蚕の白は何処から // 24521四行小説

 白い姿が桑葉を食む。蚕はどれだけ緑を食べようとも、姿は絵の具を乗せたような真白のままだった。人間は少し蜜柑を食べただけで手が黄色くなるというのに。
 美味しそうに食べている姿を見れば、美味しいのだろうかと気になるもの。味を聞けば口は止めないままに微かに頷いた。
 ならばとまだ口を付けていない葉をちぎり、口に入れれば草のような柏のような緑の味が広がった。美味しいとは、言いがたかった。
 このまま食べ続ければ僕は一体緑になるのか、それとも白になるのだろうか。

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