信州ってどんなチームなんだっけ?
どうもこんにちは、B.Bです。
今オフtwitterを見ていると、信州というチームに対する関心度が高まっている気がします。
それはやはりオフに獲得した前田、岡田、熊谷の若手三銃士のおかげなのでしょう。彼らの獲得をきっかけに、他ブースターの方々が今シーズンは信州もみようかな、となっている方が多いようです。
今回はそんな『今シーズンから信州を見てみよう!』という方に向けた記事になっています。
・信州のバスケとは
主にB2時代から振り返っていきます
・2021-22ロスター紹介
の二本立てでいこうと思います。
2017-18 season
現在の信州を語る上で重要な転機が2つあります。まず1つ目が2016-17シーズンです。それは...
アンソニー・マクヘンリー加入
言わずと知れたbj時代の琉球を支え続けたレジェンドです。08-09シーズンから琉球で日本でのキャリアをスタートさせ、琉球の優勝に大きく貢献しました。そんな勝者のメンタリティを持ったマックの加入は、前シーズン勝率23.3%と苦しんだ信州にとって、プレーとメンタルの両面にとってカンフル剤となりました。
2016-17 2017-18
勝率 23.3% ⏩ 41.7%
失点 80.0p ⏩ 70.5p
DRtg 99.1 ⏩ 90.7
DFのスタッツが大きく改善されており、現在も続くDFを重視したスタイルが生まれようとしています。このシーズンのDFの向上による成績アップがあったから、信州のフロントはあの人をHCに迎えようと思ったのかな。
2018-19 season
全ての始まりとなったシーズン。
勝久マイケルがHC就任
当時宇都宮ブレックスのACだったマイケルが信州のHCに就任します。その経緯についてはバスケットカウントで詳しい記事がありますので、そちらを読んでください。
信州はマイケルにHCだけでなく、GMの権限も与えチームの全てを任せます。そこでマイケルが選んだのが、マーシャル、石川、大崎、栗原、佐藤といったメンバーたちでした。そして、マイケルは就任1年目で大仕事をやってのけます。
48勝12敗(w%:80.0%) 中地区1位
B2優勝
いきなり信州をB2最強チームへと変貌させました。チームの財政上の問題でB1昇格とはなりませんでしたが、チームにとって大きな自信となりました。
そして翌シーズンもB2全体1位タイの成績を残し、悲願のB1昇格を果たします。
【マイケルのバスケとは】
勝久マイケルHCについて知ること=今の信州ブレイブウォリアーズを知ることであると私は考えています。そこで、ここからはマイケルのバスケ観について私なりに整理していきます。
マイケルのバスケを語るうえでのキーワードは『DF・3P・モダンバスケ』です。
【DF】
マイケルはDFを第一に考えるコーチです。信州のDFの特徴は、個人の力に頼らずチーム全体でシステマチックに守るところにあります。そのスタイルの実行のため、マイケルは選手たちに高い理解力と継続的な遂行力を求めます。そして、プレータイムはDFで信頼される選手できなければ多く与えられません。
マイケルの加入以降のチームスタッツを比較してみると、DF関連のスタッツが年々向上していることがわかります。
2017-18 2018-19 2019-20
失点 70.5p ⏩ 69.7p ⏩ 63.1p
Pace 77.1 ⏩ 76.9 ⏩ 75.8
DRtg 90.7 ⏩ 89.5 ⏩ 83.3
信州がB2でぶっちぎりの成績を残せた最大の要因はこのDFにありました。そのスタイルは一切ブレることなく、昨シーズンもB1初年度ながら平均失点でリーグ2位の好成績を残しました。
【3P】
3Pは信州のOFにおけるキーワードです。マイケルはインサイドが重視されるBリーグにおいてより現代的なバスケットを展開し、3Pを多く活用します。
3Pは2Pよりも(ちゃんと決められる力があれば)効率性に優れており、モダンバスケでは3Pの重要性が年々増しています。3Pを最大限活用するのがモダンバスケの常識です。
Bリーグ全体ではまだそれほどその常識が浸透していませんが、マイケルは世界の流れを取り入れたOFを構築します。
