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「活断層」が無ければ地震は起きない?

こんにちは。うつ病休職エンジニアの三十郎です。

我がふるさと北海道で、「核のゴミ」処分場の調査を始めることに対し、もの申したいと思います。

現在、「放射性廃棄物最終処分場」は、世界に存在しません。唯一、フィンランドのオルキルオト島で建設が進んでいる状態です。既に完成しているがごとく報道されていますが、未完成です。まだ安全な状態に達していません。最終的にどう管理するのか議論の途上です。

この場所が選ばれたのは、既に2基の原発が存在するからです。原発は安全な場所を選定し設置したので、最終処分場を設置する場所は、理屈上そこしか無いからです。ここで、既に矛盾が出ています。世界中の原発は、安全な場所を選定し設置しているのだから、世界の最終処分場も同じ場所で良いはずです。

でも最終処分場の計画が進んでいるのは、オルキルオト島1カ所のみです。何故でしょうか? 世界は知っています。フクシマの悲劇を。一度漏れた放射性物質は、除去することが困難だと。そして、今ある原発の場所は安全と言い切れないと。

1.パリで聞いた「フクシマ!」のシュプレヒコール

私はフランス出張中、パリで反原発団体のデモを目撃しました。フランスは世界一の原発推進国。8割近い電力が原子力発電です。そこで「フ」から始まる言葉を、ひたすら連呼する団体に出会いました。「Fuck」系のヤジかと思ったら、「フクシマ!」でした。その一言を、延々と叫んでいるのです。

何と、日本の地名が反原発のシンボルとなっていました。「ヒロシマ」、「ナガサキ」と同レベルです。ちなみに、世界中の多くの人が、未だに広島、長崎は人が住めない荒野だと信じています。「チェルノブイリ」と同じだと。嬉しくない日本の地名が、また一つ広まりました。

2.フクシマの汚染水は、under control?

東京オリンピックが決まったとき、当時の安倍総理は、海外プレスの質問に対しフクシマの汚染は「under control」と言い切りました。きっとUSO 800の認証を取得済みなのでしょう。凍土壁をこさえて、地下水の流出を完全に止める話の結論は、どうなったのでしょうか? どこぞの大統領も、国境に壁を作ると言ってましたが、うやむやになりました。ジャーナリストはしっかり最後まで検証して欲しいです。

福島第一原子力発電所の地下には、多量の地下水が流れており、全てを海水に放出させないことは、神業です。できもしないことを、堂々と言える肝の太さに感服いたします。なので、福島第一の地下の地盤は固くなく、最終処分場には不適格です。何故、そんな地盤に原発をこさえる気になったのか、全く理解できません。日本では活断層さえ走っていなければ適地と判断するようですが、それについても、ちょっと待って下さい。

3.そもそも「活断層」ってなあに?

大陸が動いていることは、皆さんご存じですよね。地球の表面:地殻は10枚のプレートで構成されており、地殻の下にあるマントルの対流に乗って、ゆっくり動いています。その影響でプレート上にある大陸も動くのです。

プレートは、中心部が厚く、周辺部は薄い傾向にあります。それでは日本列島の周りのプレートを見てみましょう。

日本のプレート

何と、10枚あるプレートの4枚が集中しています。それも端っこの部分が。なので、日本列島の地殻はもろい傾向にあります。しかも、プレート同士は動き圧力を掛け合います。

北米プレートとユーラシアプレートは押し合って盛り上がり、糸魚川構造体を作っています。

フィリピン海プレートは北米プレ-ととユーラシアプレートの下に潜り混もうとしています。その結果、南海トラフができています。

太平洋プレートは北米プレートとフィリピン海プレートの下に潜り混もうとしています。こちらの方が力は強く、日本海溝や伊豆・小笠原海溝を作り出しました。

日本列島の乗っているプレートは、常に押され続けているため、プレートにゆがみが生じています。ゆがんだ地殻がそのエネルギーに耐えられなくなると、地殻が動いて、ゆがみのエネルギーを発散します。それが、プレート内を震源とした地震です。

ゆがみが発散された際、地殻にずれが生じます。それが断層です。過去に起きた地震でできたプレート内の傷跡です。日本の近辺で2000近く見つかっています。見つかっていない物も未だたくさんあります。プレートのゆがみは、同じ場所に集中しやすく、断層も集中します。その断層が集中している部分をまとめて「活断層」と呼びます。現在、114の活断層が認定されています。

4.活断層が無ければ地震は起きないのか?

そんなことはありません。2016年に起きた「熊本地震」の断層を見てみましょう。

2016熊本地震

熊本市の近くに活断層はありませんでした。布田川断層帯はありましたが、活断層認定されてないため図示されていません。2016年の地震で新たに青い断層ができました。今、この地域の断層をまとめて一つの「活断層」に認定しようとの動きがあります。

このように、新しい断層も、地震により形成されます。地震学者は、「布田川断層帯」の延長線上なので、別に新しくないと後付けの理論を振りかざします。しかし、この地域の2つの断層が発散したエネルギーが、新たな地殻の歪みをもたらし、熊本地震発生につながったのかも知れないのです。

熊本が地震頻発地域なら、加藤清正もこの地に城下を建設することを避けたでしょう。このように、日本列島において、いつ、どこに、新たな断層ができるのか予測不能なのです。

考えてもみて下さい。「東海地震」、「東南海地震」、「首都直下地震」が再来すると騒いでいた地震学者達は、日本史上最大の「東日本大震災」を予測できなかったのです。今の地震学では、地震の予測など不可能なのです。だから、何十年以内に何パーセントのような、曖昧な予測しか立てられないのです。そして、それすら、信頼できるか怪しいのです。

5.原発はトイレの無いマンション

今、一生懸命に「放射性廃棄物」を保存できる場所の候補地を探そうとしていますが、1万年以上も安全に、日本列島で保管するのは狂気の沙汰です。地球上の0.2%の国土に、地球上の20%の地震が発生するエリアなのですよ。

原発を作ってしまえば、うんこが溜まります。でも、世界中、トイレを作る場所探しで四苦八苦しているのです。ロシアですら広大なシベリアを抱えているにも関わらず、「放射性廃棄物」の保管場所を決められません。

原発は安全だ、発電コストが安い、地球環境に優しい。うんこをため込んで、捨てる場所探しで四苦八苦している現状で、良くそんな無責任なことが言えたものです。

原子力は夢のエネルギー。でも、うんこをする。トイレは未だ無い。いい加減にしてもらいたいです。

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