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2020麋角解(さわしかのつのおつる)新しい年のために一隅を照らす

いつもの年末と違い、コロナ禍で大変だった今年。

新しい年が世界中の人々にとって希望にあふれる年になりますようにと願いながら、今わたしにできる事をしています。

船のでんきやの年末恒例「タル電池」作り!!

それって何!?と思う方がほとんどでしょうから説明すると・・・

漁師は沖で網を仕掛けた場所に目印としてプラスチック製の丸いブイをつけておくのですが、昔は樽(たる)に竹竿をさしたものだったそうです。

今でもそのブイのことを昔の名残で「タル」と呼び、その竿の先に夜でも目立つように取り付けたのが、「タル電池!!」なんです。

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最近では、閃光型のLEDなどに変わってきてほとんど使われていないのですが・・・

この漁師町では、正月は除夜の鐘が終わってから裃(かみしも)に提灯という出で立ちでのお宮参りからはじまり、それが終わると係留している自分の船の前で大漁祈願航海安全を祈ります。

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その提灯の中に入れて蝋燭代わりに使っているのがこの「タル電池」。

蝋燭(ろうそく)と違って消える心配が無く、歩くと仄かな光がフワリフワリと。。。

それはそれは風情がありますよ!!

いたってシンプルな造りなんですが、、、

乾電池を使わなくなったリアカーや自転車のゴムチューブを細く切って固定し、一個一個豆電球とリード線を半田付けしていきます。

なにせ縁起物。お参りの途中で半田がとれやしないかと、半田付けにもとても気を使います。

これだけ手間とひまをかけて800円で販売していて、今ではこの漁師町の正月参りには欠かせないものになっています。

 そんな縁起物の「タル電池」。中には「忘れとった!?」とギリギリになって買いに来るお客様もいるので、大晦日まで営業となる次第です(^_^;)

一隅を照らすことしかできない船のでんきや【3行短文】

来る年 の明る い未来 を信じ
今年も 変わらず 漁師 の町に 
欠かせな い素朴 な灯り をつくる

麋角解(さわしかのつのおつる)

鹿の角が落ちる頃。
「麋」は大鹿のことで、古い角を落として生え変わります。

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