狩猟犬に俺はなる
「父さんのわからずや!犬種がなによ!闘犬や猟犬だってアイドルやってる時代よ!?」
「うちは熊狩りも行うアイヌ犬だぞ!チワワとの子供に熊が追えるか!」
「……お義父さん、どうしても認めてもらえませんか」
つぶらな瞳を輝かせながら、『チワワコボルト』の青年は『北海道犬コボルト』の男の頭を見上げる
「……私だってね、犬種差別をしたいわけじゃない。だが『適性』というものはあるんだよ」
「チワワはこれでも勇敢な犬種と自負しています」
「だが肉体が適っていない。それは蛮勇とか無謀と呼ぶもので狩に不向き――いや、つぶらな瞳でみつめるのをやめなさい。ぷるぷる震えるんじゃない。視覚で訴えかけてくるんじゃありません」
「じゃあ、僕が狩猟犬コボルトとして認められたら、その子にも猟犬としての適性があると、彼女との結婚を許してくれますか!?」
【続く】
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