見出し画像

孤独と孤独が隣合って座った所で、孤独でなくなるわけではないという事はもう分かっているのだけど、声に諦観の色が濃く滲んでいる人と言葉を交わすのは、やっぱり少しだけ安心する。思考の温度感が近いというだけで、ずっと素直な言葉を口にできるような気がするから。

仕方がなかった。
どうしようもなかった。
「諦めないで」と励まされる度に「諦めさせたのは?」と一生誰かに問うてきたし、神様なんて人間なんて、これっぽっちも信じたくないのに、誰かに赦されたいとずっと願ってきた。

根を張った絶望と希死念慮。自己嫌悪に劣等。
あの頃の八つ裂き状態だった自分を、自画像でも良いから描き遺しておくんだった。
風化するにつれて痛みから救われ、痛みが無かったことになるのなら。

光には届かなくていい。
助けられたかった頃は過ぎた。
生憎、ご存命だし、
今では「死にたかった頃」とも言える。
それでも、
火傷を負った事を懐かしく思える程、僕は楽観的には生きていけそうにない。この爛れは、勲章でも個性でも何でもない。焼印と同じ、身勝手に押し付けられた呪いだ。
そしてたとえ息がしやすくなった所で、生きたくなった訳では決してない。死のうと考える事にさえ、膨大なエネルギーが消費されると知ってから、何時しかそれすらも億劫になってしまった。そんなふうに、当たり前の様に大人になっていくのが少しだけ怖い。皆は怖くないのだろうか。
僕ははやく安心したい、ほんとうに、ずっと。

昨今、死に急ぐ事すら拙くなりつつあるので、次そんな機会があるなら、必ず確実に終わらせて。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

527,736件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?