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学園祭でコーヒー屋を丸々デザインした話

はじめに

みなさん、こんにちは。ぱうろです。
この記事はmast Advent Calendar 20233日目の記事です。
2日目はしょあさんの記事『高校でプログラミングを教えたよ!って話』でした。まだ読んでない方は、是非。

入学、そしてそれから

突然ですが、mastには2種類の人種が存在していまして、プログラミングが得意な計算機のプロと、それ以外です。

自分は入学時点で特別何ができた訳でもなく、プログラミング?好きな言語?あ〜お兄さんが来て教えてくれたスクラッチっすね!みたいな感じでした。察しの通り、何もできませんでした。(泣)入学時に持っていたものといえば、夢と希望と根拠のない全能感だけでしたね。

そんな自分でしたが、周りの多彩な人間!など環境のおかげで、デザインするのって楽しいなあ〜と、どんどんAdobeの沼に吸い込まれていきました。
(余談ですが、Black FridayでAdobeのコンプリートプランが安いです。12/4まで!)

そんなこんなで今年度は、所属していたコーヒーサークルにて、代表・総務局長・財務局長・広報局長とあるうち、広報局長を務める事になりました。いやはや、いやはや。只がサークルの一役職にすぎないし、代々、『やりたいようにやればいいよ〜』とは言われているのですが、そう言われたからには、引き受けた責任もあるし頑張ってやり遂げるぞ! といった覚悟を持ってスタートしました。

サークルの広報局長として

普段はサークル内部向けに、告知用ポスターやその他庶務を運営の一環として、こなすだけです。

ですが、年に1度、弊サークルには対外的に張り切ってコーヒーを淹れる『晴れ舞台』があります。それが雙峰祭です。

しかも、弊サークルは24年前から学園祭に出店している事に加え、前年度は投票で雙峰祭の企画No.1を決める、雙峰祭グランプリにて優秀賞を受賞しており、今年度は、より一層サークルとして期待の高まる年となりました。

私、広報局長には主に、ポスターやメニュー表・パンフレットの制作、店舗装飾、SNSなどの広報宣伝が任されています。

今年度の学園祭企画の軸として、『お客さんにもっとコーヒーのことを知ってほしい。その一歩目として、本格的なコーヒーを誰でも気軽に飲める。そんな場所にできたら。』そう自分の中に思い進めていく事にしました。

デザインしていくぞ

まず、弊サークルでは毎回スローガンとテーマカラーを決めていました。

例として、2022年度はこんな感じ。「その一瞬をじんわりと」カラーはロイヤルブルーでした。

2022年度珈琲・俺ポスター(私が作りました✌️)


今年はというものの、自分個人の考えとして、スローガンとカラーを決め、そこから各々発想を広げていくと、発想がブレてしまい、全体としてまとまらなくなってしまう、という懸念がありました。そのため、今年度は「企画のイメージ」を最初に募集し、どのような店舗を作り上げたいか、といった部分を全体で考えて決めてから、その次のスローガンとカラーに移りました。

その結果、投票の末、『香りひらく雫を、あなたに。』カラーはワインレッドに決まりました。

ここからは私の制作力や局全体を動かす長としてのマネジメント力が試されるフェイズになりますが、制作を進める上で決めておきたいものはなんだと思いますか?

自分はビジュアル・アイデンティティ(VI)を定めておくことだと思っています。人間の五感による知覚の割合は、視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1%といわれています。VIは、この視覚にあたります。VIを整え、視覚的に統一された世界観の中で制作を進めていくことが、何よりも重要になります。また、定めておくことで制作する際に、デザインで迷う要素が格段に少なくなるため、スピード&クオリティアップ⤴️に繋がります。オススメ!

具体的に言うと?もうあるロゴの他に?

