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104号室

窓を開けると懲りずに必ず入ってくる手足の長い虫、アパートの隣103号室から聞こえてくるもごもごした声、0:00を回ったらこちらに迫る罪悪感。今日もあたしの104号室は、1ヶ月前の今日と、食器の位置さえ変わらなかった。

馬鹿みたいな頭のおかしい生理に苛立って、皿洗いをしてやろうとおもったら、皿が真っ二つに割れた。母に皿が割れたんだ、と伝えたら、馬鹿みたいな頭のおかしい使い方をしたから、馬鹿みたいに頭のおかしい皿が割れたのよ、と、いってた。

104号室、端の端の端の端の端に、
割れた皿 inファミマのビニ袋、置いてから、2週間が経った。

読み途中の、ノルウェイの森。17歳とか18歳、20歳。わたしとは、そんなに歳は離れてないけど、わたしの何十倍も大人な世界に住んでる彼らを勝手に身近な存在にしている。わたしの104号室が、随分前は直子の部屋でした、という嘘の事実があることを妄想して、わたしはその、6畳の端の端の端の端の端の端に、ベッドを置いて寝ているんだぞ、と暗示して眠りにつく。

小腹でも空いたんで、チキンラーメンのくぼみに、アチアチの湯、じょぼじょぼ入れて、馬鹿みたいな頭のおかしい時間を、ずっとずっと繰り返していくうちに、104号室に愛着がわいて、キッチンにある小窓を開けて、そのまま小窓の方を向いて、朝に気づいた。

104号室、1DK。一人暮らしにしては、割と広いこの我が家で、わたしは妄想したり、苛立ったり、無になったり、そんなことして、1日〜1ヶ月を生きてました。そろそろ、スマホの画面がアツくなってきたから、ここらへんで終わりにしときます。スマホのお尻に、白い線をぶっ刺すことを忘れないようにだけ注意しましょう。

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