2017-18 2018-19 2019-20
2PA 38.5本 ⏩ 37.2本 ⏩ 31.9本
3PA 25.1本 ⏩ 28.2本 ⏩ 31.0本
得点 70.4p ⏩ 80.1p ⏩ 79.2p
DFのイメージの強いマイケルですが、マイケルの加入で1番信州が変わった部分は実はOFでした。
2019-20シーズンには全FGA中の2Pと3Pのアテンプトがほぼ同数になっています。これだけ多くの3PをうつチームはBリーグでは珍しいでしょう。ちなみに、2020-21シーズンでは2PAと3PAの数がついに逆転します。
このスタイルは選手にも変化を及ぼします。その代表がマーシャルです。かつてはインサイドがプレーが強力な旧型なビックマンでした。そんなマーシャルの信州加入以降のスタッツをみると
17-18(金) 18-19(信) 19-20(信)
FG% 54.7% 59.4% 55.1%
3PA 0.1本 3.1本 3.2本 3P% 16.7% 36.1% 30.9%
見事に3Pを武器に加え、現代型ビックマンへと変化しています。一見FG%は大きく変わっていないように見えますが、3PAが増えているので全てのFGを総合したeFG%は大きく向上しているはずです(データはめんどくさくて調べていない)。マーシャルは信州でより効率的な選手へ進化しました。
そして、信州のOFは3Pを生かすため、チーム全体でボールムーブし、よりよいシュートチャンスを作っていきます。ここでもDFと同じく、チーム戦術への高い理解力と継続的な遂行力が求められていますね。
【マイケルが理想とするバスケとはなんなのか?】
私は初めてマイケルが指揮する信州を初めて見た時にあるチームを想起しました。
それは、NBAのサンアントニオ・スパーズです。
より詳しくいうと、2011~2014くらいの時期のスパーズです。スパーズはNBAの常勝軍団と呼ばれ、5回の優勝、22年連続プレーオフ進出などの輝かしい歴史を持つチームです。
そんなスパーズの特徴は徹底したチームプレー。全ての選手がチーム戦術を理解し実行し、個人のエゴは出さず、チームプレーに徹します。伝統的にスパーズにはこのような文化があるのですが、それが極まったのが2013-14シーズン。NBA優勝を果たしたこの年のチームは近年最も美しいバスケットを展開し、名将グレッグ・ポポヴィッチのマスターピース(最高傑作)と呼ばれました。この時のスパーズを知らない方は是非一度見て見ることをお勧めします。バスケットボールにおける一つの『正解』を見ることができます。
このチームこそマイケルが理想としているチームなのではないでしょうか。
①チーム全体で守るDF ②流麗なパスワークと効果的な3P ③ハードワークとアンセルフィッシュの精神が浸透した文化
マイケルがチームに求める要素がスパーズには多く揃っています。GMでもあるマイケルは当然、上記のようなプレーのできる選手を好みます。
今シーズン加入した熊谷、前田はわかりやすく3つの要素を満たしています。岡田はDF力には疑問がありますが、チームDFを理解し、参加できるのであれば問題ないということでしょう。
HCとGMが同一であることもあり、理想とするバスケを読み解くことで選手の獲得にも明確な方針があることがわかります。
片貝社長もマイケルHCについて『コーチポップのように長く続けてもらいたい』という趣旨の発言をされています。信州がマイケルHCと長期的な関係を築き、強固なチーム文化を作っていこうとしていることがわかります。
【終わり】
はい、というわけで信州のバスケについて私なりにまとめてみました。少しでも新規ブースターさん達が、信州を知るうえで手助けになれば幸いです。
今のBリーグブースターは割と選手に対すファンが多い気がします。それはそれで素晴らしいのですが、せっかくなら戦術的なところも知っていくと、よりバスケ観戦が面白くなると思います。
次回は2021-22シーズンのロスター紹介の記事を書きたいと思います。開幕までに間に合うといいな...
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