そうです、フォントです。本当に。

雰囲気も加味しつつ、好きなフォントを選んだ

秋色シックなワインレッドに合わせて、フォントを考えました。一応セリフ体とサンセリフ体、どちらも用意しつつ、基本は広報宣伝的な側面から離れていても見やすい、真ん中のサンセリフ体を用いていく事になります。

また、弊サークルは、本年度、本格仕様の1号店に加え、コーヒーが苦手な方にもコーヒーの世界を覗いてもらう、そしてコーヒーの可能性を知ってもらえるよう、2号店という形でアレンジレシピを展開する企画の準備もしていました。その為、ポップでより親しみやすそうな書体選びもしてみました。

色についても、web媒体を公開していくにあたって端末(iPhone、Android、PCなど)による色味の違いや、印刷時にはどのような感じかなどを確認しつつ、最終的にはサブカラーも含めHEX値(ワインレッド#901040, 深緑#004646, 山吹色#e9a929)で定めました。

VIは概ね定まって、いよいよコンテンツを生やしていく事になりますが、いかんせん、コーヒーショップの店舗装飾、広報をやった経験がありません。コーヒー好きではあるため、どんなものを作ったらいいのか、右も左も分からないとまではいきませんが、それでもアイディア不足でした。

夏休み。アイディア、充電していくよ!

唐突な575見出しすみません。一句読みたくなってしまいました。

コーヒーのサブスクに加入

LIGHT UP COFFEEさんのサブスクに加入してみました。めちゃくちゃ良い。毎月3種類届くのですが、それぞれパッケージにデザインを合わせたコーヒーカードがついてきて、細かい情報が書いてあります。自分では普段選ばないような産地の豆に巡り合うことができ、コーヒーの世界を広げるのには、最適です!価格もかなりお手頃な方だと思います。

LIGHT UP COFFEEのサブスク

他にも、POST COFFEE さんを試したり、サブスクではありませんが、サザコーヒーさん、生豆本舗さん、雨の日の珈琲さん、豆ぽっとさん、珈琲問屋さんなど、沢山のコーヒーを買わせていただきました。

SCAJ2023に行った

東京ビッグサイトにて行われた、世界中の豆が、新製品が、器具が、業界人が集まるコーヒーの一大イベントです。一般の学生としての参加でもめちゃくちゃ楽しめるのでおすすめです。注意点は会場内、無限にコーヒーが出てくるので、ぶっ倒れないように各自水分補給する必要があるとこです。来年も行きたい!

入場ゲートの看板

カフェ巡りなど

最近各社力を入れているコンビニのコーヒーを一通り飲んでみたり、スーパーの商品を端から端まで眺めたり、百均で使えそうなものやアイディアを探ったり、下北沢や柏に行った際に、その先々でコーヒーショップに寄ってみたりしました。
また、東京ミッドタウン・デザインハブに開催されていたグラフィックデザイン展にも行きました。色々あってとても良かったのですが、ちょうどコーヒーっぽいものもあったので1枚だけ紹介します。

日本のグラフィックデザイン2023
https://milkbrew.co.jp/

ブレンド大会

夏休みにはサークル内で、各自オリジナルブレンドを持ち寄り、一番美味しいブレンドを決める『BLEND CHAMPIONSHIP』がありました。開発に2ヶ月ほど要した私のブレンドが見事に優勝し、それが後々『も花も香ブレンド』と名付けられ、本年度のメニューの一部となりました!開発秘話も覚えているうち、書いておきたいですね。

審査シート

いよいよ雙峰祭直前

今年度の雙峰祭テーマが『開花』であったこともあり、フローラルなイラストやウィリアムモリスのテキスタイルなども考えてみました。うまく自分のデザインに落とし込めず、断念。残念。これは自分の力不足を痛感しましたね。

店舗装飾

開花とワインレッドに合わせ、深紅の薔薇(の造花)を各テーブルに置き、普段は白く殺風景な教室を彩りました。また、カラーに合わせた三角札で座席利用状況のステータス管理をしつつ、装飾も兼ねています。コースターには特注のロゴスタンプを押しました。これは半分自己満でした。満足できたので良かったです。また、注文待機列で暇にならないように、そして注文前と注文後のお客さんが混ざらぬよう、コーヒー器具や書籍を置いた展示スペースを用意しました。

