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終演の日々 2022/08/26

何も出来ない日々。
何か始めてみようとしてもやり切れずに消耗する日々。
それは無味の夢。
口にしても味がしないから、ただ夢だけみて吐き出すの。
それを流してまた時間を消耗した。

中々眠りにつきたくない。
明日が怖いんだろう
夢が、覚めてしまうから。
まだ何か出来るかもなのに、一日を終えるのが怖くて。
泣きたくなる。のが夜の余白。
余白を埋める夢がないから、夜はその余白に入り浸り苦しみ眠りに落ちた。

明日また起きる。目が覚める。
希望を見る、もうそこに向かえないと思ってても。
夢を見てしまう。楽しかった日々が走馬灯のように脳に駆け巡るから。
酷いよ、酷いよ。そうやって希望だけ見せてしまうんだろ。そう呟き続けた。闇に向かって。
花を抱えて、その花が枯れてしまったという事実を受け入れられないのが私なんだろう。

いつも同じ場所に戻ってくる。
暖かくて、冷たくて、底の知れない不思議な、…
灯篭のように、ゆらゆら光る柔らかな光。
その光は、ゆっくり、そしていつの間にか遠くに居て。
道を照らす。
それは、誰かの行く末を照らす灯り。
私?あなた?…誰だろう?
でも、透き通る…見えない未来が、行く末が。
あの灯篭には見えているのかな。

爪先で歩くアスファルトの上。
蝉の声がどこか静けさに染まっていて、涼しい。夏だ。
涼しい、透過された夏。
歩く速度を、あげて…。
アスファルトを蹴りあげて、人のいない道を走り抜けた。
楽しい、と心から思ったのは久しぶりかもしれない。なんて思った。
涼しい夏が、風が、空が、一つ一つ私を潜り抜けてその一瞬に「走れ」と背中を押すように。
…そんな世界にまた希望を見出した。
ああ、希望に満ち溢れた世界で自分は。
また、不安を抱いた。

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