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涙が止められない時もある


私は普段あまり泣かない方だと思います

それは子供の頃からお姉ちゃんだから…
お姉さんなのにとか言われて育った環境もあるのかもしれませんが

同じタイミングで年子の弟はすぐに声を上げて涙を流して泣くので
まぁ、パッと見そっちに気持ちが動きますよね

タイミングを逸したというか…
泣けなくなってしまうんです

子供の頃で人前で泣いてしまったのは小学生の頃
学校帰りに理由は忘れましたがいじめられて
何もした覚えもないのにそれほど親しくない同級生の男の子数人に砂や小石をかけられて囃し立てられ

その子供達が帰ったあと
何でそんな目に遭うことになったのか分からず
悔しくて…悲しくて…
その場に立ち尽くして泣いていたと思います

そこに見知らぬ女性が砂を払いながら声を掛けてくれて
少しずつ我に帰り
『大丈夫?』の言葉に黙って頭を下げて帰宅したと思います
あの時は子供ながらに人前で泣いていた恥ずかしさと知らない人に気遣ってもらった嬉しさで
どう表現して良いのか分からず帰宅したのでした

その後も卒業やらいろんな出会いや別れもありました
普通は涙すると言われる自身の結婚式でさえ
10代だった事もあってか泣くと言うより
嬉しくて終始ニコニコと笑ってしまい気持ちが上がっていたのは覚えています

それから8年後27歳の時に建築関係の仕事をしていた父が仕事中事故で急死します
当時私には幼稚園の年中さんの長男と3歳の長女そしてまだ1歳に満たない次男がいました
実家の母に事故の一報が入って
取り乱した母から私に電話があり、すぐに子供を連れて車で20分ほどの実家へ向かいました
普段何度も通う道のりがその時は長く感じ
運転している手の震えが止まらずとても怖かったのを覚えています
実家に着いてから母に詳しく話を聞くも 取り乱した母からは断片的な情報しかわからず
とにかくわかった事は、父はほぼ即死だった事と、弟や妹にもまだ連絡が行っていない事や
午後から警察に確認と遺体引き取りなどに誰か出向かなければいけないとの事で
家族、親族への連絡やらご近所への連絡
葬儀の準備、父の会社の人とのやりとりと…
正直経験したことの無い事ばかりで泣いている暇もなく慌ただしく過ごしていました

警察から帰って自宅で布団に寝かされた父を見て
頭部からの落下事故の為額に大きな傷のついたその父の姿に 現実なんだ… と思い知らされて
小さく「お父さん…」と呼ぶとやっと涙が出て 出て そしてなかなか止まらなかった

それ以外に何か声を掛けるなんて事もなく
ただ目の前の現実を受け入れるので父の顔を見つめているのが精一杯だった
私をそんな状態から引き戻したのが子供達で
『おかあさん、おじいちゃんねてるの?』
『おかあさんないてる…』
私の泣き顔をおそらく見た事がなかった息子が私の顔を覗き込む…
そんな様子の息子の声で我に帰り
『おじいちゃんおわかれしなくちゃいけないのよ』
難しい事を言っても理解出来ないであろう息子にそんなふうに話しかけたと思います

葬儀が終わり実家の片付けなどに1ヶ月ほど
子供を幼稚園に預けては実家に通い、幼稚園のお迎えの時間には自宅に戻るという生活をして
やっと生活が落ち着いて来た頃に夜になると自然と色々考えてしまい涙が止まらず
どうしてもっと言葉で気持ちを伝えていなかったのかと毎日自分を責めていました
後悔ばかりが日々募って泣いてばかりいました

それでも子育てにまだまだ忙しい時期で時間が少しずつ癒やしてくれて
涙を流して泣く事も少なくなっていきました

その後主人の両親を見送り
友達の助けを借りて調停離婚が成立して晴れて独身に戻り仕事に追われる様に過ごしていました

そんな時ふとしたことから娘から子供の頃のある出来事からずっと苦しみ娘の現在の人間関係がある事を告白されました
親としての自分があまりにも未熟で至らなかった事を後悔する事になり
家に戻れば私の表情などで何かを察知できる年の息子がいる為に車であてもなく人気の無い場所に行き、答えが見つからずしばらく車の中でただ泣いていました
何日もそんな日が続き、時が経つのを待ちました

そんな私も今では普通に何事も無く過ごしている様に見えるのではないでしょうか?

音楽や映画などに感情移入して泣くのは泣いたあとに少しスッキリした感覚がありますが

感情コントロール出来ない涙はあまり経験したくないですね

でも、それがあって今の自分が少し強く、人に優しくあれたら良いと願っています


読んでいただきましてありがとうございました🙇‍♂️

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