実際の写真はTwitter X で #かふぇおれかふぇ と調べてもらえると分かりやすいかもしれません。

制作物

後日撮った、作ったものの写真をあげておきます。

作ったものの写真

今年度の工夫した点としては、読み方が分からない人が多発した弊サの名前『珈琲・俺』にルビを振り、ロゴにもカタカナを付け加えるマイナーアプデをしました。また、日本語面・英語面と分けず、片面で日英対応したメニュー表を作り、裏返す必要がないようにしました。
3つ折りパンフレットの内容にもこだわりました。一通り読むと、コーヒーの起源から始まり、文化としての発展、そして弊サークルのこだわり、メニューのコーヒーがどのようなものかわかるようになっています。
そして、何よりも労力を要したのが、各メニュー毎に用意された計9種のコーヒーカードです。コーヒーカード自体は新しいコーヒーショップなどでちょくちょく見かけます。しかし、それはコーヒーを飲み慣れている人向けの表現、情報であるため、コーヒーマニア以外には分かりにくく、学園祭には相応しくありません。そこで、サークル会員一同で各メニューをテイスティングし、フレーバーをわかりやすく例えたり、5段階評価してもらい、統計結果を表に可視化したり。

Averageをとって、スケールして、わかりやすく丸めた結果のシート

実は味の系統に合わせ、色を使い分けられています。例えば、珈琲・俺ブレンドを飲んでみて、好きだと思った人はブラジルブルボンも口に合うと思います。
印刷裁断等にもかなり時間がかかり、結局完成が当日の朝5時くらいになってしまった気がします。

計9種のコーヒーカード

その他看板やSNS用のものは適宜作っていました。

いざ、当日。

弊サークルには、当日の朝8時に記念写真を撮る習慣があります。遅れると当然写ることができない為、これが遅刻防止に一役かっています。一旦帰宅し、身なりを整え、テーマカラーのネクタイを締め、いざ当日です。

幸い、午前中は暇(?)であったため、コーヒーを飲んだり、足りないものを作ったりしました。一応メンバーとして登録してあった友人の企画に顔を出したりなども。

5番目のお客さんとして限定珈琲を楽しんだ図

広報物に関して、当日は大変な問題などは発生せず無事に終えることができました。

終えてみて

のべ1000人ほどのお客さんにコーヒーを飲んでいただくことができ、サークル会員一同大喜びでした。また、雙峰祭グランプリでは2年連続となる優秀賞をいただくことができました。嬉しい限りです。本当にありがとうございます。

一夏(秋も?)をコーヒーにささげた感想ですが、やり切った…!!とは思います。たった2日間の出店ですが準備にかなり手間をかけました。学生だからこそ実現できるといった感じですね。おかげで犠牲?になったものも、色々あるかもしれません。(学業?)しかし、やり残し・後悔等なく終われたという点では本当に良かったです。

この企画に来てくださった方々のコーヒーライフが、少しでも豊かになったことを願いつつ、締めたいと思います。

長文でしたが、ここまで読んでくださりありがとうございました!
mast Advent Calendar 20233日目でした!


追記:準備当日を通して、同期のメンバーをはじめ、先輩後輩には色々とご迷惑をおかけしました!かなり自分のわがままも聞いてもらったというか無理やり推し進めたまである?部分があるかと思います。許してくださり、手の届かなかった部分(目の行き届かなかった部分も)をカバーしてくださり、本当に助かりました。また制作に魂を吸われ、広報局長としてのマネジメントをいまいち上手くできなかったのですが、慮って積極的に動いてくれた周りのみんなにもbig感謝です。
その他にも、学業や生活面の心配をかけてくれた方々、など多くの方の支えあって終えることが出来ました。この場を借りて感謝申し上げます。

ありがとうございました!!!!



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