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「2人3脚」経営を考える

こんにちは。うつ病休職エンジニアの三十郎です。

世に言うカリスマ経営者は、色々といますが、今回は2人だからこそ起業できた例を取り上げてみたいと思います。

1.日本の誇り:SONY

エレキの天才:井深大と経営の天才:盛田昭夫が、互いに不足しているところを補い、「MADE IN JAPAN」を世界に広めた功績が素晴らしいです。

「真面目ナル技術者ノ技能ヲ最高度ニ発揮セシムベキ 自由豁達ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設」井深の思いを旗印に東京通信工業株式会社を設立。世界に先駆けトランジスタラジオの量産化に成功。この2人でウォークマン、CD時代までのヒット商品を展開してゆきます。井深とその教え子が作った物を盛田が売るスタイルです。

SONYの社名は盛田が最初から世界展開を視野に入れて決めました。音響機器を念頭に、「sound」、「sonic」からSOを決め、シンプル、かつ、インパクトがあり、世界中で受け入れられる名前を決めました。松下電器や東芝のモルモットと揶揄されるほど、SONYのヒット商品を他の電機メーカーがまねしますが、後出しなのに性能で勝ることはできませんでした。それほど技術力に差がありました。電子立国日本の先頭に立って牽引したと言っても過言では無いでしょう。

ちなみに盛田は愛知県最王手の酒造メーカーの御曹司。幼少の頃から経営会議に引きずり出され帝王学を身につけました。しかし、世襲を嫌い、井深と組み起業。世界的大企業にまで育て上げました。

2.マイクロソフト

ビル・ゲイツの会社のイメージが強いですが、ポール・アレンと共に起業しました。

実はビルは技術屋としては2流です。しかし、ビジネスのセンスは超1流。IBMが初めて開発したPCのDOSの開発を勝ち取りますが、初期のものは欠陥品。PCオタクのティム・パターソンが造ったDOSの評判に屈します。しかし、何とビルはわずか数百万円で彼のDOSの権利を買い取り、大成功を収めます。そして、ウインドウズまでの成功の道のりを作ります。自分でできなきゃ他から買い取れば良い。価値観の分からないオタクを相手に商売上手です。

また、オフィスで一人1台PCが普及する未来を読み取り、マイクロソフト・オフィスを、インターネットの普及を予測し、インターネット・エクスプローラを開発。巧みな戦略でライバルを蹴落とし、トップ企業にのし上がります。技術屋ではなく戦略家としてのセンスが、彼を大富豪にしました。

一方のポール・アレンは、マイクロソフト設立の8年後、1983年、病により会社を去ります。2018年に65才で逝去。もし、彼の技術力がなかったら、ビルの今の成功も無かったことでしょう。

3.アップル

ここも、スティーブ・ジョブズの会社のイメージが強いですが、スティーブ・ウォズニアック、ロナルド・ウェインの3人で起業しています。

特に、スティーブ・ウォズニアックは、Apple IおよびApple IIをほぼ独力で開発し、「ウォズの魔法使い」と呼ばれていました。ジョブズの野心とウォズニアックの技術。アップルは2人のスティーブの会社と呼ばれていました。しかし、アップルが急成長するにつれ、2人の居場所がなくなります。1985年、共にアップルを去ります。

その後アップルは、冬の時代へと向かい、身売り寸前まで追い詰められます。

しかし、1997年のジョブズ復帰後、アップルは蘇ります。不死鳥ジョブズ伝説の始まりです。その後は皆さんご存じの通り、アップルは巨大企業へと飛躍します。しかし、2011年にジョブズは56才で逝去。アップルの勢いは、やや鈍化します。

一方のウォズニアックは、アップルに対する愛着は戻らず「ジョブズの死後はSONYの二の舞になる」と予言しました。

4.Google

ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、2人の天才の出会いが、この巨大企業を作りました。起業は1998年。興味本位で始めた事業が、あれよあれよという間に世界の検索エンジンスタンダードに。

2人は、これで金儲けをする気は無かったようです。さっさと会社を売り飛ばそうとするも上手くいかず、その間にライバルが出現し、広告を組み込んだ金儲けを始めます。自分たちの特許が侵害されたと怒った2人が、裁判を起こします。裁判は和解で終わりましたが、金儲けの道具にされたお礼を、金儲けで返すことを決断。経営に強いエリック・シュミットを迎え入れ、2004年に株式公開。快進撃が始まります。

しかし、金儲けが本来の目的では無かった2人の情熱は次第に冷め、2019年、共に退任しました。

5.その他の例

有名どころでは、インテル(ロバート・ノイス&ゴードン・ムーア)、ヒューレット・パッカード(ウィリアム・ヒューレット&デビッド・パッカード)、ツイッター(エヴァン・ウィリアムズ&ビズ・ストーン、他)、インスタグラム(ケヴィン・シストロム&マイク・クリーガー)が知られています。

1人のカリスマ経営者が引っ張る起業も強いですが、2人のベスト・パートナーが組んだ企業は、それにも勝る化学反応を引き出します。GAFAMのうち、3社が2人での起業です。ただし、2人の天才が出会い、意気投合する確率は、決して高くはないのでしょう。でも、それが実現したとき、世界を変える力となるのです。






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