳孔を確認の上、宣告されました。10:35でした。
「大変お疲れ様でした!」と一同深々とお辞儀。

・・・なーんか不思議。未明には逝ってましたが。っていうか、葬儀まで決めちゃってるし。そーいうものなんですね。

医師が「急性期の病院からご自宅に戻られる道中で何かあればすぐに引き返してください、と言われるほど移動自体も負担が大きいと言われていたのに、本当にここまでよく頑張られました。個人的に胸が熱くなったのは、ケアした内容を記すノートに奥様の名前が1番多くあったことです。痰の吸引など慣れない作業をよくなさってたんだな、と思います。息子さんの帰国も間に合ってお父様は本当に幸せだったと思いますよ。」と言ってくださいました。一同ジーン…
あれっ…ムスメが登場しないじゃないかッ!
ま、いいか。痰の吸引を指名制にした時は、オヤジはムスメを指名してたしな、、、ニヤリ😏

医師は、鼠蹊部のカテーテルと導尿バルーンを抜く作業を行いました。胃瘻は病院で交換するタイプの物らしく、在宅では取れないのでそのままガーゼをあてて対応します、とのこと。

それから、看護師さんにフォローいただきながら家族全員で父の清拭を行いました。寝巻きからお洋服に着替え、髪も整えて見違えるようになりました。
こうして、亡くなった当日に通夜を決行!という異例のパターンで13時半には父は納棺のために自宅を出発しました。あっという間でした。

長くカテーテルが入っていることや、導尿バルーンの交換時期など、いわゆる感染症トラブルのようなものもとても心配しました。日々のケアをしっかりやっていただいたこともあり、大きなトラブルもないまま、老衰という形で逝けたのは本当に奇跡だな、と思います。
これも一重に、父に携わってくださった全ての方たちのお陰です。改めて深く感謝を申し上げます。

まさにone team☆

〈ありし日の在宅介護現場〉
購入したばかりの自撮り棒をお試しする3人娘↓
充実した日々でした!

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?