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【新人研修】重説の上手さでレベルがわかる

皆さん、こんにちは。
本日は不動産取引で重要となってくる、重要事項説明の説明について、新人研修用に解説いたします。

そもそも重要事項説明とは

重要事項説明とは、不動産の買主(借主)に対して『この不動産はこうゆう不動産です。十分理解したうえで購入(賃借)してください』という趣旨のもので、法律で義務付けられているものです。

※以降は買主様への重要事項説明を前提に記載させて頂きます。

重要事項説明は【宅地建物取引士】という国家資格を持った人しかできませんので、宅建業者の従業員誰もが出来るわけではありません。また、宅建資格を持っていなければ重要事項説明ができないので、売買担当者が宅建を保有していない場合には別の宅建士に重要事項説明を依頼する必要があります。

会社によっては、売買担当者の歩合をカットされる会社もあります。
重要事項説明の内容に誤りがあれば、宅建業者として仲介責任を問われる事もある、大変重要な説明です。

重要事項説明の上手・下手

さて、そんな重要事項説明(以下、重説)ですが、『上手い・下手』があります。宅建士=重説が上手いわけではありません。宅建士は試験に合格すれば誰でもなれるものですので、当然です。また、宅建士=全部理解しているという事でもありません。実務経験が無ければ分からない箇所も沢山あります。

私たちの業界では、重説が上手い人ほどスキルが高いと認識されます。というのも、内容をきちんと理解していないと、しっかりした重説ができないからです。

新人がやりがちなこと

新人の皆さんの多くがやりがちで、間違えて欲しくない理解は、『全部丁寧に読む=上手い』ではないということです。『お客様にしっかり理解してもらえる=上手い』なのです。また、専門用語や略語を多用するのも上手な重説とは言えません。

初めて重説を作成する時には、正直何がなんだかわからず、何度も上席に指摘され、何度も市役所に調査に行き、というのが新人の一般的なパターンです。仕方ありません、初めてなのですから。

しかし、悪なのは、わかる努力をせずそのままにしてしまうことです。あなたが理解してない事をお客様にどうやって説明するのでしょうか。わからない事をそのままにせず、役所で聞き、先輩に聞き、公的機関(相談窓口)で聞き、自分なりの解釈を持ったうえで、それが合っているかどうか上席に確認する。そこまでしないと、いつまで経ってもステップアップはできません。

まずはしっかり理解する癖をつけましょう。

説明方法

理解が出来たら、今度はお客様への説明方法です。

確かに、全部の文章をきちんと読む事も大切です。国交省や宅建協会、法律的にもそれを前提にしています。全部の項目を丁寧に読めば、間違いは生じにくいので、正しい部分はあります。しかし、それは実務的にはむしろマイナスに作用する事もあります。

重説をする側と、それを聞く側(お客様)では、同じ時間を過ごしても体感時間が異なります。読んでいるあなたは時間の経過を早く感じるでしょうが、お客様からすると『まだ続くの?』と感じます。そしてそうなると、お客様は退屈に思い、肝心な箇所も聞き逃すことになり、クレームやトラブルにつながります。

重説は、読んで字の如く『重要な事項を説明する』のです。私も、項目の割愛が全て正しいとは言いませんが、メリハリをつけた説明が必要だと思います。

登記簿記載内容を説明するにしても、売主様が誰か、どの不動産を売買するのか、今現在どんな権利がついているのか、等をわかりやすく説明すればよいのです。そして、専門用語や略語等をやめ、誰もが聞いて理解できる話し方で説明すればよいのです。相手が理解して無さそうな顔色なら、もう一度噛み砕いて説明したらよいのです。また、声色も抑揚をつけるようにして下さい。

書いてある事をただ読み上げるだけは誰でも可能です。『わかりやすく説明する』事にあなたのスキルが求められているのです。読み上げるしか方法がない項目もあるでしょうが、お客様からすると、一体どこが重要なのかはわかりません。その時、『ここは重要なので、しっかりご理解ください』『ここは資料から転記している内容で、今回のお取引内容からするとあまり重要ではありません』『この内容は建て替えの時にかなり重要になります』等、一言コメントを先に添えて説明を進めると良いでしょう。

重説は丁寧にすると軽く1時間以上はかかります。お客様は大金を支払って購入されるのですから、『わからない』箇所を可能な限り取り除き、スッキリした気持ちでご契約頂かなければなりません。不安要素を残したまま契約を締結するのは、仲介担当者の能力不足と言えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
まずあなたがしっかり重説内容を理解して、メリハリをつけた説明をすることが、上手な重説になります。

重説をした後にお客様から、『とても分かり易かったです』と言われるのは、仲介担当者としてこれほど喜ばしい事はございません。ぜひ、上手な重説を心がけてくださいね!

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