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出る杭、ただの杭

現代は、ゲームの影響もあるのでしょうが、すぐにリセットする傾向があるといわれています。
それだけに「あきらめない人」が得難い人材だと言えますが、「出る杭は打たれる」ではなく、「出る杭を求める」時代になったと言えるのではないでしょうか。

この意見に私は賛成である。昔、日本は戦争に走った。その時代には、たとえば政府の意見と異なることを口走ると、それだけで「非国民」のレッテルを張られるものだった。日本という巨大な生き物の、1つの細胞として人間が求められ、それを至上とした時代だった。「出る杭は打たれる」時代であったのだ。
 今は違う。世界に広がった機械電子化の波は、ただみんなと同じようなこと言い、同じようなことをする。“ただの杭”人間の価値をググっと下げた。これからは周囲と同じ人間は、その地位を同じことをする能力ならピカイチの現代機械にあっという間にさらわれるであろう。そういう時代が来たのだ。だが、それは、人類が“共同体”という1つの巨大な生物の細胞から1人の人間という単一生物へ昇華したことも意味している。個性をもとめてどんどん出ていく、そんな杭を今、時代は求めているのだ。

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