見出し画像

J3第8節 松本山雅FC🆚ギラヴァンツ北九州 マッチプレビュー 『頂に向けて一歩一歩』 〜ここからが本当の勝負〜

◇ここまでの振り返り

前節ホームで昨年の9月26日以来となる勝利をしかも昨年の10月3日以来の今季初のクリーンシートでもぎ取った。序盤7試合を5勝1分1敗の勝ち点16で首位に立った。ただし山雅にとって1年でのJ2復帰は至上命題。これをスタンダードにしていかなければならない。ここで浮かれている暇はない。ここまでの試合を振り返ると決して安定した試合運びができているわけではない。勝利した試合を見てみると、讃岐戦は苦しみながらも終盤に逆転。YS横浜戦は押し込まれながらも逃げ切り成功。相模原戦は前半の終盤押し込まれるも反撃を1点で抑え、後半を良さを発揮し勝利。岐阜戦は決して良くはなかったがセットプレーから2得点。前節沼津戦は試合中に何度も修正し辛勝。わかっていたことではあるが簡単な試合は1つもない。首位に立った今。むしろ“ここからが本当の勝負”だ。

◇北九州の概要

今節の対戦相手北九州は山雅と同じ降格組。ここまでは得点力不足に泣き12位。しかし、戦力的にはJ3トップクラスで特に攻撃陣はたいへん豪華なメンツとなっている。注目は10番を背負う高澤。ここまでは3ゴールとなっているが個の力が高く、自分の力で決定機を作りだしており、必ず1試合に1回は決定機が訪れている。この選手は昨シーズン新潟でプレーしていたとき、アルウィンで得点を挙げており、残留を目指していた山雅にとって痛い引き分けとなる同点ゴールを許した形となった。2019年ルーキーイヤーでJ3で17得点と実力者であることには間違いない。今回はこの男を確実に封じ込めたい。

◇予想スタメン

画像1

画像2

連戦を考慮して両者共に多少いじってくる可能性はある。山雅は前節接触のあった小松に代えて榎本を先発に予想。オーバーワークの横山をリザーブに置く可能性もある。前節途中出場の吉田、米原、村越などが起用される可能性もある。北九州はここまで基本的にメンバーを大きくはいじらず戦ってきた。前節はコロナ陽性者の影響もあってか多少の変更はあったが今節も大きな変更はなさそうだ。

◇試合展望

恐らく北九州がボールを持つ展開になると予想している。ここで大事になるのが『北九州にボールを持たれる』ではなく『北九州にボールを持たせる』という形にすること。宮崎戦のように重心が後ろになってボールを保持され続ける展開は避けたい。

北九州はボールを保持するスタイルを志向している。ボール支配率とパス数は共にリーグ2位となっている。(ちなみに山雅はボール支配率リーグ最下位。そんなに低い!?という感じ笑)ただし、攻撃回数はリーグワースト2位。天野監督のコメントに『良い守備のための良い攻撃を』という言葉があるように攻撃に重きをおいたスタイルを志向しているが、ここまでは自陣でのミスが目立ち“北九州の本来の形”がなかなか出ておらず、高澤らの個の力に頼るシーンも目立つ。そんな中でも高澤、前河、佐藤、藤川ら実力派攻撃陣は一人でも打開できる力を持っている。

北九州は4-4-1-1気味の4-4-2を採用しているがかなり流動的でビルドアップ時はボランチが1枚落ちて3-1-4-2のような形になったり、前河が落ちてきて4-2-3-1のような形。サイドバックの一方が高い位置をとるケースもある。高澤が落ちてきてポストとなり先頭に人を置かないような形になるときもある。

個人的には名波監督は相手の可変を潰す“可変潰し”を得意にしているように感じる。昨シーズンホームで北九州と対戦した際は後半、3-4-1-2でサリーダしてくる針谷に対してトップ下の河合(現山形)がついて“可変を機能させず”逆転劇を演出した。今回山雅側の出方として相模原戦のように相手のシステム逆手にとった形で行くか、岐阜戦のように相手のシステムに準じてミラーにするのか。相手も流動的に形を変えてくるのでなんとも言えないが、どちらにせよ前から潰していく守備を行っていきたい。

下の2枚の画像はどちらとも失点に繋がる原因となる場面だ。1枚目はセンターバックからサイドバックをとばしてサイドハーフに向けたパス。このとき佐藤(ボール保持者)は前に運ぶ、もしくは前河に刺す。さらに針谷が後ろを指さしているように後ろに戻すという選択肢もあったが迷った末針谷にパス。そこで奪われた得点を許した。2枚目は相手ツートップが針谷にパスを出させるようにうまく誘導しそこを奪われ、PKに繋がった。その他のシーンを見ても、7番の佐藤は前への推進力がある選手だが自陣で持ったとき、迷って持ちすぎてしまう傾向がある。逆サイドの藤川や中山、池髙も同じだが前への推進力があるサイドハーフにできるだけ高い位置をとらせたくない。そしてポイントは針谷。この選手は間違いなく北九州の中心。技術もたいへん高い。そのためボールが集まる。山雅としてはそこを消してサイドに誘導するのか。それともそこを消しつつ、誘導して奪うのか。しっかりと形を決めたほうがいいのだが4バックの相手に対して山雅が3バックを採用したとき、相手サイドバックにボールが渡ったときに簡単にサイドを破られる場面もあり、どのようなシステムでどのように圧力をかけていくのか。ここをハッキリさせたい。


画像4

画像5


そして下の2枚の画像。対戦相手が3バックのとき、相手の前線5枚とディフェンスラインの4人で5対4の状況が生まれる。逆サイドのケアが甘いことがあり、繋がれてからの逆サイドへの展開。後方からのフィード。サイドチェンジと様々な形から相手の逆サイドの選手を余らせる状況が起きている。サイドハーフの戻りが遅いということもある。山雅としては幅を使った攻撃で崩したいというのはある。対戦相手が4バックのときでも逆サイドが空くシーンが目立つのでそこは狙い所だ。


画像5

画像6


山雅の守備面の課題は変わらない。センターバック脇を使われて引っ張り出されファーが空くようなことがある。ここは名波監督が何度も口にしているようにブラインドサイドのケアと選手感の距離。チャレンジ&カバーの部分。そして自陣での自滅。前を選ぶことが可能なのに迷って後ろでこねくり回して弱いバックパスや自陣での雑なダイレクトパスで奪われるシーン。これを減らさない限り昇格はない。セーフティーというところは第一に考えていきたい。このような形から結局クロスから失点というのがここまでの失点のほとんど。前を意識した守備で今節も失点ゼロでいきたい。

相手は流動的に形を変えてくるチームで多少混乱もあるかもしれないがピッチ内でコミュニケーションをとり、細かく修正していくことが大切になる。首位であろうが挑戦者として挑み続けることは変わらない。三連戦の2試合目。力のあるチームだがホームでしっかりと勝って首位を堅持していきたい。J2昇格に向けて、頂に向けて。一歩一歩進んでいこう。引き分けはいらない。昇格するために必要なのはスリーポイントだけ。絶対勝ち点3。ここからが本当の勝負だ!Onesoul!!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?