彼に貸したお金が「高い勉強代」になるまでの話⑮「ヒーローなのか、悪役なのか」
[まえがき]
今回、実際に弁護士相談をした話を記載しています。
恥ずかしながら、私は今でも、法律には疎いところがあります。
類似のケースで実際に悩まれている方は、
この記事で記載した回答内容を参考にせず、
直接でも電話でも専門家に相談しに行ってください。
記事の内容にもあるように「お互いのいのち、身の安全」が第一です。
悩まれている方の、安心材料のひとつとなれますように。
2件目の面接日が決まり、少しずつだが、心にゆとりがでてきた。
だが、日々の中で彼を思い出す時間はまだ多く、
その度に、嫉妬、怒りの感情に飲まれてしまう。
自分なりに、この感情の原因を深く思考する。
私の中で、第一優先してほしいことは「毎月決まった額の返済」だ。
それが難しいのであれば、遅れる報告が欲しい。
当たり前で、簡単そうな事が、彼に求めても叶わないことだった。
常々最悪なケースを考えていた。
彼が、LINEまでブロック・削除して、逃げてしまうことだ。
ここまで激しい言葉のやりあいをしながらも、彼側からそのような選択をとらなかったことには疑問が残るが、どんな意図があったとしても、いかようにも考えられてしまう脳みそを持っているので、あえて思考するのはやめた。
その中で、「まだやり残している事がある」ということに気付く。
弁護士に相談することだった。
お金を貸した頃から、いずれはこうなる可能性もあるとはわかっていたが、
情が絡むと、なかなかその選択はできないでいた。
私なりに、心を鬼にした。弁護士から直接、有益な情報を聞き出そう。
どうしてもやりたくなかったこと、自分でも初めての経験だが、仕方ない。
あと、2つほど対応策はあったが、リスキーなのでなるべく避けたかった。
私は、正規のルートで、できる限り、彼に向き合ってもらおうと、決めた。
お金が絡むと、最悪、刑事事件に発展しかねない。
貸した側が、ヒーローから悪者に変わる。
借りた側が、感謝から恨みに変わる。
貸したから「偉い」、借りたのは「悪い」、
相手は「自分を好きだから」、融通が利く、
これらの不平等性がお互いにある限り、
情が絡んでしまった彼との交渉は「私らしさ」は通用しない。
前にも記載したが、彼の住所は特定できていないため、
少額訴訟すら起こせないのはわかっていた。
それに、今だからこそ言えるが、
そんな訴訟を起こせるほどの費用は当時の自分にはなかった。
そんな状態でも、できることはあったのだ。
手元にあるのは、
・不備だらけの電子借用書
・彼の電話番号
・メールアドレス
・LINEのつながり
のみだ。
私は法律事務所に電話をかける。
私は彼とのこれまでを全て、弁護士に話した。
話したうえで、以下のポイントを確認した。
① 彼がとっている行動は詐欺罪にあたるのか
② 不備だらけだが、電子借用書の有効性
③ 督促のしかた
④ エゴサしたことはストーカーにあたるのか
⑤ 督促をする上で、自分が気をつけること
先ほども記載したように、
お互いの立場が逆転し、重大なトラブルに発展してしまうこともあり得るのだ。
相手の動向だけでなく、相手に対し自分がどういった言動・行動をしたかを中立な立場でジャッジしてもらう必要性があった。
情緒不安定ながらも、自分の権利を必要以上に振りかざすようなことは、もうしてはならないと考えていた。
私が相談した弁護士の回答は簡潔にまとめると、以下の通り。
① 彼がとっている行動は詐欺罪にあたるのか
➡返す意思を示していること、
1回目の返済が始まっていることから、
詐欺罪は成立しない。
② 不備だらけだが、電子借用書の有効性
➡条文記載ありの電子借用書であれば、有効。
更に、既に1回目の返済があるということであれば、
その日から5年間は電子債権ができる。
③ 督促のしかた
➡2人の関係性を考慮し、督促文(テンプレートあり)を
使用し、返済がなかった日には督促する。
応答してもらえないのであれば、
電話、メールと、連絡を入れていく。
④ 私がしたこと(福岡へ行く/ネットでエゴサ)は
ストーカー行為にあたるのか
➡当たらない。
⑤ 督促をする上で、自分が気をつけること
➡相手の状況が、本当であれば事件性に発展する
可能性もあるため、まずは身の安全を第一に。
危険だと思ったら、手を引くことも念頭にいれておく。
感情的にならずに、淡々と督促文を送ること。
だいたい、このような回答だった。
「男に騙されてお金を貸し、返してもらえない女。」
「警察にも、弁護士にも相手にされないパターン」
悲しいことだが、わりとよくある話だ。元カノもきっとそうだっただろう。
今回も、それに当たるのかもしれない。
しかし、ここまで来てしまったのなら、自分が納得するまでやるしかない。
何もやらないで「高い勉強代」という周囲の言葉を無理やり自分に落とし込むより、自分の中に落とせるようになるまで、自分が心の底から「高い勉強代」だったと思えるまで、とにかく行動し情報を集める。
その結果、弁護士相談は私にとって、大きな収穫だった。
ただ、情報を得ただけでなく、
「弁護士に確認済である」という証跡を圧力として彼に示せるからだ。
元カノの投稿の中で「警察も弁護士も取り合ってくれない」と言っていたことを、彼も知っている。
私がLINEのブロック、削除までしたことを、彼は想像していなかった。
彼の脇の甘さに私も気付いていた。
いきなり、彼に弁護士に相談した、と赤裸々に話すのはNGだ。
「私らしさ」を排除した、督促文のみを下書きメモに作成する。
月末、もし振り込みがなかったら、これを送る。
ここまでして、どっと疲れが襲った。
彼の言葉はまだ消化しきれず、心に残っている。
気分が沈んだままの状態で、2件目の面接に行く。
⑯に続きます。
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