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三尾・上賀茂神社(京都遊覧記)

 京都遊覧記の3回目。今回は、三尾と上賀茂神社を訪れた。その模様について記していく。

1.三尾〜高山寺と神護寺を巡る

 三尾は、京都で紅葉の名所として知られる高雄山(神護寺)、栂尾山(高山寺)、槙尾山(西明寺)を指す。今回、西明寺は訪れず、神護寺と高山寺を訪れた。
地図を見てもわかる通り、これらの寺院は隣接しあっている(今回訪れる上賀茂神社も画像右上に位置する)。また、京都の中心部からかなり遠い。そのため、車で向かうこととなった。

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まずは高山寺に向かう。京都も中心部から離れるにつれて、街並みが閑静な住宅街に移り変わってゆく。さらに山奥にいくにつれて、それはもうただの山道となってゆく。近くの駐車場に車を止め、高山寺の入り口へと進む。

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鬱蒼と茂る木々を尻目に、上へと進む。10分ほど歩いただろうか。金堂が見えてきた。

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(どうしてこんなに平行でない写真が撮れるのか…撮影技術…)
金堂を後にして、入り口方向へと下っていく。その際に立ち寄ったのが、石水院だ。ここでは日本最古の漫画とも言われている『鳥獣戯画』が保存されている。それ見たさに、訪れたのである。

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この地の魅力は『鳥獣戯画』だけではない。山地を背景に取り込んだ美しい風景は見る者の心を落ち着かせる。少しこの地で休憩してから、次の目的地へと向かう。
補足情報となるが、高山寺は鎌倉時代の僧・栄西が茶葉を持ち込み、日本で初めて栽培した地としても知られており、近辺ではお茶の栽培が盛んである。この地のお茶栂尾は、室町時代にたいへん重宝された。
世界遺産にも登録された伝統ある地高山寺から南に1kmほど下ると、神護寺に辿り着く。神護寺参道前の駐車場の方から、神護寺の参拝経路を教えていただき、それに従い進むこととした。まずは山道を20分ほど登る。高山寺より傾斜が急で、足に負担がかかる。

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なかなか負担のかかる山道だ。

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楼門にようやく辿り着き、下を見下ろす。高い所までやってきたのだなと感じる。楼門を抜けると毘沙門堂や五大堂が見えてくる。

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五大堂である。屋根の傾斜具合が、とても美しい。円覚寺舎利殿のようなカーブ(?)を描いている。

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こちらは大師堂。弘法大師空海がこの地に住んでいたといわれる。山中にある寺を訪れる度に思うが、なぜこんな山奥に作ることができたのか不思議でたまらない。確かに、ある程度の人員を割けば作れるのであろうが、その労力をかける試みが、現代を生きる私からすると驚嘆に値するのだ。
ここから正面奥に進むと、かわらけ投げの地へとやってくる。そこから見える景色は圧巻だ。洛中にいるとなかなか見ることのない山々の景色がそこには広がっている。ここまで自然を感じることのできる地はなかなかない。

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かわらけ投げを終え、金堂へと向かう道も木々が生い茂っており、幻想的な空間を生み出している。木々の中に差し込む日の光が美しい。

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金堂の中へと入る。金堂には、薬師如来立像や日光・月光菩薩像などが安置されている。また、昔は教科書などでよくお目にかかっていた伝源頼朝像などがある。歴史を感じさせる文化財ばかりである。

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高山寺・神護寺と訪れ、足も疲れてきたので、駐車場に戻り、次なる目的地へと向かう。

2.上賀茂神社

 鴨川デルタからしばらく北上すると、上賀茂神社が見えてくる。下鴨神社のすぐ近くにあるのかと思っていたが、少し離れた地に位置している。賀茂氏を祀る神社で、葵祭が開催されることでも知られる。この日は、たまたま上賀茂手づくり市というものをやっていて多くの出店が立ち並んでいた。フリーマーケットのようなものであろうか。また、この地を流れる小川は清流で、とても冷たそうだ。足をつけてみたい。

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この地には、歌人藤原家隆の歌碑が残る。
「風そよぐならの小川の夕暮れの禊ぞ夏のしるしなりける」

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もう秋になりかけているが、祓(はらえ)の儀式だけが夏を感じさせるのだ、と詠んだ歌である。私が訪れたのは6月だが、昔の暦で言えば4月から6月は夏に当たる。しかし、ここ上賀茂神社では、今夏の蒸し暑さの片鱗が見え隠れしており、ようやく夏が始まるのかといった景色を見せていた。「”春”のしるし」は見つけられず、新緑の木々が広がっていた。

3.展望

 今回は、三瀬と上賀茂神社を訪れた。今回訪れることのできなかった西明寺にも、秋の季節に訪れてみたい。秋の季節になると三瀬には多くの観光客が押し寄せるらしく、紅葉の定番スポットとなっている。


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