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ネイチャーフィールドⅩ~生命体観察マガジン(昆虫&植物&菌類)2020・10 その19

ネイチャーフィールドXも、朝晩は冷えて秋本番となってきました。
目にする昆虫類もかなり減少してきている中、活発に動く種もあります。

その代表が、上記写真のクビキリギスですね。褐色のクビキリギスですが、ちゃんとグリーン色の個体も存在しています(下記写真)。

電動草刈りマシンで、ネイチャーフィールドXの草原を刈り取っているので、彼らの生存環境を脅かしているわけですが、雑草や野草はしぶとく繁茂するのでクビキリギスなどのバッタ類が全滅することはありません。

ネイチャーフィールドX その19-1

実際、クビキリギスは雑食性なので草原が茂っていなくても、他の昆虫を食べて生きていけるので、何の心配もいりません。

ショウリョウバッタササキリなどに比べて、顎(あご)が発達していて噛む力が強く、硬い種子なども食べられます。口元が赤く染まっているため「血吸いバッタ」との異名を持ちますが、人間の血を吸うことはありませんから心配無用。

さらに、越冬することができ、2年近い長寿命のバッタであり、しかも、雌は単為生殖可能で自分のコピーを作り続けることができます。
もの凄い生存能力を持つ昆虫ですね・・・!

↓ こちらを睨んでいるのは褐色のハラビロカマキリです。

ネイチャーフィールドX その19-2

ニガウリの葉の上で他の昆虫を物色していました。

2020年10月現在、昆虫YouTuberで視聴率の高い「おーちゃん」さんと「ヘビフロッグ」さんは、このハラビロカマキリに寄生するハリガネムシの動画で盛り上がっていますね!

カマキリのお尻を水面につけると、数秒でニョキニョキと出てくるハリガネムシの動画は、子供たちにとっては「キモいけど面白い」んでしょう。

20.315も毎回、楽しんでいます。最初は「気持ちわるっ」と思っていましたが、慣れてくるとそんなんでもないですね。

ちなみに、私も緑色のハラビロカマキリ( ↓ 写真下)を捕まえて、雨水の入ったコップの中に、お尻を差し込んでみました。
が、残念ながらハリガネムシは出てきませんでした。

というのも、樹上にいることの多いハラビロカマキリですが、近くに川や池がないとハリガネムシに寄生されることはないようです。

ネイチャーフィールドXには川も池もないため、ハリガネムシが棲息する環境ではないのでしょう、おそらく。

ネイチャーフィールドX その19-3

本来、樹上で生活するハラビロカマキリですが、ハリガネムシが寄生すると、特殊な化学物質を出してカマキリの脳を侵し、水辺に誘導するという行動変容を起動させます。

こうして、ハリガネムシはカマキリのお尻から脱出して川(池)に流れていきます。

その後ハラビロカマキリは、弱って亡くなります。

そもそもハリガネムシに寄生された時点で、生殖能力を失うのですから、ハリガネムシの生育のために生きている、とも言えます。
宿主をコントロール下に置くハリガネムシ。
なんと恐ろしい寄生虫!

ネイチャーフィールドⅩ バッタ類5

↑ エンマコオロギの赤ちゃんです。2020年6月撮影。
約4カ月経過した10月には、こんなにブリッブリッに太った成虫に育っています ↓

ネイチャーフィールドX その18-1

エンマコウロギは雑食性で、植物から他の昆虫、小動物の死骸まで何でも食べる、ネイチャーフィールドXの掃除係みたいなもんです。エサが少ない環境下では、共食いさえします。

おそらく、ここには何千匹と棲息しています。至るところで鳴き声が聞こえてきます。

さて、秋は実りの秋です。

実りの秋なので、実のなる野草を紹介したいのですが、ネイチャーフィールドXのほとんどを伐採しているので、実がなっている野草は限られます。

↓ そんな中、小さなトマトのような実がなっているつる性植物を発見!

ネイチャーフィールドX その19-4

これは「ヒヨドリジョウゴ」の赤い実ですね。
ナス科ナス属に位置しているので、トマトの近縁種であることは事実です。

でも、毒(ソラニン)があるため食べられません!

実りの秋は、キノコ類が発生する秋でもあります。

ネイチャーフィールドXは堆肥にしようとしている枯れ木や枯れ竹が大量にありますので、この季節になると、菌類も大量に発生します。

↓ キクラゲですね。前日、雨が降っていたので、ちょうど柔らかそうな、おいしそうなキクラゲになっていました。

ネイチャーフィールドX その19-5

切り取って、ラーメンに入れたらおいしそうです!

って食べませんけどね。

それにしても、枯れ竹に生えるとはめずらしい。

↓ こちらはカワウソタケです。

ネイチャーフィールドX その19-6

パッと見、シイタケに似ていますがカチコチに硬く、とても食べられそうにありません。一年生のキノコで、硬化しているということはすでに死んでいるものと思われます。後は朽ちていくだけでしょう。

カワウソタケは色々と調べても「毒がある」との情報はありませんが「食べられる」との情報も見当たりません。単なるキノコ、ということですね。

秋も深まり、まもなく晩秋を迎えます。

↓ ネイチャーフィールドX付近の秋の夕暮れ。

ネイチャーフィールドX その19-7

目が覚めればいつも
変わらない景色の中にいて
大切なことさえ 見えなくなってしまうよ

夕焼け空を見ると、つい『やさしさで溢れるように』を口ずさむ20.315です。JUJUのヒットナンバーですが、私はFlowerのMVを思い出します。

といっても、何か思い入れがあるわけではありませんが。

草原を伐採しながら開墾し、生命体観察し、写真を撮影しているうちに、とっぷりと日が暮れていきます。

ネイチャーフィールドXは、四季の自然を肌で感じることができる最高の開拓地です。晩秋には晩秋の、冬には冬の自然観察ができます。
これからも、お楽しみに!

※写真は全て20.315が撮影。場所も全てネイチャーフィールドXです。
※ネイチャーフィールドX自体に川辺はありませんが、土手を挟んだ北側に川が流れています。距離は、かなりの高低差がりますが、おおよそ10メートルほど離れています。


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