【固定観念】左足ブレーキはダメ?
こんにちは。うつ病休職エンジニアの三十郎です。
エンジニアを名乗っていますが、車の安全に関するエンジニアをしていました。写真の汚い足は、私の足です。私は両足でペダル操作します。
何故かって? 将来、脳が衰えたときに、ペダルの踏み間違えで、コンビニとかに突っ込まないためです。体に、右:アクセル、左:ブレーキと覚えさせるのが目的で、かれこれ2年以上続けています。
1.何故、右足でアクセルとブレーキを操作?
自動車学校で習ったからでしょう。そもそも車にはAT(オートマチック・トランスミッション)とMT(マニュアル・トランスミッション)の2種類のトランスミッション(変速機)がありました。MTは変速機を切り替えるのにクラッチペダル操作を左足で行う必要がありました。それも頻繁にです。なので、割と暇な右足にアクセルペダルとブレーキペダル両方の操作を任せていました。
今では、日本でMTに乗っている人は、「走り屋」などのマニアックな人限定で、99%の車がATです。AT全盛の現代でも、MTの名残があるのです。
ちなみにATの普及率は、アメリカ:90%、ヨーロッパ:25%、中国:34%です。何故、日本でこれだけ普及しているかというと、信号や一時停止が多い、渋滞が多い道路事情が主な理由です。クラッチ操作が頻繁すぎて鬱陶しいのです。それと、比較的国民が金持ちだからです(ATの方が車の値段が高いですが、値差は縮まっています)。
それじゃあ、ヨーロッパは信号や一時停止が少ないのかというと、郊外では少ないです(市内では変わらない)。交差点の代わりにラウンドアバウト(ロータリー)がよく使われているので、停止せずに突っ込んでゆくことも可能です(停止しないと行けない場合もあります)。変速機を切り替える回数が少ないこと、値段が安い、比較的燃費が良い(昨今では、この優位性は薄れてます)が主な理由です。
アメリカは、ヨーロッパより広いのでMT優位なはずですが、国民性が面倒くさがり屋が多いのとケチくさくないのでしょう。AT優位です。
中国をはじめとした途上国の新車は安さ重視でMTが多いです。しかし、中古市場でたくさんの日本車が流通していますので、ATもかなりの数があると思われます。
日本の車、特にトヨタは「なんで壊れないのか不思議だ?」と現地の人は感嘆します。だから、テロリストから圧倒的な支持を得るのです。「男が命を預けられる車」として、荷台に機関銃を積んだ日本車が多いのです。嫌な宣伝ですが、途上国における日本車の信頼性は、アメ車や欧州車とは比べものになりません。この過剰品質、コストダウンで削らない方がよいですよ。何百万ドル以上もの宣伝効果に匹敵します。
2.左足ブレーキは違法?
全く違法では、ありません。道路交通法にも自動車の保安基準にも、そんなことは書かれていません。ただし、車両のマニュアル(読んでいない人の方が多そうですが)では、右足でアクセルペダルとブレーキペダルを操作するよう指示しています。何故なら、右足で踏むことを前提に人間工学的に設計されているからです。
だから左足でのブレーキは踏みにくいです。私の場合は、ペダルのアクセサリーパーツを買ってきて、ブレーキペダルを大きくし。左足でも踏みやすいように改造しています。
また、長距離運転をしないので、左足ペダルで体に無理がかかることはありません。信号機で長時間待たされるときは、シフトレバーをPに入れ、左足をフットレストに乗せ休ませています。ブレーキペダルをフットレスト代わりにすると、走行中にブレーキを少し踏んだ状態になりやすいので、ブレーキランプが点灯し、後続車の迷惑となることもあるので気をつけて下さい。
左足ブレーキに慣れるまで「危険では?」と思われるでしょうが、強く踏みすぎてカックン・ブレーキになるので前方車との追突は起きにくいでしょう。むしろ後続車に注意すべきです。でも、2、3回も運転すれば、運動神経の鈍い私にもマスターできました。何せ左足は、MTで半クラ、坂道発進など難しい操作をできるのです。自動車学校で習いませんでしたか?
右手と左手の器用さには大きな差がありますが、右足と左足の器用さには、さほど差がありません。足が不自由で無い限り「私、もっぱら右足で歩くんですよ」という人を聞いたことがありません。
3.左足ブレーキの利点
一番感じているの利点は「安心感」です。ペダル踏み替えのタイムロスがない分、余裕を持ってブレーキを踏めます。慣れるとアクセルとブレーキを切れ目無く加減速に使えるようになります。私は乗ったことが無いですが日産ノートeパワーのワンペダル加減速に近いかも知れません。
もちろん。アクセルペダルとブレーキペダル踏み間違い防止で始めたことなので、年老いたときに、そのメリットを実感できるかも知れません。
ところで、F1マシンのペダル操作が、右足アクセル、左足ブレーキが主流だと知っていました? カートマシンは、ほとんどがこのタイプです。遊園地でゴーカートに乗った人なら分かるでしょう。加減速の絶妙な調整が競技において有利なのでしょう。
余り推奨しませんが、あおり運転の、お仕置きもできます。アクセルとブレーキを同時に踏み込むのです。車には急ブレーキがかかりますが、加速力もため込まれるため、ブレーキペダルを離すと全速力で逃げることができます。後ろの車は慌てて急ブレーキをかけます。「ぶつかる!」と思った瞬間、すでに全速力で逃げられているので追いかけることができません。高速でやってはいけませんよ。逃げ込める路地裏が必要です。
4.何故、左足でもブレーキを踏める車が無いのか?
これは、この業界が保守的だからだと思います。いわゆる「固定観念」から逃れられないのです。保守的で革新が少ないからこそ、先端技術の取り入れが苦手な日本メーカーでも、生き残れる数少ない産業だったのかも知れません。どちらの足でも踏み込めるブレーキペダルなら、ちょっとした設計変更で実現可能にもかかわらず。
それこそ「やっちゃえ」できるメーカーがいないのが、残念です。欧州もクラッチの無い、なんちゃってMT(DCT)が普及してきているので、良いタイミングだと思うのですが。
衝突防止機能が付いた車も普及し出しましたが、後方発進にまで対応した車は少ないです。ペダルの踏み間違い事故は減るでしょうが、完全に無くすのは、まだ先かも知れません。
5.F1の技術を市販車にも
そう思って参戦しているメーカーも当然存在しています。しかし、余り上手に学んでいないようです。完全自動運転が普及するには、膨大な時間と技術蓄積が必要ですが、両足ブレーキペダルなら、たいした技術も必要ありません。
私は休職中の身分なので、特許出願できませんが(もう、ここに書いちゃったから「先行文献あり」で出願できなくなりました)、高齢化社会に備えて車両の操作方法を変えても何ら問題ありません。現にクラシックカーと今の車では操作方法は異なります。
「固定観念」の罠から抜け出すのは簡単では無いようです。
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