ネイチャーフィールドⅩ~生命体観察マガジン(昆虫)2020・06 その7
生命体が大好きな、変人の20.315です。
上記写真に写っている物体、何の虫かわかりますか?
からだ全体がずんぐりしていてやや円柱型の、憎めないヤツです。
これは「キクイムシ」です。
体長3ミリほどの極小の甲虫、かわいいですね!卵~幼虫~蛹~成虫まで、成長の全プロセスを木材の中で過ごし、幼虫も成虫も材(ざい)を食べて生きています。
ネイチャーフィールドXには「やがて堆肥β」という木々の丸太や竹の小枝を堆積した場所に、木材が豊富にありますからキクイムシにとって、とても幸せな生活環境といえますね!
今回は、ネイチャーフィールドXに存在している甲虫スペシャルです。
甲虫類は、カブトムシやコガネムシなど、全身が甲殻つまり堅い殻で覆われている、子供たちに高い人気を誇る昆虫の代表です。
20.315もガキみたいなもんなので、甲虫は大好きですよ!
↑ キマワリです。木材の裏側や朽ちた材の中にはびこる定番の甲虫です。ゴミムシを大型にしたような体型ですが、脚が長いのが特徴。wikiにある記述が面白いですよ!
「都市近郊で昆虫採集を始めると真っ先に捕まえる虫のひとつである。」
その通りですね、それぐらいたくさん見つけられます。
キマワリは漢字で「木廻(きまわり)」と書きますが、その通り、木材、特に朽ちた木には必ず、と言っていいほどいます。
↓ そして、これがキマワリの幼体です。
ちょっとキモイですね。朽ちた木材をはがしたり、割ったりすると地面に幼虫がポトッと落ちたりします。その瞬間の写真です。
爬虫類やカエル、鳥類の食べ物「ミールワーム」とほぼ同じような幼虫です。おーちゃんが、ニホンカナヘビのタカハシさんによく食べさせていますが、あれがミールワーム=チャイロコメノゴミムシダマシの幼虫です。
↓ こちら、スイカを食べているのはゴミムシです。
しかし、このゴミムシが正確にどの種なのか、中々同定できません。
コホソナガゴミムシ、ヨリトモナガゴミムシ、キタヒメナガゴミムシ、カワチゴミムシ・・・どれも似ているものの胸部が丸っこくなっているゴミムシはそんなに多くないのですが、同定しようにも触覚、頭、胸、腹のそれぞれの比率が微妙に違っていて「これだ!」という決定打に欠けます。
もしかして、オサムシ類かな?とも思うのですが、体長が1センチぐらいなので、おそらくゴミムシの一種だと思います。
滋賀県立琵琶湖博物館が運営するサイト『日本産環境指標ゴミムシ類データベース 里山のゴミムシ』で200種ほど調べましたが、すみません、わかりませんでした。
どなたか、わかる方がいらっしゃればお知らせくださいませ。
↑ 体長約2センチのゴミムシ、オオスナハラゴミムシです。一見、大きな虫なのでオサムシかな?と思うのですが、これはゴミムシなんです。ほとんどのゴミムシはオサムシ科に属するので、オサムシとゴミムシは形態も生態も似ているんです。
見てください、翅(はね)の下に見え隠れしているお腹を。腹がはみ出して、ブリブリのデブになっています。ゴミムシ類は概ね雑食で、何でも食べます。ネイチャーフィールドXには、たんまりと餌があるので、食べ続けてここまでデブになったのでしょう。
といいいますか、成虫ですから後は交尾して子孫を残すのみの状態ですね。
↓ これはコメツキムシの一種、サビキコリです。
英語でコメツキムシのことをClick beetleといいます。マウスをクリックした時の音、小さくパチンと鳴りますが、コメツキムシが仰向けになると死んだふりをし、その後、体を瞬時に折り曲げパチンと飛び跳ねて、正常な体勢に戻ります。まさに、Click beetle!
このサビキコリもクリックします。手のひらに載せて握りしめると、手の中でパチン、パチンと跳ねるのを楽しむことができます。よくよく考えると、凄い身体機能です。
↓ こちらは、アカヒゲヒラタコメツキです。
サビキコリもこのアカヒゲヒラタコメツキも体長は約2センチ。
こうしたネイチャーフィールドXなど平野や低山地等で見るコメツキムシは、大体これぐらいの大きさです。
この外見を2~3倍にすると、タマムシ類の大きさになりますが、ネイチャーフィールドXでは、未だタマムシ類の昆虫は見つかっていません。
幼虫は土壌性で、野菜等の根などを食害するために害虫とされています。
Click beetleとして楽しく、かわいいんですが、少々残念ですね。
↑ こちらは、小さな甲虫、ハムシです。
残念ながら、ハムシ類も害虫の代表格です。
「ハムシ」で検索すると「ハムシ駆除」とか「ハムシ対策」などのサイトも検索結果として表示されます。栽培植物を荒らす害虫として、その対策方法のノウハウが、これでもかと紹介されてちゃっているんです。
20.315的にはコガネムシの縮小版昆虫として、好きなんですが・・・。
ハムシは日本で約780種が知られていますが、ここネイチャーフィールドXには、今のところ5~6種は確認できています。
上記はキバラルリクビボソハムシです。ツユクサを食べるハムシなんですが、ネイチャーフィールドXにはいたるところにツユクサ群落があるため、大発生しているハムシのひとつです。瑠璃色に輝いている、美しいキバラルリクビボソハムシです。
↓ こちらは、クロウリハムシですね。
クロウリハムシもよく見かけるハムシです。
このクロウリハムシも、太っている甲虫です。見かけるヤツの大半が、オオスナハラゴミムシと同様、腹がぼってりしていて、20.315が「デブ甲虫」と名付けている一群です。
クロウリハムシの透明感あるオレンジ色のぼってり腹は、そんなに美しいものではありません。むしろ、ちょっと気持ち悪いかも・・・。
その点、キバラルリクビボソハムシは光沢があってかわいい!
↑ 今回の甲虫スペシャルのエンディングは、通称「コクワ」で親しまれているコクワガタの幼虫です!
「やがて堆肥β」に堆積している朽ちた材を割ったら、出てきました!
コクワの幼虫は、他のクワガタやカブトムシ、コガネムシなどの幼虫に比べ、体の皺がたるんでいるのが特徴です。カブトムシ等の幼虫は、皺を確認できますが、たるんでおらず、比較的むっちりとした肉厚系の体です。
コクワとして、しっかり成長し羽化してほしいと思い、「やがて堆肥β」に戻して材を積みました。が、一旦、こうして外気に触れると、もしかしたらお亡くなりになってしまうかもしれません。ごめんね・・・。
甲虫スペシャルは、今後も続きます。まだ、成虫のクワガタやカブトムシを紹介してませんからね。
ネイチャーフィールドXに、こうした甲虫の代表が出現するでしょうか?
季節的には、夏~初秋が狙い目ですね。お楽しみに!
※写真は全て20.315が撮影。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?