彼岸花 //210925四行小説

 彼岸花の赤だけが異様に鮮やかに視界に映る。家へと続く舗装されていない道は、無数の彼岸花で彩られていた。別名を幽霊花や毒花と言うらしく、おどろおどろしいがこの時期には似合いの名前だ。
 玄関に一輪飾るのも季節感があって風流では無かろうか。花を手折ろうと茎に指を掛けると、自らの手が透けていることに気付く。

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