実は…そして今

私には、3人の子供がいる。
長女、長男、次女の3人。
私は、妊娠しやすいらしい…
長女は、結婚初夜に出来てしまったし
長男は、少し時間がかかったけど周りが期待していた通りに男の子を産むことに成功した。

実は、長男が1歳過ぎた頃に妊娠が発覚。

過去2回の出産の経験からつわりが酷く動けないことが多く、まだ手のかかる2人の子供の育児で精一杯。

旦那は、性欲を我慢できない人。
男ってそんなものなのか…って思っておいた方がいいと考えていたけど…
相手の体調や気分よりも自分の欲を優先する人。

妊娠中もこれ以上妊娠しないからと言って、出産直前まで性交を求められていた。
お腹が張るからやめて欲しいと言っても通用しなかった。

長男が1歳過ぎた頃ってことは、生まれたら年子になる。とても、私の精神状態と旦那の非協力的な態度では産み育てるのはかなりキツイと判断。
また、帝王切開だったので年子の出産は、危険であるとも言われて中絶することになった。

その子が生まれていたら、末っ子はいなかったかも知れない。
その子がこの世に生をうけられなかったこと、今になって少し悔やんでる自分がいる。
せっかく生まれた命なのに…
命は、簡単に絶ってはいけない。
終わらせてはいけない。
生きたいのに生きられない人がたくさんいるのに、私は、自分の身体と2人の子供を守るために中絶を選んだ。
その時は、いっぱいいっぱいだったけど、今になってみれば、何とでもなったのかも…と思う。

ただ、自分の体を守れなかった時に幼い子供達と旦那の父子家庭になっていたかも知れないとすると選んだ道は正解だったのか?

タラレバの話になってしまうから、どっちが良かったかではなく、多分こうすべきだったものと思うことにしていた方がいいのかも…

私は、幻の3人目の子をなんとなく心の片隅に置いて20年やって来た。
生まれていたら今度成人式だったんだ。


その後、忘れた頃に出来た次女。
実は、望まない妊娠だった。
これを言ったら傷ついてしまうので、とても子供には言えないし言ってはいけない。

息子が幼稚園の頃に、私は、交通事故を起こしていた。
店から出た時に、隣の店の看板が向かってくる車を隠していた。
その日は、クリスマス直前でクリスマスのお菓子を入れる靴下を作りたくてあるお店で買い物し、出るところだった。

灯油を3本積んでいて車体が重かった。買い物も済ませ完璧なお昼過ぎ、
いつもはアクセルを思いっきり踏んで一気に出るところをそろりそろりと出た。

そこへ時速90kmで走行してきた車が運転席の後方に当たり、車は大破した。
幸い私は、むち打ちと打撲程度で済んだ。

あの時にいつも通りの運転をしていれば事故にはならなかった。と思う。
でも、運命だったのかもしれない。
末っ子に出会う運命。

相手は酒気帯びだったようで事故のあとに必要以上に煙草をふかし臭い消し、警察の指示にも従わずだった。
横道から出た私が悪いのだが、相手の態度が悪かったこともあり、過失の割合が最終的に変わった。


その事故の7ヶ月後にむち打ちが酷く、気持ち悪いし、頭痛、吐き気がして早く寝たかった。
忘れもしない7月7日の夜のこと
それを伝えたら、
「何もしなくていいから、マグロでいいよ」と旦那。
もう、どうでもよくなった。
本当にじっとして終わるのを待っていた。
でも、本当に動けない。そのまま寝てしまった。
避妊はしてくれなかった。

まさかの3人目の命が生まれた。

さすがに2度目の中絶なんて考えられなかった。
自分の体を守るために失くした命。
もう、それはやってはいけない。
何かあったら、そのときに考えればいいと思った。

旦那にどうしたい?って聞かれた。
迷わず産みたいと答えた。その時点で私は35歳だった。3回目の出産であるが高齢出産だ。
いろんな問題を抱えている中での出産。高血圧症になり、誘導入院になった。


入院し血圧が落ち着いた時に帝王切開。
小さな赤ちゃんが生まれた。2500g満たない箱入り娘


なんとなく、家庭内がぎくしゃくしているときにやって来た天使。
和ませてくれる存在になった。産んで良かったと思った。
でも、ことあるごとに「お前が産みたいって言ったからだろ」と言われる。
何だと思っているんだろう…

あの時に失くした命。
私達、いや、私を助けてくれた。  

命の尊さを感じずにいられない。

偶然は必然。はじめから仕組まれていたんだと思うと神様のいたずらとも言えるような出来事がいっぱいある。


いたずらもほどがある。


今の私、心配でしょうがないことがある。

大切な人の命。いつまで続くのか…


空を見上げるのが好きだった。でも、空を見上げるのが辛くなった。

星を見るのが好きだった。でも、星を見るのが辛くなった。

まだ、行かないで…

どこにも行かないで…

遠くに行かないで…

って、そんな思いが廻る。


私は、そんな思いも何も起きずに自分の子供とお別れした。

「ありがとう」ができたんだ。


今は、とてもそんな気にはなれない。ならない。

1日でも1分でも1秒でも長く生きて欲しい。
それだけを願う…

大切な命

改めて尊さを感じている。

もっと早くめぐり逢えればよかったのに…


私に会いに来てくれた命、全てを大切にしたい。





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